こんにちは、MARSH編集部のminoriです。
私は現在、フランスに住んでいます。
アートやカルチャーが発達しており、歴史も深いフランス。
そんな文化を堪能してみたいと思い、思い切って1年フランスに住んでみることにしました。
みなさんもご存知の通り、華の都・パリではさまざまなアートイベントが目白押しですが、実はパリ以外の街もさまざまなカルチャーの歴史を持っているのです。
今回の記事では、南フランスにあるアルルという街で開催されている「世界最古の写真展」の現地レポートを紹介していきます。
アルル国際写真フェスティバルとは

展示概要
前述の通り、世界最古の写真フェスティバルとして知られる「アルル国際写真フェスティバル」。
毎年、約3ヶ月間ものあいだ開催しており、今年で第54回目です。
歴史的建築物が多く並ぶアルルの街全体が写真フェスティバルの会場となっているため、観光しながら写真の鑑賞をすることができます。
例えば、画家のフィンセント・ファン・ゴッホが療養していた病院「エスパス・ヴァン・ゴッホ(L’espace Van Gogh)」も展示会場のひとつ。
2023年は、大小合わせて30個の展示があります。
展示の他にも、ブックアワードやフォトウォークなど様々なイベントやワークショップが開催されており、とても1日では周りきれない規模感です。
チケットは、開催期間中に何度でも訪れられるものから、1日券、希望の展示のみに訪れられるものなど様々あります。
せっかくならば宿泊して、じっくり時間をかけてアルルの街の観光と共に写真フェスティバルを楽しんでください。
場所:34 Rue du Dr Fanton, 13200 Arles(フランス・アルルの街全体が会場)
期間:2023年7月3日(月)~9月24日(日)
公式サイト:https://www.rencontres-arles.com/en
※事前にオンラインにてチケット購入可能
展示一覧(順不同)
- GREGORY CREWDSON
- AGNÈS VARDA
- WIM WENDERS
- SCRAPBOOKS
- AURÉLIEN FROMENT / PIERRE ZUCCA
- NICOLE GRAVIER
- HANNAH DARABI
- SØSTERSKAP
- ZOFIA KULIK
- SAUL LEITER
- 50 YEARS THROUGH THE EYES OF LIBÉRATION
- LIGHT OF SAINTS
- HERE NEAR
- ERIC TABUCHI ET NELLY MONNIER
- SPECIAL ATTENTION
- YOHANNE LAMOULÈRE
- EVA NIELSEN AND MARIANNE DERRIEN
- JULIETTE AGNEL
- MACIEJKA ART
- ROBERTO HUARCAYA
- GARUSH MELKONYAN
- CASA SUSANNA
- DON’T FORGET ME
- BETWEEN OUR WALLS
- ROSÂNGELA RENNÓ
- OLEÑKA CARRASCO
- MOVING DEFINITIONS(※)
- ARLES BOOKS(※)
- ASSOCIATED ARLES(※)
- GRAND ARLES EXPRESS(※)
(※)キュレーションされている展示に関しては詳細を割愛し、一つの展示として記載しております。
各展示の詳細は、こちらのページをご確認ください。
会場の様子

アルル国際写真フェスティバル期間中は、街全体がお祭りモードです。
展示会場になっていないショップやアトリエでも、様々な催しが開催されています。
道端で写真やアート作品を販売していたり、写真を撮ってくれるサービスがあったり。

展示会場は、美術館やギャラリーの他に、教会などの歴史的な建築など様々です。


会場によって雰囲気がガラッと変わるため、作品の雰囲気と合わせて楽しむことができます。
歴史的な建築で素敵な作品を眺める……。
これほど贅沢な写真展は、なかなかないのではないでしょうか。

こちらは、毎年人気のBOOK AWARDの一部。写真集の出版を支援するために用意されたコンクールです。
会場では、ノミネートされた作品を自由に閲覧することができます。
中には展示されている写真家の作品集も置いてあるため、気になった写真家の作品をまとめてゆっくり読む時間を設けるのも良いですね。

特に印象に残った展示 TOP3
SAUL LEITER

“カラー写真のパイオニア”と称されるNYCの伝説的な写真家、ソール・ライターも出展しています。
モノクロ写真・カラー写真と共に絵画を一堂に集めた今回の展示は未公開作品も多く、ファン垂涎ものではないでしょうか。


個人的には、写真と同じ構図で絵画にし、それらを並べて展示してある遊び心にグッと惹かれました。
画家を目指していたからこその色彩感覚・美的感覚は、何度見ても、何時間見ても飽きずに眺めていられるものだと思います。
SØSTERSKAP

第54回のメインビジュアルにも起用されている、「SØSTERSKAP」。
家族生活やジェンダーの役割、労働、植民地主義などをテーマに、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを拠点とする写真家が一堂に会するプロジェクトです。

どの写真家の作品もとても素敵だったのですが、中でも特にFryd Frydendahlの作品が印象的でした。

若さゆえの無邪気さ、不安、混沌、そして残酷な楽観主義をさらけ出すデンマークの写真家、Fryd Frydendahl。
彼女のレンズの先に映る若者たちは皆、とても強気で自信がありそうなのに、どこか不安定な印象を受けます。
写真に滲み出るアンバランス感に、知らぬうちに世界観に惹き込まれていました。
GROW UP

「GROW UP」は、自然と社会をテーマに、世界中の植物の動向にフォーカスを当てたプログラムです。
植物とは神聖なものであり、その土地の文化や信仰の中心にあります。
生きている自然と私たちとの関係についての意識を育て、広げることを目的としたプロジェクトです。

このプログラムの中で私は、Arguiñe Escandónの作品がとても印象的でした。
アマゾンを舞台として撮影しているこのシリーズでは、民族衣装を着るまでの工程をビデオにしていたり、儀式の様子を切り取っていたり……。
植物や生き物と生活が成り立っている様子がとても神秘的で、自然と共に生きることはこんなにも美しく格好良いのだなと感じざるを得ませんでした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
私は2日間滞在して、全体の2/3程度をゆっくり見て周りました。
今年の開催は残り1ヶ月程度ですが、毎年同じ時期に開催されるため、次のフランス旅行時に訪れてみてはいかがでしょうか。
私は会期の半ばに訪れましたが、会期の1週目は多くの写真家たちが招待されてトークショーやサイン会などが開催されるようです。
気に入った写真家の話を目の前で聞くことができるチャンスは貴重なので、お目当ての写真家がいる場合は、ぜひタイミングを合わせて1週目に訪れることをおすすめします。
また、会期はフランスのバカンスシーズンと重なるため、宿の予約は早めに済ませておくと良いですよ。





