「フォトウォークしましょうよ。」
「都内もいいけど、熱海とかでもありです。」
「熱海行ってみたいかもですね〜。」
「では熱海で!」
そんなノリで熱海への一日フォトウォークが決まった。
メンバーは私を含め4人。うち、2人は会ったことがある。
1人は初めて会う。
決まったのは熱海に行くこと、その日程、そして写真を撮ること。
この3つだけだ。

特に準備もしなかったものの、当日の集合もスムーズでそこからの道行は特に誰が仕切るわけでもなく、
「あっちのほうなんか良さそう」
「ちょっとこっち撮りたいです」
「ここ面白いですねぇ」
などと誰かが言い出し、その流れに任せてみんな歩みを進めてはシャッターを切る。
至ってシンプルな流れだ。

同じようなところを移動しているにもかかわらず、全く撮るものが違っていたり、気づけばよくわからない壁が気になってみんなカメラを向けていたり、そんな雰囲気が心地よい。熱海のよいところは一度衰退してそこからもう一度復活を遂げるエネルギーに満ちているところだ。
昭和の没落と令和の再生の物語が同時進行で突き進んで若い人たちも集まっている。
聞けば今の渋谷には40代が多いという。これから新しいストリート写真が撮れるとするのであれば、それは壮年が集まる渋谷ではなくて、こういう場所なのかもしれない。
そう感じさせるエネルギーがそこかしこに滞留している。

カメラ談義をしながら、ナポリタンを頬張ったところ、鉄板で蒸発するケチャップの酸味を勢いよく吸い込んでブホホッと咳込みスパゲッティが放物線を描いて宙を舞った。

さらっと、
「大丈夫ですか?」
で気遣ってくれる。
これが仮に高校生時分の初デートだったりすると熱海駅前の足湯で溺れて死にたくなるところだが、「失礼!」の一言で流してもらえるのがありがたいところだ。
なお20代男性2名、40代男性2名が今回のメンバーの内訳である。




