SONY α7 IV 星空実写レビュー! 星景撮影のカメラとして使えるか?

  • 2023.05.31
  • 2023.09.27
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こんにちは。GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集部のchinoです。

SONY(ソニー)のベストセラー製品「α7 III」の後継機「α7 IV」が、2021年ついに発売されました。

α7 IIIといえば初心者からプロまで御用達の名機で、発売から5年が経った現在も、販売ランキングの一眼カメラ部門で50位以内に位置しています。

そして人気モデルの後継機ということもあり、発売前から多くの注目が集まっていました。

今回はやや今さら感はありますが、α7 IVを星空撮影の観点からレビューします。

α7 IIIより高画素になったので、「高感度に弱くなったのでは?」と思う方もいるかもしれません。

そんな高感度耐性の面も含めて、外観や操作性、解像感などα7 IIIからの進化点、星空撮影で役立つ機能を紹介します。

SONY機への乗り換えを検討している方、新しいモデルの購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

尚、他モデルとの比較は同条件下ではない点をご了承ください。

α7 IVの星空撮影以外のレビュー記事はこちら↓】

==著者情報==
普段の撮影は風景や星景が中心で、主にα7R IIIとFE 24-70mm F2.8 GMを使用。星景撮影ではEOS 6DとSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD・14mm F1.8 DG HSM | Artを愛用中。
SIGMAの20mmと24mm、どちらを買うか迷っているうちに半年が過ぎた。

α7 IVの基本性能

α7Ⅳ

SONYが2021年12月に発売した、α7 IV

α7の無印シリーズでは4代目となるフルサイズミラーレスカメラです。

謳い文句は「次代の、新基準へ」とのこと。

高解像のRシリーズ、映像美のSシリーズ、追従力が高いα9、そしてフラグシップであるα1。

すべての性能を融合させて作り上げた新基準となる1台で、α7無印シリーズの特徴である「バランス」が期待できます。

それでは基本スペックを見ていきましょう。

マウントソニーEマウント
センサーサイズフルサイズ
有効画素数3300万画素
ISO感度ISO100~51200
シャッタースピード1/8000~30秒
幅×高さ×奥行き131.3×96.4×79.8mm
重量約658g
その他ダブルスロット、防塵防滴、5軸手ブレ補正、バリアングル液晶、Bluetooth 4.1、Wi-Fi、動画4K対応

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SONY

α7 IV ILCE-7M4 ボディ

α7 IVで撮影した星空の作例

α7 IVで撮影した作例をご紹介します。

表記がないものは一枚撮りです。全写真においてノイズ除去ソフトは未使用ですが、Lightroom標準のノイズ低減機能(デフォルト設定)は使用しています。

α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 50mm F1.2 GM
SS:6、f/1.2、ISO:4000
α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 14mm F1.8 GM
SS:15、f/2.2、ISO:8000
(5枚をスタック)
α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 50mm F1.2 GM
SS:15、f/1.2、ISO:4000
α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 14mm F1.8 GM
SS:15、f/2.0、ISO:5000
α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 50mm F1.2 GM
SS:120、f/4、ISO:3200
(赤道儀にて追尾、10枚をスタック)

検証:3300万の高画素機・α7 IVで星空を撮影

解像度について

ここからは実際に撮影してみた感想を交えつつ、性能面を紹介します。

α7 IVに搭載されたセンサーは、有効約3300万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」。

前モデルα7 IIIの2420万画素から、およそ1000万画素向上しました。

SONYのカメラは、

  • 1200万画素台=低画素
  • 2400万画素台=標準
  • 4200万画素台=高画素
  • それ以上=超高画素

上記のイメージなので、3300万画素はあまり類を見ない珍しい画素数ですね。

他社だとEOS Rが近い画素数でしょうか。

ファーストシャッターを切った感想は、「解像感があるな」というものでした。
(レンズの影響も大きいかもしれません。)

α7Ⅳで撮影した星空
レンズ:FE 14mm F1.8 GM
SS:13、f/2.5、ISO:4000

木々の枝部分や幹の筋まで潰れることなく描写されています。

α7Ⅳで撮影した星空
拡大

そのほかの撮影でも、全体的にディテールがしっかりしている印象を受けました。

ただ、α7 IIIの2420万画素も決して低画素ではないため、目に見えて進化がわかるわけではありません。

拡大して観ない限り違いはなく、正直遠目で比べたらどちらのカメラで撮影した写真かは判断できないと思います。

SNSにアップする程度であれば、どちらも変わらないというのが本音です。

しかし、画素数が多い分トリミング耐性が高い点は安心できます。

「APS-C用レンズを使いたい」などの場合でクロップ機能を使用するときも、やや有利に働きそうです。

というのも、2400万画素程度だとクロップをした際に1000万画素まで落ちてしまいますが、α7 IVであれば1400万画素に抑えられます。

わずかな差ではありますが1400万画素ならα7SⅢよりも高画素であり、5K程度で撮影できるので、クロップを視野に入れても実用的だといえるでしょう。

ノイズ耐性について

前モデルよりも画素数が増えたことで気になるのは、高感度撮影における耐性です。

α7 IIIは、常用ISOが100~51200と高感度にもそれなりに強く、星空撮影で使用している方も多くいました。

α7 IVも常用ISO自体は100~51200と変化ありません。

しかし、一般的に同じセンサーサイズの場合、高画素になるほど高感度耐性は落ちていきます。

α7 IVはどのレベルまで使用できるのでしょうか。

庭先で撮影して確認してみました。クリックで拡大できます。

α7Ⅳで撮影した星空
ノイズ低減OFF 左からISO3200、6400、12800 SS:6秒
(極端に明るくなってしまうので、F値を調節しています)
α7Ⅳで撮影した星空
ノイズ低減ON 左からISO3200、6400、12800 SS:6秒
(極端に明るくなってしまうので、F値を調節しています)

上が、Adobe Lightroomでかかるすべてのノイズ低減をOFFにしたバージョン。

下はデフォルトでかかっているノイズ低減を入れた状態です。

許容範囲は個人差がありますが、私はISO6400までなら1枚撮りでも問題ないと思います。

ダークフレームでも比較してみました(拡大してご覧ください。)

α7Ⅳで撮影した星空
左からISO3200、6400、12800 SS:6秒

SONY機は緑色の点ノイズがときどき発生しますが、こちらは改善が見られませんでした。

ちなみに現在使用しているα7RIIIは、ISO3200以上で撮影するとノイズが目立つため、前景が暗すぎる場所での1枚撮りには向きません。

最近ではスタック撮影(同カットの複数写真を合成し、ノイズを減らす手法)、追尾撮影のみに使用しています。

α7 IVは、α7RIIIよりは1枚撮りに適していると判断しました。

一方、α7 IIIとの比較です。

条件も設定も異なるので純粋な比較にはなりませんが、以前α7 IIIを使用した際の星空写真が以下です。

α7Ⅳで撮影した星空
左:α7 III(ISO6400 F/2.8 SS:25) 右:α7 IV(ISO6400 F/2.2 SS:15)

高感度ノイズの点で見ると、正直なところ両者の違いが明確にはわかりませんでした。

それだけα7 IIIの高感度耐性が優れていたともいえます。

もちろん、画素数を増やしながら大幅に高感度ノイズが出ていない点を考えると、α7 IVも同様に優秀ということになるでしょう。

最近はスタックだけでなくAIによるノイズ低減ソフトも発達してきたので、以前ほど高感度ノイズに神経質にならずともよい気がします。

「高感度耐性が上がっている」とは明言できないため、ノイズ低減を期待してα7 IVに乗り換える必要はないと思いました。

ただ、解像感があるので、ノイズ低減をかけても細部が残りやすいのはα7 IVの方かもしれません。

やや話は逸れますが、ライバル機はEOS R6(R6 MarkⅡ)、Nikon Z6Ⅱあたりのようです。

以前使用してみたのですが、高感度耐性は他社二機が優れており、画の緻密さはα7 IVの方がよい印象でした。

加えて、SONYのカメラはカラーノイズ低減をかけないと星が緑色になる気がします。拡大して見ると空の描写があまり好きになれません。

この辺は好みの問題も大きいと思います。

α7 IVで星を撮る際のメリット(操作性・外観)

続いては外観と操作性について。α7 IIIと比べて大きく変化したのは以下の4点です。

グリップ深めのデザイン

α7Ⅳとα7Ⅲの比較
左:α7RIII 右:α7 IV

星空撮影にグリップは関係ありませんが、目立つ変化なので触れておきます。

尚、上の比較機材は自前のα7R IIIです。α7 IIIとα7R IIIはともに126.9×95.6×73.7mmのサイズであるため、α7 IIIとの比較だと思って御覧ください。

α7 IVのサイズは131.3×96.4×79.8mm。

α7 IIIからの重量変化は8gであるものの、サイズは一回り大きくなったのが見てとれます。

以前のα7シリーズは、カメラというよりガジェット色が強く、スタイリッシュなデザインでした。

そこにガチっとした要素が追加され、深めのグリップが採用されています。

一般的な手持ち撮影の際は安定感が増した感覚がありました。

ボタン位置・ダイヤルの変更

また、ボタンやダイヤル周りにも変化があります。

α7 IVの基本デザインは、α7SⅢから引き継いでいるようです。

静止画だけでなく動画も意識しているためか、録画ボタンを背面ではなく上部に配置。

α7Ⅳ

以前はAF-ONボタンの横に録画ボタンがあり、拡大をしたい際に暗闇では間違えやすくRECをスタートさせていたので嬉しい変化です。

α7 IVでは代わりにC1ボタンになっています。

また、α7 IVからは露出ダイヤルが完全になくなりました。

α7Ⅳ
動画と静止画の切り替えダイヤルも搭載(一番左側)

マニュアル操作の星空撮影では露出ダイヤルを使用しませんが、絞り優先撮影などでは重宝していました。

とはいえ、本機では自由な機能を割り振れる「カスタムダイヤル」へと生まれ変わっただけなので安心です。

ロック機能もついているため、いつの間にか設定が変わってしまう心配もありません。

バリアングル液晶の採用

α7 IIIではチルトタイプであったモニターが、バリアングル液晶になりました。

光軸からモニターがズレるバリアングルは、使いづらさを感じる方もいるかもしれませんが、構図決めにスピードを要しない星空撮影では不便でない印象です。

むしろ、ローポジション・アオリ構図の縦アングルでモニターが見やすい点が好ポイント。

α7Ⅳ
見やすい!

チルト液晶では無理があるどころではない姿勢をしなくてはいけないので、悩みの種でした。

α7RⅢ
見づらい!

バリアングル液晶のデメリットとしては、うっかり折れてしまうそうな脆弱性でしょうか。正直怖いです。

また、アルカスイス互換のL字プレートを左側に装着した際、干渉してモニターが回転できません。

α7Ⅳ

対策としては右側に付けるしかないのですが、バッテリーが切れた際にカメラを雲台から外さないと交換ができなくなるので、回転式のプレートがおすすめです。

メニュー画面の一新

α7Ⅳ

本機からではありませんが、メニュー画面が刷新されました。

α1、α7SⅢも同様のメニュー画面です。

以前のメニュー表示に慣れていると最初は使いづらさを覚えるものの、慣れてくれば問題ありません。

また、新画像処理エンジンBIONZ XRを搭載したことで、メニュー画面も気持ちサクサクと動作するようになりました。

動画モードにするとメニュー表示が変わる、などの改良点がありますが、私は動画を撮らないので今回は割愛します。

α7 IVのそのほかの特徴

α7 IVにおけるそのほかの特徴をまとめました。

電源OFF時にシャッター幕が閉じる

α7Ⅳ

CanonやNikonで実装済みだった機能が、α7 IVよりついにSONYでも導入されました。

電源をOFFにした際にシャッター幕が閉じる機能です。

センサー部分がむき出しにならないためゴミが入りにくい、傷付きにくい等のメリットがあります。

もちろんシャッター幕も繊細なので手で触れてよいわけではありません。

しかし、センサー前に装着するクリップソフトフィルターを着ける際や、レンズ交換時にセンサー部分を傷つけるリスクが減らせそうです。

α7Ⅳ
デフォルトはOFF。セットアップから変更可能

ロスレス圧縮に対応

星空撮影は基本的に非圧縮のRAWで撮影するためあまり関係ありませんが、RAWファイルを可逆圧縮できるようになりました。

RAWのサイズ変更も可能。

たとえば「SDカードの予備を忘れてしまって残りの容量が少ない」という緊急時にRAWファイルを少しでも小さくして、撮影可能枚数を増やすことができそうです。

……そのような事故は極力回避したいところですが(たまにあります笑。)

ブライトモニタリング

α7 IVに限らず、2015年頃以降のモデルには搭載されている「ブライトモニタリング機能」。今や星空撮影には欠かせない機能です。

暗い環境下でも背面液晶モニターの明るさをブーストしてくれるので、構図決めはもちろんピント合わせの際も星が発見しやすくなります。

現在、モニターブースト機能を売りにしているのはSONYとOM SYSTEMのみ。

この機能があるから、CanonからSONYに乗り換えたといっても過言ではありません。

正直、便利過ぎて一眼レフには戻れなくなってしまいます……。

まとめ

α7 IVで星空をしてみた感想でした。
簡単にまとめると次の通りです。

  • 操作性・機能面が優れている
  • 暗所撮影でもディテール潰れが起きない
  • 高感度ノイズはα7 IIIと比較して大きく変化はない

高感度・長秒ノイズはそれなりにあるが、そこまで気にするレベルではないと判断しました。

高画素のRシリーズより高感度ノイズは少なく、1枚撮りに適しているといえます。

ノイズ低減ソフトの使用を前提とすれば、ISO6400程度までは一枚撮りをしても問題ないように思えます。

とはいえ高感度ノイズの許容に関しては個人差があるはずです。ぜひ実際に撮影して確認してみてください。

α7 IVは、スタックをしたり一枚撮りをしたり、色々な手法で星空を撮りたい方におすすめの1台です。

α7 IIIと比較して優れた高感度耐性がない点は少々残念ですが、そもそも高感度耐性の技術が頭打ち感も否めないので、仕方ないのでしょうか。

そのため、描写の精細さ以外で画質に期待し過ぎるとがっかりするかもしれません。

一方で、操作性に関しては従来機より高い満足度が得られるはず。現在使用しているカメラが壊れた際は購入候補になるかもしれません。

問題といえば、お値段ですね。

SONYストアで購入価格が372,900円と、α7 IIIの後継機としては想像以上に高額です。

「気になるけれど高くて購入をためらっている……」という方は多いのではないでしょうか。

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GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集スタッフ Chino

こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSのライター。自社Webメディア『GOOPASS MAGAZINE』などの、ディレクション・記事制作などを担当する。数年のブランクを経て、2014年にカメラを再開。 風景・星景をはじめとする自然物の撮影が中心で、季節感のある写真を好む。使用カメラはCanon EOS 6D。

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