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Nikon Z 8 大解剖(4):Nikon Z 8の910グラムの重量は「軽い」?

こんにちは、別所です。Nikon Z 8、発売されましたね。どうやら凄まじい売れ行きのようで、初回ロットが尽きたあとは3ヶ月待ちという話を聞きました。60万円は超えないとはいえ、50万円台のカメラが一瞬で売り切れるって、どれだけのファンがZ 8という「永遠に訪れないガンダーラ」のようにも思えた名機を待っていたのか、まさに状況が如実に語ってますね。

そしてすでに発売された状況で、みんながもう実機をある程度触った時点で敢えて言っちゃいますが、このカメラはやはり歴史を切り拓く名機であることは、もうお分かりですよね。各種カメラレビューでも語られている通り、本当に万能なんです。もちろん中身はフラグシップそのものなので、基本的には厳しい要求の突きつけられるプロの現場で使われることを想定されたボディであるんですが、一方で日常使いでも使えちゃえます。Z 9から撮影枚数減を引き換えに手に入れた-400グラムの軽量化は、例えば旅行での撮影でも大活躍。

いや、ほんまか?ほんまにそんなこと可能なんか?と、言われるかもしれません。いうて910グラム、大三元を背負って歩いたら、旅行先で死ぬんちゃうんか、と。大丈夫、嘘はもうしません。体張って証明して見せましょう、ということでイタリア飛びました。

今回の記事では、Z 8の話題の中で唯一、意見が分かれがちな「軽さ」について、イタリアの作例とともに、それこそ「軽やかに」話していきます。全三回があまりにもヘヴィーな内容だったので、今回は作例多めに、華やかに。

イタリアに着いたのは3月なかばでした。まだ世の中にはZ 8の情報がほぼ出てなかった頃じゃないかなあ、、、だから、異国といえどもZ 8を出すのを躊躇してたんですよね。もしかして、イタリアのニコンファンが、「あのカメラはなんだボンジョールノ、見たことないよオーソレミオ、ちょっとスマホで写真撮ったろチャオー」的な感じで目ざとく見つけてくるかもしれない。飛行機の中ではそんな感じでブルブル震えてたんですよね。ローマついても「ダメだ、簡単にカメラ出しちゃいけねえ、オラ絶対見つかっちゃなんね」って思ってたんですよね…。

秒で撮ってました。

いやもちろん、しっかりカメラは小脇に抱えて、周囲から「ブツ」を見られないようにして撮ってはいるんですよ。でもね、ローマに来たテンションで、とにかくシャッターを切りたくなる。ていうか、背中のバックパックの中に秘められたZ 8が、旅行中ずっと僕にささやくんですよね。

「俺を出せ、俺ならここをいい感じに撮れるから!」
なんか僕のZ 8、呪術廻戦の宿儺か、チェーンソーマンのヨルみたいに、やたら動きたがる。止まってくれない。なんせ、Z 8はReady Actionですからね!

てことでReady Actionのこの映像、何回出すんやって話ですけど、許してください、僕の人生のピークここなんで。

と言う流れでやってきたイタリア、背中に隠した相棒と共にイタリアを回ってきました。


テルミニ駅出たらこれ。
いやー、最初からZ 8すごかったし、改めてボディとレンズの組み合わせがもたらす威力にも惚れ込みます。シャッターを切る指が止まらないし、フットワークも超軽い。背中にはZ 8の他に、バッテリーが6本、24-70、14-24、70-200の3本が格納されているんですが、かつては嵩張るレンズ代表格だった超広角14-24が軽くなったので、全体として背中に「合計200まんえんの機材」を抱えているような重みはそれほどなく、思うがままに旅先を切り取る喜びを、背中の機材が全力で支えてくれるような、そんな信頼感を感じる構成でした。「このセットなら、オラワクワクすっぞ!」と、無駄に全能感が湧き出てくる。

それにしても出てくる絵面、良すぎんか?
かつてNikonのD800やD810を使ってた頃の僕を知ってくださってる方は、あの頃の僕はただただ絶景風景ばかり、あるいは飛行機や花火ばっかり撮ってたことをご記憶いただいてるかもしれません。それは僕のフォトグラファーとしての見識や経験の浅さもあったけど、同時に、あの頃の一眼レフはニコンもその他の会社も、とにかく重たかった!フルサイズ機に大三元を付けて振り回せば、半日で肩が砕け、肘が萎え、箸さえ持ち上げられないくらいに疲れたものでした。なんなら悟空が普段つけてる異様に重たい胴着レベルで体疲れてた。でもZ 8なら全然大丈夫、むしろ労せずしてスーパーサイヤ人(あるいは五条先輩とかシャンクスとか)になれる、これ一台あればね!

だって、ここまでの写真。全部初日で撮ってるんだけど、20時間のフライトで日本から飛び終わって、飛行機の中で一睡もしないままにローマに飛び出して元気いっぱい撮りまくってる写真の、その最初の200枚くらいから選んだもの。どんだけZ 8と大三元のセットが、「言うほど重くないか」ということの証明になってま、、、せんかね?よっしゃ、説得の方向、変えよか。

結局のところ「重たさ」というのは主観的かつ相対的なもの、ではありますまいか、諸君。キリスト教最大の怪力の持ち主サムソンにとっては、石造りの神殿の柱さえ、一人で動かせるほど軽かったかもしれませんし、箸より重たいもの持ったことのない深窓のご令嬢にとっては、カメラキャップだって、地球より重たく感じるものでしょう。結局のところ重さは相対的なものです。
そんな中で、ある程度合意を図れるのが、「取り回しの良さ」とか「ホールド感」とか言った、クラフトマンシップが問われる「物としてのつくりの良さ」。それこそ今回のZ 8を通じてニコンが再び世界に対して示してみせた、老舗の光学機器の会社、カメラの会社としての「モノづくり」の矜持とも言える部分です。持ってよし、使ってよし、それがテンションを爆上げしてくれるんです。

公式のプロモーション動画で「テンションを爆上げ」って言ったの、多分僕くらいですよ。本当に。でもこれ、マジで僕がずっとイタリアで感じてたことなんですよね。オートフォーカスもそう、取り回しもそう。システムとしての「軽やかさ」は、まさにReady ActionがキーワードになっているZ 8の機動性を象徴する部分なんです。

だから「軽い」とは言わない。
「軽やか」なんです。

あ、やべえ、またこういう大学の授業みたいなノリになってきた。今回は「軽やか」に作例を見せる回でしたね。でもねえ、イタリアで僕2万枚近い写真撮ってるんですよ。もうね、選べない。てか選びたくない。なので、いい感じのやつを適当に選んで見せますね。まずはローマ編!

ここまで、ぜんぶ、初日。初日のローマ。このあとはね、お腹いっぱいパスタ食べて、赤ワイン飲んで、オリーブとチーズ食ったら、なーーーんもやる気なくなってぐっすり眠ったっすよ。ここまでの撮影枚数、合計2000枚。このノリで続けていくと、延々この記事終わらんのですよね。この辺りで一回切ろうかな、、、うん、もぅマヂ無理。。。

このあと、フィレンツェとチヴィタとオルヴィエートとヴェネチアの写真もあるんすよね。あまりにカメラが軽快なおかげで、ひたすら撮りまくって、今選ぶのがむしろ重たいっていうね。いやもうね、Nikon Z 8、ほんまReady Actionですよね。

てことで、次の記事は二日目以降のイタリアの写真にするか、それとも日本の桜撮りまくった話にするか、なんにしましょうかね。次が最後の連載記事の予定なんで、また見てやってくださいねー。

アデブレーべ、オブリガード

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▲別所隆弘さんによるMARSH連載コラム『シャッターを切る前の話』

▲別所隆弘さんによる打ち上げ花火の撮影テクニック解説記事

▲別所隆弘さんによるNikon Z 8レビュー記事

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この記事を書いた人

フォトグラファー、文学研究者、ライター。関西大学社会学部メディア専攻講師。毎日広告デザイン賞最高賞や、National Geographic社主催の世界最大級のフォトコンテストであるNature Photographer of the Year “Aerials” 2位など、国内外での表彰多数。写真と文学という2つの領域を横断しつつ、「その間」の表現を探究している。滋賀、京都を中心とした”Around The Lake”というテーマでの撮影がライフワーク。日経COMEMOで記事執筆中。フォトグラファーとしての知見を活かして、インバウンドや地方創生事業、SNS運用のコンサルタントなどにも関わる。