写真家・井上浩輝さん解説!野生動物の撮り方Vol.4「カメラ」の選び方とおすすめ機材

  • 2023.03.31
  • 2023.04.24
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(編集:GOOPASS ANIMAL MAGAZINE編集部)

これから野生動物を撮影してみたい方の中には、「どんな機材を選べばいいの?」「どうやって撮っていいか分からない…」という方も多いのでは?

そこで、米誌「National Geographic」のフォトコンテスト『TRAVEL PHOTOGRAPHER OF THE YEAR 2016』ネイチャー部門で日本人初の1位に輝いた写真家・井上浩輝さんに野生動物の撮影方法をうかがいました。

今回は、【テーマ:野生動物の撮影におすすめのカメラ】について、詳しく解説いただいています。また、井上さんの記事では、毎回撮影テーマに沿った撮影のコツや愛用機材を解説いただきます。

井上 浩輝(いのうえ ひろき)

写真家。早稲田大学非常勤講師。北海道札幌市出身。キタキツネを中心に、北海道の美しい風景や野生動物たちを撮影している。「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」、「情熱大陸」で取り上げられるなど、話題の写真家。

  

  

動物撮影の基本

シャッタースピード

1/1000秒以上、野鳥なら1/2000秒以上

レンズの焦点距離

200mm以上

絞り

「開放」を恐れない!F2.8やF4

ISO感度

上げるのを躊躇しない!ISO3200や6400

高速連写

20コマ/秒以上が好ましい!バッファとカードの種類に注意

スペック表から見える性能と見えない性能

スペック表から見える性能

  • AF性能
  • 連写性能
  • 高感度耐性
  • フルサイズorAPS-C

スペック表から見えない性能

  • ファインダーの位置
  • バッテリーの種類

AF(オートフォーカス)については高速かつ正確であることは大事ですが、最も大事なのは、動物瞳AFが搭載されている否かです。

また、連写枚数は10コマ/秒では、少し物足りない印象。20コマ/秒になってくると様々な瞬間がだいたい確実に写ってるかなと思います。30コマ/秒になると、素敵な瞬間が2回は写るかなと思います。

SONYα9 ILCE・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM(焦点距離:400mm)・F5.6・1/125秒・ISO4000・露出補正 :-0.3・モード :マニュアル

その動物が良い仕草をする、あるいは動物と動物が絡み合う、2頭が鼻を突き合わせる、2頭が寄り添うといった一瞬は、やっぱり10コマ/秒しか撮れないカメラだと撮れていない時があります。

10コマ/秒だと「もう少しこうだったら良かったのに・・・」という瞬間が出てくるのですが、20コマ/秒になってくると、感覚として、それがほぼなくなって1回で1枚は良い瞬間を撮影できます。

SONYα7R IV ILCE-7RM4・FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS SEL200600G(焦点距離:600mm)・F6.3・1/640秒・ISO2500・露出補正 :+0.7・モード :マニュアル

さらに、30コマ/秒撮影できるカメラだと、1回で2枚は素敵な写真が撮れている印象です。

そのため、20コマ/秒以上撮影できるカメラの方が好ましいと言えます。

ただし、連写できるカメラを持っていても、それが記録できないと意味ないがないので、SDカードにも注意しましょう。

井上浩輝さん

SDカードはUHS-Ⅱを選ぼう!

それから、高感度耐性の高いカメラがおすすめです。ただし、各メーカーの現行モデルはノイズがとても少ないので、優先順位は高くなくて良いかと思います。

SONY α7R V ILCE-7RM5・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM(焦点距離:400mm)・F5.6・1/8000秒・ISO2500・露出補正 :+2.3・モード : マニュアル

また、センサーサイズは高画素のフルサイズ機が魅力的です。一方、APS-C機のメリットは価格と、1.5倍の画角ではないでしょうか。

フルサイズの方が画質やボケなどは良いですが、APS-C機のメリットは1.5倍の画角で撮影できる点です。

安価なレンズの場合、周辺光量が落ちたり、周辺の解像が甘かったりしますが、そういうレンズこそAPS-Cのカメラに装着してみましょう。レンズの一番描写の良い部分・真ん中が使えるわけです。

1.5倍の画角は、より望遠で撮影できる点もメリットですが、レンズのおいしい部分・レンズの中心部に近い描写の良い部分だけを使えるのが、APS-Cのメリットといえます。

井上浩輝さん

安価なレンズで、いい描写をしたいなら「APS-Cを付けちゃえ!」という話も…!

ファインダーの位置

レンズの中心軸上にファインダー(EVF)があれば、上下にカメラを振るだけで大抵、被写体が見つかります。

ところが、ファインダーがレンズの中心軸上からずれてると360°全部見渡さないといけないので、被写体を見つけるまで時間かかります。

その意味では、ファインダーがレンズの中心軸上からずれているカメラに望遠レンズを付けて野生動物の撮影をするのは、おすすめできません。

SONYのフルサイズ機はファインダーがレンズの中心軸上にあるので、撮影しやすいですが、APS-C機についてはファインダーが左にオフセットしているため(2023年3月現在)、超望遠レンズ装着時の撮影が大変です。

初心者の人ほどよいカメラを

野生動物撮影を始めたばかりの人はいったん良い機材を体験することをおすすめします。

野生動物の撮影は、風景やポートレートを撮るとは比べ物にならないぐらい、カメラの性能に撮れ高が左右されるからです。機材にある程度お金をかけないと撮れ高を上げるのは難しいかと思います。

30コマ/秒撮れる、20コマ/秒撮れる世界を体験してみたら、その面白さが分かると思います。

高価だから導入しないのはなく、自分の趣味として、一生付き合うものとして、ふさわしいかどうかでお金を出すのが一つの方法ではないでしょうか。

実際にレンタカーと比較すると…
スクロールできます
モデル/車種SONY α1
FE 400mm F2.8 GM
コンパクトSUV
料金1Weekトライアル利用※1
88,760円(税込)
※内訳:44,380円(Lv.7PASS)×2
大手レンタカー会社で1週間レンタルした場合
92,000円
レンタカーを借りるのとほぼ同じ料金で最高の機材が体験できる

※1 1Weekトライアルとは…7日間に限って、下位Lvのお手頃なPASSで機材が借りられるシステム

1週間レンタカーを借りることができれば、現行の最高の機材「SONYα1」と「FE400mmF2.8GM」を借りられます。実はレンタカー代とそう変わらないんです。

さらに、友達3人ぐらいでレンタカーをシェアして、3人で旅をすれば、レンタカー代がぐっと安くなり、その分極上の機材を借りて出かけられます。

ぜひ一度、極上の写りを体験してみてください。極上の機材での撮影からご自身に必要な性能を残しながら機材のレベルを下げていけば、資金を逐次投入する方法に比べて、安価にご自身が導入すべき機材が見えてくると思います。

入門の一番安いエントリーモデルから買い進めていくと、かえってお金がかかりすぎてしまうことも…。あるいは我慢しなきゃいけない点もでてきます。

まず、最高の機材を1回使ってみて、そこから自分が必要なところに近づいていく、というのが良い方法だと思います。

SONY α1 ILCE-1・FE 135mm F1.8 GM SEL135F18GM・F1.8・1/200秒・ISO20000・露出補正 :±0・モード : マニュアル

また、135mmF1.8といった、飛び道具のようなレンズこそ借りてみるのがいいのかなとも思います。

持っていない人はぜひ借りてみてください。ちょっと暗いところで撮ってみると、このレンズの良さが分かると思います。

SONY サイバーショット DSC-RX100M7(焦点距離:35mm判換算 72mm)・F4.5・1/500秒・ISO1600・露出補正 :-0.3・モード : マニュアル

最後にサイバーショット・RX100シリーズ。懐刀のように、いつもポケットに入れています。

なかでもRX100M7は、200mmの光学ズームができ、そのうえ動物瞳AFも搭載しているため、ふとした時に撮影しやすいカメラです。

また、RX100M5Aもおすすめ。24-70mmF1.8のレンズを搭載しているため、暗い場所でも活躍します。また、飛行機の窓から何か撮るようなときにもおすすめです。

SONY サイバーショット DSC-RX100M6(焦点距離:35mm判換算 39mm)・F4・1/400秒・ISO125・露出補正 :±0.7・モード : マニュアル

動物撮影のカメラ&レンズセットの一例

野生動物撮影セット - 極上

SONY α1 ILCE-1・ FE 70-200mm F2.8 GM OSS II SEL70200GM2(焦点距離:200mm)・F2.8・1/1250秒・ISO1600・露出補正 :+1.7・モード : マニュアル

SONY

α1 ILCE-1 ボディ

SONY

FE 400mm F2.8 GM OSS

SONY

FE 70-200mm F2.8 GM OSS II SEL70200GM2

走りまわる子ぎつねから、夏の薄暗い森のなかでまばたきをするエゾフクロウのヒナ、落ち葉の絨毯を飛ぶように走るエゾリス、そして雪の中を舞うシマエナガまで…。

高画素機であるにもかかわらず、超高速かつ正確なAFや30コマ/秒の怒涛の連写できるカメラである「SONYα1」。

α1の性能を活かせる、明るい望遠レンズのSEL400F28GM・SEL70200GM2の組み合わせは、多くのシーンで極上の写真を期待できるセットです。

【野生動物撮影セット - 特上】

SONY α9 II ILCE-9M2・ FE 70-200mm F2.8 GM OSS II SEL70200GM2(焦点距離:191mm)・F4・1/1000秒・ISO1600・露出補正 :±0・モード : マニュアル

SONY

α9 II ILCE-9M2 ボディ

SONY

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM

超高速かつ正確なAFや20コマ/秒の高速連写性能が搭載された「SONYα9Ⅱ」。2400万画素という取り回しの良いデータサイズも魅力的です。

SEL100400GMは、使いやすい焦点域をカバーしているだけでなく、全焦点域でAFも早く、写りもしっかりでうれしいレンズ。素晴らしい野生動物撮影の体験をもたらしてくれるセットです。

【野生動物撮影セット - 快適】

SONY α7R V ILCE-7RM5・ FE 70-200mm F2.8 GM OSS II SEL70200GM2(焦点距離:126mm)・F2.8・1/3200秒・ISO100・露出補正 :+1・モード : マニュアル

SONY

α7R V ILCE-7RM5 ボディ

SONY

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM

「SONY α7RⅤ」なら、まったく新しい動物認識AFが動物の体と頭と瞳をビシバシと認識し、撮影が楽ちんに!

使いやすい焦点域のSEL100400GMと合わせて快適な野生動物撮影が期待できるセットです。

【野生動物撮影セット - 入門】

SONY α9 ILCE-9・ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM(焦点距離:400mm)・F5.6・1/2000秒・ISO200・露出補正 :-2.3・モード : マニュアル

SONY

α7 IV ILCE-7M4 ボディ

SONY

α9 ILCE-9 ボディ

SONY

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM

SONY

FE 70-200mm F4 G OSS SEL70200G

クセのないベーシックなセットで入門機として◎。また、α9のAFと連写性能を体験するのも楽しい組み合わせです。

これらのレンズは、明るい時間の撮影に向いています。夏場の草木が多くなる時期の森の中や、朝夕の薄暗い時間はやや苦手です。

QAコーナー
井上さんに直接質問しちゃおう!』

QAコーナー
井上さんに直接質問しちゃおう!』

カメラ機材はどのように使い分けられているんでしょうか?
「こういう撮影にはこれを持って行っている!」といった機材選択のポイントがあれば教えてください。

画素数が欲しい時、例えばフクロウやぽつんと構図、トリミングをしたいなと思いそうなときはRシリーズを使っています。

エゾリスなど、速さが必要な撮影の時はα1。α1ならある程度オールラウンドに撮影できます。

α9シリーズとα7R Ⅳで撮影していたときは顕著に使い分けしていました。

サイバーショットシリーズはポケットに入れて常に持ち歩いています。

Q.カメラ機材はどのように使い分けられているんでしょうか?
「こういう撮影にはこれを持って行っている!」といった機材選択のポイントがあれば教えてください。

画素数が欲しい時、例えばフクロウやぽつんと構図、トリミングをしたいなと思いそうなときはRシリーズを使っています。

エゾリスなど、速さが必要な撮影の時はα1。α1ならある程度オールラウンドにできます。

α9シリーズとα7R Ⅳで撮影していたときは顕著に使い分けしていました。

サイバーショットシリーズはポケットに入れて常に持ち歩いています。

GOOPASS公式Instagram では自然動物を撮影する際の質問を募集しています。質問には井上さんが直接、記事内で答えてくれます!

自然動物の撮影に関する気になる疑問や困りごとなど、お気軽にお送りください。

宛先はGOOPASS公式InstagramのDMです。GOOPASSより返信する場合があるため、GOOPASS公式Instagram をフォロー後、DMを送信してください。

※ただし、質問によっては回答できない場合もありますご了承ください

次回のテーマは『おすすめレンズ』

4月25日(火)公開予定

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会員登録は無料です。気に入った機材を、数ヶ月間じっくりと自分の物のように使い込むも良し。旅行やイベントに合わせて、数週間・月単位で機材を入れ替えても良し。

無料の機材相談も受け付けています。まずは無料会員にご登録ください!

GOOPASS ANIMAL MAGAZINE編集部 木村

こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSを展開するGOOPASS株式会社の編集ライター。自社Webメディア『GOOPASS ANIMAL MAGAZINE』の編集スタッフとして、記事制作などを担当する。カメラを使い始めたのは2020年から。愛犬2頭を美しい景色の中で撮影するのが好き。使用カメラは、Canon EOS R6。

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