実写レビュー!Canon(キヤノン) EOS R6で野鳥を撮影してみた

Canon(キヤノン)のEOS R6は、暗所に強く高画質なカメラとして、大人気のフルサイズミラーレスカメラです。
ただ、ポートレートや風景、スナップなど、静物を美しく撮るためのカメラという印象が強い機種。動きものである野鳥撮影でも使えるのか、それほどのスピードやレスポンスのあるカメラなのか、興味のある方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、素人の趣味カメラマンがEOS R6を使って野鳥撮影にチャレンジしたレビューをお伝えします(一部、動物園の鳥も含みます)。


結論としては、EOS R6は、とても優秀な野鳥撮影カメラでした。事前に印象として持っていた「画質最優先」だけではなく、高速で飛翔している野鳥を追いかける高い性能を併せ持っています。野鳥撮影をメインに考えられている方にも、妥協することなく使えるほどの性能を持っているカメラである、と実感できました。
これほど高画質・高性能のカメラのため、価格はキヤノンオンラインショップで335,500円(税込/2022年7月24日現在)とかなり高額です。本当に希望通りの性能なのか、購入前に一度レンタルで試してみるのはいかがでしょうか。

なお、記事の中で鳥を撮影している写真は全て、RF100-500mm F4.5-F7.1 L IS USMとの組み合わせです。カメラとレンズともに、撮影した2022年7月上旬時点での最新ファームウエア※を使用しています。
※EOS R6:ファームウエア Version 1.5.2
※RF100-500mm F4.5-F7.1 L IS USM:ファームウエア Version 1.1.0
●筆者のスペック
40代男性。メインカメラはCanon EOS 7D→EOS 6D→EOS-1DX Mark2→EOS R6と使ってきました。
7Dと1DX Mark2で野鳥撮影を少しかじっていましたが、その後は子供写真ばかりに。
子供も大きくなってきたため、野鳥撮影をまた楽しめるようになりました。
目次
野鳥撮影時にEOS R6で気になった点
EOS R6は、これまでメインカメラとして家族写真やスナップ写真撮影に長く使ってきました。ですが、今回初めて野鳥という高いカメラ性能(AF速度やレスポンスなど)を求められる被写体を撮影してみて、改めて「ここまで性能の高いカメラだったのか」と気づけました。不満を感じる点が少なく、素人の方でも野鳥撮影を十分に楽しめるほどの性能を持ったカメラだったのです。
ただし、使っているからこそ分かった、気になる点もいくつかあったので、それらを紹介します。
①遠くの野鳥のピントを外す場合がある
野鳥撮影の場合、カメラの設定は基本的に「動物優先」「瞳検出」を選択します。
EOS R6でこの設定をした場合、画面内の野鳥の瞳にカメラが自動でピントを合わせてくれます。この機能はとても優秀で、野鳥の瞳の認識能力やAF精度は高いのですが、遠くの(小さく写っている)鳥のピントが外れてしまうことが時々ありました。
これは500mmでかなり遠くの野鳥を連写しているシーンです。2枚目、3枚目が急にピントを外しているのが分かるでしょうか。




特に顕著だったのは、EXTENDER RF1.4xを装着した場合。1段暗くなるためか、遠くの野鳥を撮影すると急にピントを外してしまうことがありました。
こちらも700mmで連写中の連続の写真ですが、急に背景にピントが移ってしまいました。


写真家の小島征彦先生がYouTubeで語っていたところによると、EOS R6の2000万画素という低解像度が影響しているそうです。EOS R5は4500万画素とセンサーが細かいため、鳥の瞳認識も精度が高く、より遠くにある瞳も検出できるとのことでした。
ただし、大半のシーンは、飛翔中の野鳥でもしっかりと追いかけてくれます。ピントが外れても慌てずにもう一度AFし直せば、すぐに鳥を検出しなおしてくれます。飛翔写真が撮れないということではありません。
②手前の枝にピントが合ってしまう場合がある
「顔+追尾優先AF」「動物優先」「瞳検出」で野鳥の身体や顔が見えている場所からの撮影でも、手前の枝にピントが持っていかれて、野鳥を認識してくれない場合がありました。

これは、手前右側の枝にピントが合っています。
ただ、このようなケースはまれでした。珍しい現象であったため印象に残ったので紹介しましたが、基本的には高精度で野鳥の目を捉えてくれます。
このような場合はAF形式を「顔+追尾優先AF」から「スポット1点AF」などに変えて、直接ピント位置を指定しましょう。
③右手部分のカードスロットカバーに少し気を使う
これは使い始めの時のみ感じた点です。
特に飛翔している野鳥を撮影する場合などは、グッとカメラを握る右手に力を入れながらレンズを振ります(野鳥を追いかける)。
その際に、右手部分にあるカードスロットカバーが開かないように、気を使う場合がありました。

このカードスロットカバーは、横にスライドさせると開く仕組みです。
EOS-1DX Mark2を使って野鳥撮影をしていた時には、右手部分にカバーなどがなく、しっかり握りこんで撮影できていました。
ところが、EOS R6では右手グリップの位置にカードスロットカバーがあるため、握ったままスライドしてしまわないように、「開いてしまわないように気を付けないと」と意識する瞬間が多々ありました。
結局一度もカバーを開いてしまうことはなく、慣れてくると気にならなくなりました。ただし、1DX系などの頑丈なカメラを使っている方にとっては、最初のうちはちょっと頼りなく感じてしまうかもしれません。
EOS R6を実際に使ってみて良かった点

EOS R6で野鳥を撮影してみて感じたこと。それは、野鳥撮影においても非常に使いやすいカメラである、ということでした。
野鳥を自動で認識してくれる機能やAFの速度、レスポンスの良さなど、野鳥撮影に有効な便利な機能や高い性能を十分に有していたのです。
具体的なポイントを紹介します。
①動物の瞳AFが非常に便利
EOS R6には「動物瞳AF」という機能があるのですが、野鳥撮影では常にONにして使ってほしいほど、非常に優秀な機能でした。
動物瞳AFとは、画面上に映っている動物をカメラが検知して、自動的にピントを合わせてくれる機能です。動物の身体を認識するだけでなく、顔が見える環境では瞳に自動的にピントを合わせてくれます(動物瞳AFはOFFにすることも可能)。
そのため、撮影者がピントを合わせる必要がなく、構図や撮影のタイミングだけに集中してシャッターを切れるようになりました。
この写真は、フラミンゴが水から顔を上げた瞬間を狙ったもの。口を開けたタイミングを撮影したのですが、ピントはしっかりと目に合ってくれていました。


動物瞳AF機能があることで、一眼レフ時代とは野鳥撮影の方法が変わりました。「理想の瞬間」を狙った撮影がしやすくなり、初心者でも簡単に良い写真が撮れるようになったと思います。
②飛翔中の野鳥も問題なく撮影できるレスポンス
EOS R6は、飛翔中の野鳥撮影も全く問題なくできました。それぐらいレスポンスもAFの追従性能も優秀です。
動物瞳AF機能は、飛行している野鳥に対しても有効。野鳥を画面内に収められれば、カメラが自動でピントを合わせてくれます。一眼レフ時代に比べて、AF速度・精度ともに非常に高くなっています。小さくて速い野鳥の飛翔撮影という難しい撮影も、簡単にできるようになりました。
左の写真は飛行中の野鳥を撮影したもの。右はその抜き出しです。スピードを上げて飛翔している野鳥を追いかけながらなんとか画面内に収めた撮影でしたが、カメラが鳥を認識してピントを合わせてくれています。


次の写真は、急に鳥が飛んできたため慌ててシャッターを切ったもの。残念ながら設定ができておらず、シャッタースピードが遅くて被写体ブレがおきてますが、慌てての撮影でもカメラがピントを合わせていることは分かります。

ブレてはいますが、カメラのピントを合わせる性能の高さが分かる一枚ではないでしょうか。
③高感度耐性が高い
EOS R6の特徴のひとつに、高感度耐性の高さがあります。2000万画素というひかえめな画素数であることからも分かる通り、高感度であっても画質を維持して撮影できます。そして、その高感度耐性の高さは、野鳥撮影でもとても有効に働きました。
野鳥撮影では、どうしてもISO感度が高くなりがちです。
望遠レンズはF値が高い暗いレンズが多く、飛翔している野鳥を撮影するにはシャッタースピードを早める必要があるため、さらに光が不足します。F値が高く、シャッタースピードが速いため、ISO感度が上がってしまいやすいのですが、EOS R6は高感度に強いため、ISO感度が上がっても画質を維持できます。
こちらは飛翔シーンではありませんが、天気は曇り、木の枝に覆われた暗い場所で撮影した写真です。ISO感度は5000にもなりました。左が全体図で、右はそのピント部分を抜き出したのですが、ISO5000であっても用途によっては十分使える画質を維持しているように思います。


EOS R6は、野鳥撮影のようなISO感度が上がりやすい撮影でも安心して使えるカメラでした。
④画質の良さ
EOS R6はフルサイズのデジタル一眼カメラ。画質の良さは広く知られていると思いますが、野鳥撮影でもその良さは存分に発揮されました。
こちらは網越しに撮影した写真ですが、フルサイズならではの余裕のある写真に仕上がっているように感じました。

デジタルカメラでは苦手な赤い色も、自然に見えます。

RF100-500mm F4.5-F7.1 L IS USMとの組み合わせで撮影した写真は大きなモニターで見た時に、写真の美しさや解像感に気持ちがよくなったり、ため息が出てしまったりしました。それぐらい画質には満足しています。
撮影した写真の画質がとても良いこと、それもまたEOS R6の魅力です。
RF100-500mm F4.5-F7.1 L IS USMにスポットを当てた記事もありますので、併せてチェックしてみてください。
EOS R6の詳細情報

EOS R6の仕様
EOS R6の仕様です。野鳥撮影での使用に関連する、代表的な項目のみをまとめました。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| カメラ部有効画素 | 最大約2010万画素 |
| ファインダードット数 | 約369万ドット |
| AF方式 | 顔+追尾優先AF、スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、ゾーンAF、ラージゾーンAF(縦)、ラージゾーンAF(横) |
| ISO感度の手動設定 | 常用ISO感度:ISO100~102400(1/3、1段ステップ) 拡張ISO感度(相当):L(50)、H(204800) |
| 手ブレ補正機構 | 搭載 |
| 連続撮影速度 | 高速連続撮影+ :最高約12コマ/秒 (メカシャッター/電子先幕) 高速連続撮影:最高約8.0コマ/秒(電子先幕設定時) 電子シャッター:最高約20コマ/秒 |
| モニター画面 | 3.0型(画面比率3:2)/ 約162万ドット |
| 大きさ | 約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm |
| 質量 | 約680g(バッテリー、カードを含む)/約598g(本体のみ) |
野鳥撮影時のEOS R6の設定

EOS R6で野鳥撮影をする場合のオススメの設定と、その設定方法を紹介します。
野鳥の瞳を追従する設定
野鳥の姿やその瞳に自動でフォーカスを合わせてくれる設定方法は、次の通りです。
- AF動作:SERVO AF
- AF方式:顔優先
- 検出する被写体:動物優先
- 瞳検出:する
いずれのメニューも AF>1 で設定可能です。

飛翔する野鳥を追いかける
飛翔する野鳥を追いかけるためのAF設定について、紹介します。
飛翔する野鳥を望遠レンズで追いかけるので、画面外に出てしまうことがありました。望遠レンズによる追従が苦手な方にオススメのAF設定は以下です。
- サーボAF特性:Case2
「サーボAF特性:Case2」は、AFフレームから外してしまう場合に、ピント合わせを粘り、ピントを合わせ続けてくれるモードです。

ファインダー内で野鳥を追いかけるのが苦手でない方は、全ての項目を平均値としたCase1や、急に現れた被写体にも素早くピントを合わせられるCase3に設定するほうが、より狙い通りにピントを合わせやすいかもしれません。
まとめ

野鳥撮影でEOS R6をしっかりと使ってみて、EOS R6に持っていたイメージが革新されました。
柔らかく美しい写真が撮れる印象のカメラでしたが、AFの追従もレスポンスも、野鳥撮影に問題なく使えるほど性能の高いカメラである、と気づけたのです。
性能面だけではなく、画質や高感度耐性は期待通り。それらのメリットは野鳥撮影にも非常に有効でした。
野鳥撮影を長くされている方にとっても、納得できるカメラだと思います。特に、動物の瞳を自動検知してピントを合わせる機能は野鳥撮影を大きく変えたと感じます。意図を反映した野鳥撮影を、以前よりずっと楽に撮影できるようになるはず。まだ試したことがない方には、ぜひ一度体験していただきたいカメラです。
これだけ高性能なカメラのため、価格はキヤノンオンラインショップで335,500円(税込/2022年7月24日現在)とかなり高額です。本当に希望通りの性能なのか、購入前に一度レンタルで試してみてはいかがでしょうか。
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