野鳥撮影の基本とコツ!カメラの設定から構図、レンズまで徹底解説

  • 2021.06.29
  • 2024.12.19
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「野鳥撮影を始めてみたけど、いまいち上手く撮影できない」「そもそもカメラの使い方がよくわかっていない」という方は多いのでは?

この記事では野鳥撮影を始めたい初心者方の方に向けて、鳥を上手に撮影するコツを紹介しています。また、野鳥撮影スポットで注意したいマナーやカメラの設定、野鳥の見つけ方なども併せて解説。この記事を読めば、野鳥撮影の基本的なことは一通り分かるはず。構図やおすすめの天気など、一歩進んだ撮影のコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事で実際に設定しているカメラはCanonのミラーレス一眼カメラ『EOSR6』です。
この記事で紹介する設定項目の名称や設定方法は、使用するカメラのメーカーや機種によって異なります。ご注意ください。

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野鳥を撮影する前に知っておきたいマナー

初めて野鳥撮影をする方は、必ず下記のマナーを守りましょう。

  • 野鳥の生態を脅かさない
  • 静かに撮影する
  • 撮影ポイントを公開しない

野鳥の生態を脅かさない

野鳥撮影で最も大切なルールは鳥の生態を脅かさないことです。「野鳥を近くで撮影したい」からといって、むやみに野鳥や巣に近づいてはいけません。野鳥は人を恐れるので、人が近づくことで負担をかけてしまいます。

また、野鳥に餌をあげるのもやめましょう。野鳥が自ら餌を獲る力を奪ったり、人間の食べ物に含まれる油や添加物によって病気になったりすることがあるからです。

さらに、撮影の際にはストロボの使用もNGです。自然界に無い強い光が、野鳥の負担になってしまいます。

野鳥撮影は、野鳥が生息している場所にお邪魔して撮影させていただくもの。鳥たちの生活を尊重しましょう。

静かに撮影する

野鳥は人間をとても警戒しているので、騒がしくするとすぐに逃げてしまいます。また、野鳥と出会える場所では、他の撮影やバードウォッチングを楽しんでいる人がいるかもしれません。お互いに配慮して、野鳥が逃げてしまうような振る舞いは避けましょう。

音以外にも、野鳥はレンズを構えるような大きな動作を嫌います。レンズをゆっくりと動かしたり、前もって三脚の位置調整したりするとよいでしょう。

撮影ポイントを公開しない

野鳥が撮影できる良いポイントを見つけると、SNSなどで共有したくなるかもしれません。でも、それはNGです。

撮影ポイント公開して撮影に来る人が増えると、野鳥にとって大きな負担になってしまうからです。巣で雛を育てる夏の時期などは、人を恐れた親鳥が巣を捨ててしまうことも…。また、野鳥撮影のルールを知らない不特定多数の人が集まることで、野鳥や他の撮影者のみならず、地元の方に迷惑をかけてしまうことも考えられます。

撮影ポイントは、撮影者自身が大切にしなければならない場所です。安易な公開はやめましょう。

ルールや注意点についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてください。

野鳥の見つけ方

撮影スポットによっては、たくさんの野鳥にすぐに出会えることもあれば、なかなか鳥を見つけられない場合もあります。事前に野鳥を見つけるコツを知っておくと、短時間で良い写真を撮影できるでしょう。

  • 見晴らしの良い水辺で探す
  • 耳を澄まして声を探し、出てきてくれるのを待つ
  • 他の撮影者に注目する

見晴らしの良い水辺で探す

初心者が撮影スポットを決める場合は、野鳥を見つけやすい場所を選びましょう。

野鳥撮影に向いている所は、林のように木がたくさん生えている場所と思われるかもしれません。しかし、林は野鳥を上手く撮影しにくいので初心者には不向き。林は、枝が入り組んでいたり、木の葉に鳥が隠れたりと、むしろ野鳥が見つけづらい場所です。

初心者の方にオススメの撮影場所は、水辺です。具体的には、池や湖、干潟、川や海などのこと。水鳥が多く集まるうえに、その姿を遮るものがないため、野鳥を見つけやすい場所です。さらに枝などの邪魔もないので、カメラのAF(自動でピントを被写体に合わせる機能)が効きやすいのもポイント。初心者の方には、まずは水辺での野鳥撮影をオススメします。

耳を澄まして声を探し、出てきてくれるのを待つ

林のような見晴らしの悪い場所でも、鳥を見つける方法はあります。まずは耳を澄ませて、野鳥の声を探しましょう。声が聞こえることで、鳥のいる場所や高さの見当がつきます。野鳥の声が聞こえたら、存在は確認できたということ。あとは、見える場所に出てきてくれるのをじっと待ちましょう。枝にいる野鳥は、こまめに枝の上を移動します。いずれ撮影がしやすい、低い木の枝に降りてきてくれるかもしれません。

枝や葉っぱが揺れることで大体の位置が分かるはず。見つかったら、野鳥がどのように動くのかよく観察しましょう。慣れてくると、野鳥の動きを予測できるようになりますよ。自分と反対側の枝にいて鳥の姿が見えない場合も、こちら側に移動してくれるかもしれないので、焦らずにじっと待つことが大切です。

他の撮影者に注目する

なかなか鳥を見つけられない時には、他の撮影者を探してみましょう。このスポットに何度も通っていて、野鳥が観察できるポイントを知っている方がいるかもしれません。

他の撮影者を見つけた場合、その人の前に入り込むようなことはNGです。撮影場所が広いなら邪魔しない場所で撮影する、狭いならば場所を覚えておいて、そこが空いてから撮影すると良いでしょう。

野鳥を見つけるには、さまざまな方法があります。さらに詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてください。

野鳥撮影に必要な撮影用アクセサリー

野鳥撮影の時に、必要な撮影用アクセサリーを紹介します。

  • 三脚と雲台
  • テレコンバーター

三脚と雲台

三脚 雲台 アクセサリー

野鳥撮影では主に望遠レンズを使います。望遠レンズは、写真がブレやすい(画面全体がズレたように写ってしまうこと)のが、注意点。遠くを狭く写すレンズなので、少しの動きで大きく画面が動いてしまうためです。手持ち撮影では写真がブレやすいため、三脚を使ってブレを防ぎましょう。

また、三脚のメリットは他にもあります。野鳥は、急にレンズを向けられるような大きな動きが苦手です。前もって三脚にカメラを据えておくことで、撮影までの動作を小さく、目立たなくできます。

三脚に乗せる雲台には、向きや角度を自由に変えられる自由雲台と、縦軸と横軸などギアを使って細かく設定できる二軸・三軸雲台があります。野鳥撮影で使用する場合、自由雲台は避けた方が◎。望遠レンズは重くて長いため、柔軟に大きく動く自由雲台では、操作中に機材の自重で左右に倒してしまう場合があるためです。安定的にじっくり操作ができる、二軸・三軸の雲台がオススメです。

テレコンバーター

テレコンバーター アクセサリー

テレコンバーターは、レンズに装着することで、レンズの焦点距離を伸ばせるアクセサリーです。焦点距離とは〇〇mm(ミリ)で表すレンズの性能のこと。焦点距離が短いと広く写り、長いと狭く遠くまで写せます。風景写真のように全体を広く撮る場合は35mm判換算で16mmや24mmといった画角の広いレンズを使うのが一般的。ところが、野鳥撮影では600mmや800mmなど、遠くのものをより大きく写せる超望遠レンズを使用します。

野鳥撮影の場合、被写体である鳥は遠くにいて近づけないことがほとんど。できるだけ焦点距離の長い、35mm判換算で600mmを超えるような超望遠レンズがオススメ。初心者の方で超望遠レンズを持っていない場合は、テレコンバーターで焦点距離を伸ばすと良いでしょう。

テレコンバーターは、焦点距離が1.4倍に伸びるモデルや2.0倍に伸びるモデルが一般的です。例えば、焦点距離が400mmのレンズの場合、2.0倍のテレコンバーターを装着すると、800mm相当の画角で撮影できます。

ただし、テレコンバーターにも注意点があります。画質が落ちる場合がある点や、テレコンバーターを装着できないレンズもある点には注意しましょう。

アクセサリーについては下記の記事に詳しくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

野鳥を撮影する際のカメラの設定

初心者の方にオススメのカメラ設定を紹介します。これらの簡単な設定をしておけば、ピンボケなど、撮影時のミスを減らせます。また、野鳥がキレイに写った成功写真が増えるはずです。

撮影モードは、シャッタースピード優先モード

写真はEOS R6の上部

初心者の方が野鳥撮影をする場合、カメラの撮影モードは「シャッタースピード優先」モードがオススメです。

野鳥撮影で一番注意したいのが「ブレ」です。ブレとは、被写体が止まっておらず、ズレて写ってしまうこと。野鳥の動きが細かく速いためにブレて写ったり、シャッターを押す瞬間にカメラも動かしてしまい画面全体がブレてしまったり…。せっかく良いタイミングでシャッターが切れたとしても、写真がブレていると、残念ながら失敗写真になってしまいます。

スズメの良い表情を捉えたつもりが、手ブレの写真に・・

ブレを防ぐのには、シャッタースピードを速く設定しましょう。初心者の方が三脚を使わずに撮影する場合、野鳥が止まっていて動いていない場合でも、1/400秒以上に設定すると◎。飛んでいる野鳥を撮影する場合はさらに速いシャッタースピード、1/1000秒以上にすると良いでしょう。ブレがなく、かっこいい飛翔ポーズを撮影できます。

AFは「鳥認識」&AF追従モードに設定

野鳥撮影でのピント合わせには主にAF(オートフォーカス:カメラがピントを合わせてくれる機能)を使いますが、AFにも様々な機能があります。

初心者の方におすすめしたいのが、カメラが野鳥を認識して自動でピントを合わせてくれる、鳥認識モード※です。ピント合わせをカメラに任せられるので、撮影者は画面内に野鳥を収めることや構図に意識を集中できます。

この写真はEOS R6の鳥認識機能を使った写真です。急に飛んだ鳥でしたが、カメラがピントをばっちり合わせてくれました。

※鳥認識AFは一部のカメラにのみ搭載されている機能です

鳥認識モードがあると、撮影が本当に楽になります。初心者の方にこそ試してほしい機能です。レンタルサービスなどでカメラを借りられる場合には、ぜひ使ってみてください。

鳥認識機能が搭載されていないカメラの場合は、測距点(そっきょてん:ピントを合わせる点)の広さを設定する「測距エリア選択」という機能を使います。

野鳥 設定 ゾーンAF
EOS R6の設定画面

初心者のうちはピントを合わせる範囲の広い「ゾーンAF」がオススメですが、木の枝や葉っぱなどに隠れた野鳥の場合、大きなゾーン設定では手前の枝などにピントが合ってしまいます。そのような場合は小さな測距エリアを使って、野鳥に直接測距点を合わせるようにしましょう。

AFモードは、コンティニュアスAF(サーボAF)を設定しましょう。コンティニュアスAFは被写体にピントを合わせ続ける機能です。野鳥が移動したときもピントを合わせ続けてくれます。

ドライブモードは連写に設定

野鳥 設定 サーボ
EOS R6の設定画面

ドライブモードは「連写」に設定します。連写とは、シャッターボタンを押している間連続して撮影する機能です。野鳥撮影の場合は連写で撮影し、翼が大きく開いているなど、後から良い写真を選ぶのがオススメ。

枝の上などに止まっている野鳥の撮影でも、連写を使いましょう。一枚ずつしか撮影しない場合、鳥が目をつぶってしまうことも…。目をつぶった写真は残念な印象が強く、失敗写真です。人物写真と一緒ですね。連写で撮影していれば、途中で目をつぶったとしても、目を開いた写真も同時に撮影できているはずです。

カメラの設定にさらに詳しく知りたい方は、下記の記事に詳しくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

野鳥写真が上手くなる撮影のコツ

初心者の方のために、野鳥を上手に撮影するためのコツを紹介します。

ブレの無い写真を目指す

野鳥を撮影する場合、ブレた写真になりやすいので注意が必要です。

ブレ写真には、被写体がブレたように写る「被写体ブレ」と、シャッターを押す時にカメラを動かしてしまうことで写真全体がブレる「手ブレ」の2つがあります。

野鳥 設定 被写体ブレ

野鳥がブレている、被写体ブレ写真

画面全体がブレている、手ブレ写真

野鳥は動きが細かく速いので、被写体ブレが起きやすいのが特徴。また、遠くを狭く写す望遠レンズを使うため、ちょっとしたカメラの動きでも手ブレを起こしやすい点に注意が必要です。

せっかく良いタイミングでシャッターを切れても、ブレてしまうと残念ながらそれは失敗写真。ブレの無い写真を目指しましょう。ここでは、そのためのコツを紹介します。

シャッタースピードを上げる

シャッタースピードが速いと、ブレが発生しづらくなります。初心者のうちは止まっている野鳥の撮影でも1/400秒以上、飛んでいる野鳥を撮影する場合は、1/1000秒以上には設定しましょう。

ブレがないかどうかは、写真を拡大して確認します。小さい画面サイズで見ていると、ブレが目立たない場合があるためです。ブレのない、解像感のある写真であれば成功です。

三脚を使う

カメラを三脚に据えて撮影することで、手ブレを抑えられます。三脚は大きくて重いレンズを乗せても安定するように頑丈なモデルを選びましょう。積載重量(耐荷重)が機材の2倍の重さである三脚が目安です。また、機材を載せて歩いて移動することも多いので、軽量のカーボン製がオススメです。

レンズの手ブレ補正機能をONにする

Canon製レンズの場合は、「STABILIZER」をONにします

ほとんどの望遠レンズは、手振れ補正機構が搭載されています。必ず撮影前にONになっていることを確認しましょう。意図的にOFFにする機会はないかもしれませんが、カメラバッグに入れて移動する中で、勝手にOFFになっていることがあります。撮影前にチェックを忘れないようにしましょう。

カメラの手ブレ補正機能があればONにする

最近のミラーレスカメラには、カメラのボディに手ブレ補正機構が搭載されているモデルが増えました。撮影前にONに設定しているか確認しましょう。

カメラのボディ内手振れ補正機構は、純正レンズの手振れ補正との組み合わせで、さらにその効果を発揮します。レンズの手振れ補正も同時にONになっていることを必ず確認しましょう。

手持ち撮影のコツ

カメラを三脚に据えずに、手持ちで撮影する場合も多くあります。例えば野鳥やスポットを探索しながらの撮影や、お散歩を楽しむついでに撮影するためにカメラを持っているような場合です。

このような手持ち撮影の場合でも、手ブレを防ぐコツがあります。

それはレンズを構えながら、身体を何かに寄りかからせることです。例えば木に寄りかかることで、身体のブレを防げます。

座って撮影ができる場合には、カメラバッグなどの上にカメラとレンズを乗せて、三脚の代わりに安定させる方法もあります。

光を意識する

野鳥撮影の場合は屋外での撮影になるため、光=太陽光が重要です。太陽光を意識することで、写真の質がグンと上がりますよ。

光の向きを意識する

被写体である鳥にどのように光が当たっているか、意識しましょう。光の当たり方には大きく分けて三つの種類があります。

光の向き 意味 効果
順光 野鳥に正面から光が当たっている状態 陰に邪魔されず、野鳥の姿が綺麗に写る
逆光 野鳥の奥から光が当たっている状態 野鳥の正面側に影が写ってしまうが、野鳥の輪郭を輝かせる効果やシルエット撮影も可能
サイド光 野鳥の横から光が当たっている状態 光と影のコントラストで立体感が出る

野鳥撮影で基本の光の向きは、順光です。野鳥の体に影が出ないので、全身を均一の明るさで写せます。撮影者には、太陽が背中側から当たる向きです。

逆光は、光が強いほど(日中であるほど)野鳥の体の影が濃くなります。影が濃くなると、野鳥の体を明るく写すために露出(写真の明るさ)を上げなければいけません。背景が明るすぎてしまうなど、露出調整が難しいのが難点です。初心者の方は、逆光での野鳥撮影は避けて、順光で撮れる位置に移動するのが無難でしょう。

太陽高度を意識する

太陽高度が高くて、顔と身体に影が落ちています

地平線に対する太陽の高さを、「太陽高度」といいます。太陽高度の目安は、次の通りです。

  • 32度=冬至の最高高度
  • 55度=春分・秋分の最高高度
  • 78度=夏至の最高高度

太陽高度が高い=太陽の位置が高い場合、野鳥撮影には適していません。野鳥の頭上から光が当たると、顔や体に影が落ちてしまうからです。野鳥撮影に最適な太陽高度は10度から45度。この時間は鳥の体に影が落ちづらく光の色も安定しています。お昼頃の太陽高度の高い時間帯に休憩を入れるなど、太陽の高度が高い時間以外で撮影する計画を立てましょう。

早朝や夕方の高度10度以下の太陽光は、柔らかく赤みのある光が特徴です。日中には難しい逆光であっても、雰囲気を重視したフォトジェニックな写真が撮りやすくなるのが魅力。ドラマチックな写真が撮りたいという方は、早朝や夕方の撮影にもチャンレジしてみてはいかがでしょうか。

野鳥 撮影方法

撮影場所にあった天気で撮影できるとなお良し

野鳥撮影する環境は水辺や林などありますが、それぞれにあった光=天気があります。

例えば、池や干潟など、水辺の場合。おすすめの天気は晴天です。水面が空を写す鏡の役割をするので、青い空が水面に映って美しい写真に仕上がります。水辺の周りの山や森を水面に反射させて「逆さ富士」のような写真を撮影する場合も晴れの日が最適。山や森を明るくはっきりと写し込めます。

一方、林では晴天になると、木の葉や枝の影が増えてしまい、影が被写体の野鳥にかかることがあります。林での撮影で適しているのは曇天です。曇天の場合は光が柔らかく回るので、影の影響を受けにくいのが特徴です。

曇天は光の向きや太陽高度の影響が少ないため、野鳥の体に影が落ちる心配がありません。水辺以外の野鳥撮影では、曇りの日がオススメです。

野鳥撮影で狙いたいポーズを知る

野鳥撮影で良いとされるポーズを知ることで、そのポーズを意図した撮影ができます。野鳥のどんな姿を写せばよいのか迷っている方は、下記を参考にしてみてください。

顔を写す

野鳥の顔が見える写真を撮りましょう。具体的には、少なくとも片目とくちばしが写っている写真です。

野鳥はちょこちょこと素早く動きます。体が向こうを向いていても顔をこちらに向けてくれることもあれば、枝の上を移動する途中で体ごと向けてくれることもあります。野鳥を見つけたら焦らないで、顔を見せてくれる瞬間を待ちましょう。

なお、野鳥を生き生きと写すテクニックに「アイキャッチを入れる」というものがあります。アイキャッチとは、鳥の目に光が入るように撮影すること。瞳に光があることで、生命力を感じさせます。アイキャッチは、順光で撮影することで太陽光が反射して、入れやすくなりますよ。

黒目の中に、光る点があります。

翼が一番大きく開いた瞬間を狙う

野鳥が飛んでいる姿を撮影する場合は、翼が大きく開いた瞬間の写真を目指しましょう。

飛んでいる野鳥を横から写す場合には、開いた翼と体が重なってシルエットとして大きく見えない場合もあるので、翼を大きく振り上げた瞬間か振り下ろした瞬間を狙うと良いでしょう。

群れを写す

野鳥が群れている姿も野鳥撮影の定番シーンのひとつです。干潟や湖、畑などの広い場所に大群でいる野鳥を撮影しましょう。

群れを撮影する場合には広角レンズを使いたくなるところですが、群れの写真も望遠レンズを使うのがオススメです。望遠レンズには「圧縮効果」があるためです。圧縮効果とは、広い範囲が圧縮したように狭く写る効果のこと。望遠レンズは遠くの広い場所を狭く写すので、広がりのあるものもギュッと密集しているような写真になります。この圧縮効果によって、野鳥の群れも密度が高く写るので、たくさんの鳥がいるように表現できるのです。

野鳥の群れとの距離によりますが、群れに近寄れた場合でも70mm以上、ある程度離れている場合には200mmから600mm程度の焦点距離がオススメです。

流し撮り

飛翔する野鳥を魅力的に撮影する方法に、流し撮りがあります。流し撮りは、飛んでいる野鳥に合わせてカメラを動かしながら撮影する手法です。背景が流れるため、スピード感のある表現ができます。

流し撮りは、シャッタースピードを遅くして、被写体である野鳥を追うようにカメラを振ります。こうすることで、背景だけが流れ、野鳥は止まっている写真が撮影できるのです。

シャッタースピードが遅いほど背景の流れは大きくなりますが、野鳥がブレやすくなります。まずは1/100秒程度から練習を始めてみましょう。流し撮りは練習するほど上達するので、近所の道路を走っている車などで練習するのもオススメです。

野鳥撮影におすすめの構図

野鳥撮影でオススメの構図は、日の丸構図、三分割構図、二分割構図、対角線構図です。

日の丸構図

野鳥撮影の基本は「日の丸構図」です。日の丸構図とは、日の丸のように、画面の真ん中に主題となる野鳥を配置する構図のこと。

画面の中央はカメラのAF精度が高く、レンズによる歪みも出にくい場所です。まずは日の丸構図で、野鳥の姿をきれいに写すところから始めましょう。

日の丸構図でシッカリと撮影しておけば、後からトリミング(切り抜き)によって別の構図にすることも可能です。迷ったら日の丸構図で撮影しましょう。

三分割構図

三分割構図とは、画面を縦三つ横三つに分割して、その縦線と横線の交差する場所に主役を配置する構図です。望遠が足りずに鳥を小さくしか写せない場合でも、三分割構図を使うことで、風景の中に佇む鳥の姿を表現できます。

ポイントは、野鳥が顔を向けている方に大きく空間を作ることです。また、空を広く見せるのか、地面を多く見せるのかで野鳥の存在感が変わります。線が交差する4カ所のどこに野鳥を配置するのか、工夫してみましょう。

二分割構図

二分割構図は、画面を二分割して、分割したそれぞれに被写体を設置する構図です。特に水辺での撮影がオススメ。水に写る鳥の姿で2分割しやすいので、積極的に狙ってみましょう。

対角線構図

2羽以上の鳥を一つの写真に収める場合、対角線構図を狙ってみましょう。

対角線構図は、その名の通り画面の対角線を意識した構図です。電線などに横一列に並んでいる鳥を対角線上に配置することや、対角線の左右に野鳥をバランスよく配置して撮影します。

対角線構図のようなバランスが大事な構図では、野鳥だけではなくファインダーの四隅を見ましょう。鳥だけに注視してシャッターを切ってしまうと、写真内の野鳥の位置が偏ってしまう場合があります。四隅を見ることで画面全体を広く意識できるので、その中でバランスよく野鳥を配置した構図が作りやすくなります。

野鳥撮影にオススメの機材

カメラ

野鳥撮影には、高性能・高機能なカメラが向いています。動きの速い鳥に素早くピントを合わせる性能を備えていたり、美しい羽毛まで精細に写せたりするカメラが野鳥撮影には有効です。

鳥の自動認識機能を搭載したカメラ

野鳥 設定 鳥優先
EOS R6の野鳥の瞳自動検出設定

野鳥撮影でぜひ使いたい機能に、鳥の自動認識機能があります。これはカメラが鳥の姿や瞳の位置を認識して、自動でピントを合わせてくれる機能です。この機能を使うと、撮影者はピント合わせに集中する必要がありません。構図やシャッターを押すタイミングなどに集中できるので、よりイメージに近い写真が撮りやすくなります。結果、作品としての質を上げられるので、オススメです。

鳥認識機能は新しい機能なので、一部のプロ向けやハイアマチュア向けの最新機種にしか搭載されていません。いずれは中級者や初級者に向けたカメラに搭載されると思いますが、今はまだ高級機種のみに搭載された機能です。

鳥の自動認識機能搭載カメラ
Canon EOS R3/EOS R5/EOS R6
Sony α1/α7Ⅳ
Nikon Z9
OM Digital Solution OM-1/E-M1X

高級機種でもレンタルサービスなどで試せるので、可能であればぜひ使ってみてください。

画素数の多いカメラ

画素数の多いカメラも、野鳥撮影にはオススメ。画素数とは、撮影したデジタル画像を構成するひとつひとつのピクセルの数のことです。画素数の多いカメラは、センサー(昔のカメラのフィルムに当たる部分)にある光のデータを受信する撮像素子の数が多いため、多くのデータを使って1枚の写真を生成できます。

画素数の多いカメラのメリットは、精細な写真が撮れることです。画素数の多いカメラと少ないカメラで同じものを撮影した場合、画素数の多いカメラで撮った方がより細かいところまで正確に写せます。細密な表現が可能なため、羽毛の一本一本など解像感の高い写真を撮影できるがポイントです。

また画素数が多い場合は、トリミング耐性があるというメリットもあります。トリミングとは写真の一部を切り抜いて、その部分を大きく表示すること。例えば、野鳥が小さくしか写っていない写真でも、その部分をトリミング(切り抜き)することで、野鳥を大きく表示できます。ただし、写真の一部分を引き延ばしたことになるため、少し画質が落ちてしまうのが一般的です。

ところが、画素数の多いカメラでは異なります。野鳥の部分だけをトリミングしても十分な画素数があるため、画質を維持できるからです。画素数が多いカメラはトリミングしても画質がある程度維持できるのが良い点。小さくしか写せなかった野鳥も画質を維持した状態で大きく表示できるため、トリミングを多用する野鳥撮影では特にオススメです。

画素数が多いカメラの目安は、有効画素数(写真にデータが使われる画素の数)が4000万画素以上のモデル。その中で野鳥撮影にオススメのカメラは、次の通りです。

有効画素数が多いオススメのカメラ
Canon EOS R5
Sony α1/α7RⅣ
Nikon Z9/Z7Ⅱ

レンズの焦点距離を伸ばしてくれるカメラ

野鳥撮影で重要なのが、焦点距離(遠く被写体をどれだけ大きく撮影できるか)です。野鳥撮影では焦点距離600mmが標準レンズといわれることもあるほど、望遠が求められます。ところが、600mmを超えるような超望遠レンズは、大きく重いため、持ち運びや撮影の負担になってしまうことも…。

レンズの焦点距離は、フルサイズというセンサーサイズ(昔のカメラのフィルムに当たる部分の大きさ)を基準にしています。実はセンサーサイズが小さいカメラを使うと、同じレンズを使っても画角が狭くなります。そのため、焦点距離が延びるのと同じ効果があります。

カメラ センサーサイズ 解説 画像
センサーサイズ比較

センサーサイズと画角の関係は、次の表の通りです。

400mmのレンズを装着した場合の実質的な画角
フルサイズ 400mm
APS-C(エーピーエス・シー) 600mm
マイクロフォーサーズ 800mm

センサーサイズがAPS-Cサイズのカメラにレンズを装着した場合、レンズの焦点距離は1.5倍(Canon製は1.6倍)に、マイクロフォーサーズの場合は2倍に伸びます。センサーサイズが小さいことで、画質が少し落ちたり暗い環境で撮影しにくい場合がありますが、機材が小さく軽くなるメリットもあります。

センサーサイズがフルサイズよりも小さくて、野鳥撮影がしやすいカメラは次の表の通りです。

焦点距離を伸ばせるオススメのカメラ
Canon EOS 90D
Nikon D500
OM Digital Solution OM-1/E-M1X
Panasonic G9

レンズ

野鳥撮影は遠くの小さな鳥を撮影するので、望遠レンズで撮影します。

望遠レンズを選ぶポイントは二つ、「焦点距離」と「明るさ」です。

焦点距離

野鳥撮影では、焦点距離が長ければ長いほど撮影のチャンスが広がります。レンズの選択では焦点距離の長いものを優先しましょう。

焦点距離とは、遠くの被写体をどれだけ大きく撮影できるかというレンズの性能です。日常的に使われる望遠レンズというと焦点距離は200mmから300mm程度。ですが野鳥撮影では、600mmや800mmが一般的で、さらにテレコンバーターなどを使って距離を伸ばして撮影します。

野鳥撮影で使う場合、できるだけ焦点距離の長い望遠レンズを準備しましょう。

明るさ

野鳥撮影では望遠の焦点距離が長いレンズを使うのが最優先ですが、その次に意識したいのが明るさです。レンズは、できるだけF値が低いものを選びます。

F値(エフち)とはレンズの性能のひとつで、レンズがカメラに届ける光の量を意味します。F値が小さいほど光を多く届けられる、つまり明るいレンズです。明るいレンズであるほど、シャッタースピードを短くしても必要な光量を確保しやすいため、ブレを防ぎたい野鳥撮影では明るいレンズを使うことが有利なのです。

一般的に望遠レンズは、標準的な焦点距離のレンズよりもF値が大きくなります。600mmを超えるようなレンズでは、明るくてもF5.6、暗いものではF11というレンズもあるほど。

あくまで焦点距離の長さを優先しますが、その中でもできるだけ明るいレンズを準備することで、より野鳥は撮影しやすくなりますよ。

まとめ

アトリ

この記事では、野鳥撮影初心者の方に向けて、野鳥を上手に撮影するコツについて紹介しました。また、野鳥撮影のルールやカメラ設定などについてもまとめました。

この全部を試そうとはしなくても、一部を取り入れるだけで、綺麗な野鳥写真がたくさん撮れるはずです。もし、一つだけ意識するとすれば、まずはブレのない写真を撮ることから始めてみましょう。うまく撮れる経験が増えてきたら、本記事で紹介した構図や野鳥のポーズなどを意識して撮影してみてください。何度もチャレンジして、理想の写真が撮影できたときの喜びはひとしおです。この記事を参考にして、より美しい野鳥写真を撮影してみてください。

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GOOPASS ANIMAL MAGAZINE編集部フォックス

こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSを展開するGOOPASS株式会社の編集ライター。自社Webメディア『GOOPASS MAGAZINE』の編集長として、企画・ディレクション・記事制作などを担当する一方で、フォトグラファーとしても活躍中。バスケットボール・ラッパー・プロバレーボール選手・フィットネストレーナーなど、スポーツ・ストリートシーンを中心に、スナップ・ポートレートなど幅広い撮影シーンを手がける。愛機はCanon EOS 5D MarkⅣと、FUJI FILM X100V。

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