写真家・Koichiさんが教える、風景×人の表現 Vol.1 ~秋の河口湖ともみじ編~ 

  • 2023.09.30
  • 2024.10.04
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(編集:GOOPASS TRAVEL MAGAZINEスタッフ)

「いつもパッとしない風景写真になってしまう…」「印象的な風景写真の撮り方が分からない…」「人と写すと記念写真のようになってしまう」など、風景写真が好きなものの、上手く撮れず悩んでいる方は多いはず。

そこで風景と人の情景写真を得意とする、写真家・Koichiさんに、撮影における大事な点やコツをお聞きしました。

素敵な旅先・おすすめスポットはいいカメラで写真を残したいですよね。
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Koichi | 写真家

岐阜県高山市出身のフォトグラファー。東京を中心に活動。主に風景の中に人物を入れた情景写真やPhotoshopを使ったアート作品を得意とし、「心に響く写真」をコンセプトに日常を切り取る。最近はフィルムカメラを通して写真の楽しさを伝える活動にも取り組んでいる。

画面に無駄な要素をなくす

基本的に僕は、中央近くに魅せたい被写体をおいて、その周り、画面の隅々まで要素で埋めていくというやり方をします。

たとえば、空とか地面とか、シンプルな景色、シンプルな隙間の部分を、この季節だったら紅葉で埋めるイメ―ジでカメラを構えるのが大事です。

カメラ:Nikon Z 7II レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
ISO:64 f4 SS:1/1000
@大石公園

それは結構、ハイアングルだったり、ローアングルだったり、場所や葉の生え方などでかなり撮り方が変わってくる部分でもあります。

 

構図探しは数を重ねることで見えてくる部分が大きいと思うのですが、この形の木、この形の枝があったらここにレンズを突っ込めばフレームになるぞとか、結構下の方から覗くように撮れば、上にもみじがきそうだなというふうに考えます。

 

フレームを作る時は、以下のような点をみていくのが大事。

  1. 木とか葉っぱがあったらとりあえず裏側に周り込む
  2. 撮りたい景色があったら木を挟んで反対側から見てみる
  3. 葉っぱ越しにどう見えるのかを、しゃがんだりいろんな角度から覗いてみてみる
    ※木々や葉っぱには無理に触れたり、動かしたりしないように気をつけましょう
 

構図を探すときのポイント 

構図を探すときは、僕の場合、実はスマホで調整したりしています。スマホって、結局軽いし、細い所まで入れ込んだりできるので。

広角からズームしながら見ていって「あ、これ何mm相当で撮れば、どれくらいになるな」っていうのが一番確認しやすいのがスマホだったりするのでおすすめです。

紅葉した葉の色を綺麗に出す

太陽の光が入る入らないで、本当に色が違ってきます。

特にこれだけ鮮やかな紅葉は、葉っぱに光が当たるか当たらないかで、紅葉の色のコントラストが大きく変わります。

作風を左右するというか、雰囲気がまったく違うものになってきます。

カメラ:Nikon Z 7II レンズ:SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
ISO:64 f8 SS:1/160 
河口湖 湖畔

太陽がどの位置にある時が、葉が綺麗に写る?

できれば晴れの日に行って、日の出とともに撮り始めてほしいです。直射日光が入る時間までは待ってほしいと思います。

このときは、5時とか5時半頃でした。ただ、とても寒いです、この時期の朝は。それだけは本当に気を付けてください…!

 

河口湖の場合は、富士山の少し左側から太陽がでてくるんですよ。日の出とともに撮り始めると、太陽が斜めからまっすぐに入ってくるので、光が入ってきたタイミングで逆光で撮ってあげるのがおすすめです。

逆に朝じゃないと、葉っぱに光が入らなくて、葉の色が全然違ってきますね。

太陽が上にあると影が真下に落ちるので、立体感が失われてしまいます。

朝や夕方の光で撮影すると、葉っぱや被写体に光が当たる面積が増えて、影も長く伸びるのでより立体的な写真を撮ることができます。

斜めからの暖かい光が、紅葉の撮影においては一番鮮やかに写ると思います。

葉の色味はレタッチしてる?

色はがっつり濃くするっていうことをしなくても、紅葉のこの時期は色づきが十分すぎるくらい綺麗なので。 

この黄色のもみじの色は、実際にこれくらい鮮やかな色です。

どちらかというと、たとえば、黄色のなかでもそのなかのジャンル、黄色を若干オレンジにしたりとか、自分のイメージパターンにあわせてほんの少し色味を調整してあげる感じです。

HSLを使って、黄色より若干オレンジ寄りにしていますね。

大石公園の赤のもみじの色についてはまったく変えてないです。

絞って撮る勇気をもって

 

絞ることによって初めて見えてくる葉っぱの質感だったりとか形だったりとか、開放で撮っていたら全部輪郭もボケてぼわーとしちゃうところが、全部パリッと立体的に仕上がるんです。

そこが、紅葉の葉っぱ、風景を活かす大切なポイントかなと思います。

 具体的には… F値を4以上、もっと絞って8とか11とかまで絞ってみる

スマホみたいにパンフォーカス(全部にピントが合っているような写真)にはもちろんなるから、一眼っぽくないよねって言われたらそうなんですけど。

ただその、一眼で撮る画質と、一眼ならではのレンズを変えて画角を変えて構図が変わって、というところの楽しみ方で、かつ手前の景色から、被写体、背景にまで全部にピントがあっている写真が撮れたときの迫力感がやっぱり全然違って…!

カメラ:Nikon Z 7II レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
ISO:64 f8 SS:1/160 
@河口湖 湖畔

風景を撮る方は絞って撮ることが多いと思うんですけど、ポートレートを撮っている方って割と開放で撮るシーンが多いと思います。

F値を小さくして、モデルさんの瞳にピントを合わせて背景をぼかす撮り方をしている写真をよく見ます。

自分がいままで風景を撮ってきて、ポートレートもやって、で結局風景の中に人を入れるっていう、色々な経過が、自分の中であって。

 

なので絞って撮るっていう表現の仕方を、モデルさんありでやったときに面白くなるっていうのがなんとなく頭にあったんです。

なのでぜひポートレート×風景を撮るときも、絞って撮る勇気をもってほしいっていう話をよくします。

明暗差をハッキリと画面のなかに作ってあげる

個人的には紅葉だと、レタッチとか色の出し方をこだわることが重要で…。

自分がこだわっているレタッチで、みんなにも伝えたい、こうするとクールに仕上がるよというポイントが【画面の中に光の部分と暗い部分をちゃんと共存させること】だったりします。

カメラ:Nikon Z 7II レンズ:SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
ISO:125 f8 SS:1/400 
@河口湖 湖畔

シャドウとか黒レベルとかって割とあげる人が多い、暗い部分は持ち上げるっていうのがあると思うんですけど、自分のこだわりとしては…

 黒いところは持ち上げないというか、撮る時点で影を活かした撮り方をするっているのが大切。

影は影、光が当たるところは当たる部分と、しっかりと分担してあげることですね。

 

朝の綺麗な光がモデルさんにあたって伸びている影とか、その横にある木の太い影とか。影の部分があるからこそ、明の部分が際立ってくるし、葉っぱの一つ一つも、明と暗があるのでそこをしっかりと差別化してあげます。

それができるだけで全体に立体感が生まれて、写真の質っていうのが大きく変わってくるので!

ちゃんと元々ある明暗差を意識してあげると、レベルがあがると思います。

ロケーション

河口湖 湖畔(遊歩道)

個人的にはめちゃめちゃ最強のスポット。ひたすら湖畔をモデルさんと歩いて歩いてロケハンしていて、見つけました。

とても広くて、河口湖湖畔の結構西の方で、あまり観光客がいない場所。

平日の朝とかが特におすすめで、運動しているおじいちゃんおばあちゃんとか、犬の散歩している人が、ちらちらいるかなぁくらい。

人が少ないので、落ち着いて撮影できると思います。

黄色いもみじ

黄色のもみじの写真3枚は、ほぼ同じこの場所で撮影しています。

写真に写っているもみじは、思っている以上に、自分の背丈より小さな木で、多分よく見ていないと見過ごしてしまうかもしません…!

広角で撮っているので、一枚一枚の葉が迫力あるように見えるんですけど、大きな木に囲われているように見せるために、めちゃくちゃ葉に近づいたり、突っ伏して下のアングルから広角で寄っているだけだったりします。

ベストなタイミング

このあたりは全部地面が紅葉した落ち葉で絨毯になって、その上で、もみじを画面いっぱいにバーッとフレームにできるような場所で…

落ちている葉っぱと、まだ上にある葉っぱがちょうどバランスよくある時期というのが大事です。

こればっかりはいってみないと分からないのですが、見頃をちょうど迎えたよっていうすぐの時にいけば大丈夫だと思います。

大石公園

大石公園で撮っているのは、東京カメラ部10選をとった時とまったく同じところです。

東京カメラ部はじめ色々なコンテストでも、この大石公園での写真が最優秀を撮っているくらい、ロケーションが素敵すぎるんです。この場所は本当に。

赤いもみじが実は、一本の木だけなんです。なので、その木の周りにカメラマンが並ぶくらい、シーズン中は凄いんです。

それもあって、人がいない状態で撮るってなったら、ここもやっぱり早朝がおすすめですね。平日っていうのもあったでんですけど。

あとがき

今回記事に登場したロケーションは日本の秋を代表する富士山と紅葉を楽しめるスポットでした。

もちろん、人気のスポットなので沢山の人が撮影をしに来る場所ですが、レンズを変えてみたり視点を変えてみることで同じロケーションでも全く違った景色を切り取ることができます。

レンズを変えて楽しむことができるのも一眼レフの最大の魅力。

この秋はこれまでとちょっと違った切り取り方をしてみてはいかがでしょう。

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