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ビジュアルアーティスト・Takako Noel(タカコノエル)インタビュー『Love &Break free』

※本インタビューは2021年12月18日(土)に行なわれたものです。

一目で心臓を掴まれる、圧倒的色彩美。

彼女の写し出す、曖昧で愛に満ちた世界は、夢か、幻か、はたまた現実か。

ファッション業界を軸に音楽シーン活躍する、ビジュアルアーティスト・Takako Noel(タカコ・ノエル)。

本記事では、2021年12月25日にPhoto Exhibition 『Breaking heart』を大好評のうちに終えた、Takako Noelのインタビューをお伝えする。

 ー本日はよろしくお願いします。早速ですが、今回の展示のテーマ・『LOVE』、そして、タイトル・『Breaking heart』に込めた想いを教えていただけないでしょうか。

Takako:はい。
現代の都市や社会は物質的に豊かで、不自由はないけど、常にどこか空虚感があるというか。
まだ満ち足りない、悲しさをずっと感じています。多分、それは街全体に充満していて。
物質的には豊かだけど、魂が悲しんでいる…精神的な飢餓感を感じるんです。
GDPと自殺率って比例していて…生産性が上がると自殺率も上がるらしくて、日本はそれが顕著な国みたいです。
今はそこを解決する段階なのかなって思いますね。

 ー私たち現代人が物質的な豊かさを得ることによって、精神的に貧しくなってしまったということでしょうか。

Takako:物質的なものが必ずしも悪というわけではなく、バランスが重要なのかなと思います。
今はそのバランスが目に見える表面的な価値観に偏りすぎているのかもしれません。
そうなった時に、何が皆を豊かにできるのかって考えたら、やっぱり自分自身の中にパワーを感じることだと思うんです。
私はアニミズム※の思想で、全ての存在に神様が宿っていると思っています。
植物や石、空や天候にも。
それには私たち人間も含まれていて、一人ひとりが潜在的にはイエス(・キリスト)とかブッダなどと同じくらいのパワーを秘めている。「自分を信じること」だったり、「自分自身の魂のパワーをいかに出力するか」、がいま全員に差し迫って必要になっている課題だなと感じています。

※生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方(出典:Wikipedia)

今回の展示の『Breaking heart』は、決してネガティヴなタイトルじゃなくて。
西洋では、自己破壊(小さな死)のことを「エクスタシー」って呼んでるらしいんですけど、まさにそうだな!って。
皆さんそうだと思うんですけど、辛い思いをしたり、頑張ってマラソンを完走したりした後の方が、エクスタシーがすごいじゃないですか。
すごい頑張って仕事した後って、心が解放されるというか。
だから、私にとっての『Breaking heart』 はマイナスのイメージじゃなくて、強い痛みを伴うけれども自分のハートを破壊することによって、その先のエクスタシーに達することができるというイメージです。
その繰り返しが人生じゃないのかなって思っています。
それで、今回の展示のタイトルを『Breaking heart』にしたんです。
あとは単純に、今更なんですけどQUEENにハマって(笑)

 ーQUEENって、『ボヘミアン・ラプソディー』の?

Takako:そうそう!『I Want to Break Free』っていう曲があるんですけど、邦題が『自由への旅立ち』で。
“Break”っていう言葉を使っているけど、ポジティブな訳なんですよね。

(スマートフォンから『I Want to Break Free/QUEEN』が流れる)

 ーすごい歌詞ですね(笑)

Takako:そう(笑)!私は途中まで、歌詞中に登場する「you」を、特定の誰かや社会だとイメージしてたんですけど、この「you」は実は自分自身を表していて、自分自身に向けて、(Vo.のフレディ・)マーキュリーは歌ったんじゃないかなって。
『I want to break free from your lies』『You’re so self satisfied i don’t need you』……私は貴方の嘘から解放されたいし、貴方はすごい自己満だし……。
自分に嘘をついて生きてるんじゃないか?自己満足で終わってないか?ってマーキュリーは自分自身と戦ってたんじゃないかなって思うんです。
その後に、(歌詞の)途中で『I’ve fallen in love』するんですよ。
きっとそれも、誰かに恋をしたんじゃなくて、自分自身に恋をした、自分自身を愛せるようになったんじゃないかなて思うんです。
もちろん、自分自身のことを「超大好き!」って言える状態って難しいと思うんですけど…

 ーなかなか難しいですよね……(笑)

Takako:ね!難しいですよね(笑)!
でも、憧れてる人や好きな人に、イメージの中で近づくために、自分自身とどう『fall in love』って言える状態にしていくか?って、すごく大事だと思うんです。
じゃないと誰にも好かれないというか、好かれたい人にも好かれないと思うし、自分自身をセルフラブできる状態にすることから全てが始まる。

ー物質的に豊かな現代社会で、精神的に貧しくなっていることを感じたのは、以前からでしょうか?それとも昨今のコロナ禍の影響でしょうか?

Takako:コロナの影響はやっぱり大きいと思います。皆さんそうだと思うんですけど、行きたいところへ行けなくなって、家の中にずっといて……。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、良い意味で一度立ち止まるキッカケになったと思います。
コロナって、目に見えないものとの闘いじゃないですか。
目に見えないもののパワーってすごいなって思って。
フォトグラファーの中にも、最近それを撮り始めている人が増えている気がします。

 ーたとえば、その目に見えないパワーの一つが、今回のテーマ「LOVE」なのでしょうか?

Takako:そうです!

 ーLOVEという言葉には、色々な意味があると思います。先ほどの『Break free』でいう「自己愛」だったり、恋人に対する「恋愛」だったり、友人に対する「友愛」だったり。今回の展示した作品には、その他にも、異なるニュアンスのLOVEが込められているのでしょうか。

Takako:自然へのLOVEも込められています。
人物と花が同化している写真があるのですが、人間が自然との正しいバランスを見つけて共生できたらなという気持ちを込めています。

あとは人種を超えた多様性へのLOVEも込めています。
今回(展示した作品)のメインモデルを務めてくれたのが、ロシア人の子なんですけど、彼女の外側というより魂を撮りたくて。
肌の色に関係なく、どの人種の方が見ても、解放されるような写真にしたいなって。
私はまだまだ勉強不足なのですが、自然においても人種においても無限にそれぞれの正義からのLOVEがある。
その価値観を咀嚼し、引き出しをなるべく増やしてLOVEを多面的な角度から捉えられるようになって表現したいと思っています。

目次

INTERVIEWEE:Takako Noel

部屋の中にいる女性と犬

低い精度で自動的に生成された説明

1991年、東京都生まれのビジュアルアーティスト。

ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション、Fashion Media and Communication科修了。
帰国後は、写真を軸として”Love and Peace”をコンセプトに活動中。写真へのペインティングや幻想的な世界観の作風は、ファッション・音楽・アートなどジャンルの垣根を超えた、多くの文化人から注目を集めている。

これまでに手がけたプロジェクト・作品は、『LUMINE』『PARCO』のウィンドウディスプレイディレクション、ファッション誌『VOGUE JAPAN』『madame Figaro Japon』『Spur』などのエディトリアルの撮影、『CHARA』『GEZAN』などミュージシャンのラブフォト撮影、サイケデリックロックンロールバンド『踊ってばかりの国』のMV制作など。

所属事務所・えるマネージメント 公式Webサイトより抜粋・編集

■Takako Noel OFFICIAL WEBSITE

http://www.takako-noel.com/

■Instagram

@takako_noel

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この記事を書いた人

『MARSH(マーシュ=沼)』。2021年末にサイトローンチした写真とカメラのWebメディア。カメラ・写真沼の住人を満足させるべく、人気写真家による連載フォトコラム、第一線で活躍するフォトグラファーによる機材レビュー記事などを鋭意更新中。

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