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東京さんぽみち【第16回:三軒茶屋〜後編〜】 2ページ目

はい、というわけで着きましたね。

駅の説明カットを撮っている際、ちょっとminoriさんにはベンチにてお休みいただいております。

マネージャー兼編集長はまたどこかで油売っていることと思います。

そろそろ行きましょうかと、minoriさんに声をかけると、ささっと反射で手荷物を抑えて守ろうとするminoriさん。

わたくしに荷物を盗まれると思ったのでしょうか。さすがですね、これから先、治安が悪化するであろう激動の日本社会を生き抜く術を既に身につけております。

今わたくしこの文章を書きながら、まったくこの駅名が出てきません。

加齢というのはこんなにも恐ろしいものだということをみなさまにお伝えしたい。

あ、そうそう、松陰神社前駅でした。そうだそうだ。

さんぽしながら「今日は松陰神社行くよ」って何度も何度も言われてたんですけどね。すっかり脳から抜けていましたね。

あぶなくわたくし、脳細胞の一片を失うところでした。

はい、そこで唐突にminoriさんのご友人のお店に到着です。

ちょっと立ち寄らせていただきましょう。

あら、素敵な店主です。

こちらはなにをされているお店でしょう。

見切れるマネージャー兼編集長の奥にワインのボトルのようなものがちらちらと見えますね。

クラフトビールも扱ってらっしゃるんですね。

かわいらしいパッケージです。

もっと多くの商品数あります。

素敵な笑顔です。

ゆきおさんです。

素敵すぎてわたくしは慌ててしまい、案の定フォーカス飛ばしています。

ぜひともみなさま、松陰神社前にお越しの際は「ワインショップ ゆきおとワイン」へ

ゆきおさんのお店を越えると松陰神社はもうすぐです。

こちらミツマタが見事に咲いてますね。

minoriさんによると、こちらのお店もたいそうお気に入りとのこと。

はいというわけで、松陰神社へ到着いたしました。

こちら、幕末の思想家、吉田松陰先生が祀られております。

またおまえWikipediaで調べた浅い知識を披露する気かと思われそうですが、わたくしなにげに松蔭先生の「留魂録」読んでおります。

と言いましても、もちろん賢く見られたいだけの為に本棚に並べているとの説もございます。

とりあえずお参りしましょうかね。

横顔が美しい。

minoriさんは松蔭先生に何をお祈りしたんでしょうか。

わたくしここで「やっぱりあれっすか、素敵なお嫁さんになりたいなんてお願いしちゃったりしたんすか」と危うくバリバリ昭和生まれによる老害シャワーを浴びせそうになりましたが、ぐっと堪えてシャッターを押しました。

しかしそんなわたくしの空気を察知したのか、いささか瞳孔が開いておりますね。

ちなみにマネージャー兼編集長は「大量のトランス脂肪酸を摂取しながらダイエットが成功しますように」と声を出してお祈りしてました。

ここで松蔭先生の銅像が登場です。

さすがの佇まいといったところ。

以前わたくしこの東京さんぽみちで言ってた気がしますが、日頃から街をさんぽしているときに銅像を見かけたら、状況さえ許せば撮るようにしています。

ちょっとした練習と言いますか、銅像からなにかエネルギーのようなものが出ている写真を撮りたいのです。

銅像に向かってあちこちからアングルを変えて撮ったりするわけですが、よくその姿を見た女子高生などの集団からくすくすと笑われます。

大丈夫です笑われるのは慣れています。

日本文化の独自性を自覚することは大切なことである。という松蔭先生の教えのひとつは、わたくしも常に心に留めておきたいと思っています。

minoriさんが「おまえほんとはわかってねぇだろ。どっからのコピペだよ」というお顔をされてらっしゃいます。

さすがの洞察力。

お間違えのないように念の為に言っておきますが、この東大に合格したのはわたくしではございません。

誰の言葉かすっかり忘れましたが、「若いうちの男は雨を煩わしく感じるだけだ。雨の女を美しく感じることができるのは年を重ねてきた証だ。」みたいな文章を以前読んだことがありまして、確か明治大正くらいの文豪の随筆集かなにかに掲載されていたような気がするんですが、わたくしもそういう意味で年齢を重ねる毎に「雨と女性」になにか魅力を感じるようになりました。

わたくしも順調に年を重ねることができているのでしょうか。

いずれにせよ、昔の文豪のそれだよなといった言葉ですね。

そんなこんなで、ここへきて雨足が非常に強くなってまいりました。

お参りしたおかげでしょうか、minoriさんの心が澄んできたようで、瞳が透き通ってまいりました。

先程の像は静かなイメージがありました。

こちらの像は何か強い意志のようなものを感じます。

こういった彫刻の類の魅力についてさらに深く解釈したい方は岩波文庫の「ロダンの言葉抄」をお読みになる事をお勧めいたします。

いや、さすがに冷たい雨が辛そうにも見えます。

そろそろ戻りましょうか。

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この記事を書いた人

1971年、東京都東久留米市生まれ。1996年、四谷スタジオ(現・スタジオD21)入社。2000年に相澤義和写真事務所を設立し、フリーランスとして独立。2019年に初写真集『愛情観察』を発行。2020年4月に2作目となる写真集『愛の輪郭』を、2022年4月には3作目となる写真集『愛情観察NEO』を発表している。