Serendipity(セレンディピティ)=【偶然と才気によって、予期しない発見をすること】
東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)で開催中の同展示には、ペルシアのおとぎ話『セレンディップの三人の王子』を由来とする言葉が主題に採用されています。
同企画は、『しずかな視線、満たされる時間』『窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ』『ふたつの写真を編みなおす』『作品にまつわるセレンディピティ』の全4エリア・4部構成です。
本記事では、同展示の様子を4つのエリアに沿ってレポートします。
▼展示の概要はコチラ

1.しずかな視線、満たされる時間

コロナ禍の到来によって、私たちの日常は一変しました。
これまで当たり前に過ごしていた環境や時間が、かけがえのないものだったことに気づいた方は少なくないはず。
本展示で最初に足を踏み入れるであろう、【しずかな視線、満たされる時間】。
コロナ禍・現代など年代を問わず、写真家が日常の中で気づいた・見つけたセレンディピティを紹介しているエリアです。
同美術館が収集したコレクションに加えて、吉野英理香さんがインスタントカメラ・チェキで撮影した作品が展示されています。
出品作家
吉野英理香、牛腸茂雄、北井一夫、島尾伸三、潮田登久子、今井智己(敬称略)
2.窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ

窓の外に映った画は、偶然か、それとも必然か。
世界最古の現存写真として知られる、『ル・グラの窓からの眺め/ニセフォール・ニエプス』。
ニエプスを連想させる『柿の木荘2階の東の窓/鈴木のぞみ』は、実際の(民家にあるような)窓枠を作品の一部として表現したもの。
「ただ、そこにあるものを写し取る」という作家たちの純粋な行為が、日常に潜むセレンディピティのヒントを与えてくれるエリアです。
出品作家
鈴木のぞみ、佐内正史、葛西秀樹、エドワード・マイブリッジ、山崎博、浜田涼、相川勝(敬称略)
3.ふたつの写真を編みなおす

世界的に有名な美術作家(画家・彫刻家)として知られる、奈良美智さんを含む写真家の作品が、”2枚1組”で展示されています。
また、齋藤陽道さんによる『感動』は、121枚組の大作。
「リラックスして鑑賞してほしい」という美術館側の意向から、鑑賞スペースの一部には、芝生の上に座布団が敷かれています。
撮影場所も撮影日時も異なる作品が隣り合うことで生まれるセレンディピティを、じっくりご堪能いただけるエリアです。
出品作家
奈良美智、齋藤陽道、中平卓馬、エリオット・アーウィット(敬称略)
4.作品にまつわるセレンディピティ

セレンディピティは、写真家の元にも訪れます。
都市風景をジオラマ風に撮影する、本城直季さん。
乳児の瞳にクローズアップした作品シリーズ『I can’t recall my first light.』を手掛ける、井上佐由紀さん。
世界中の極地から都市まで旅する写真家、石川直樹さん……。
本エリアで展示されているのは、特徴的な撮影・表現手法で知られる5名の作家。
彼等に舞い降りたセレンディピティとは、一体何だったのか?
それぞれのルーツを紐解きながら、唯一無二の作風をお楽しみいただけるエリアです。
出品作家
本城直季、井上佐由紀、石川直樹、ホンマタカシ、畠山直哉(敬称略)
編集後記
同展示を鑑賞して、改めて「写真は自由だな〜」と感じました。
何かに気づいて(インスピレーションを得て)、写真を撮っても良し。
撮った写真を後から見直して、何かに気づいても良し。
「本展示を通じて何を感じたか」も、「どの作品を一番気に入ったか」も、個人の自由です。
美術館だから……とハードルの高さを感じることなく、小さなギャラリーで開催されている写真展や、近所の公園へスナップ撮影に行く感覚で、1人でも多くの方に足を運んでほしいと感じた、等身大の展示でした。
鑑賞後には撮影欲がマシマシになること間違いなし。
GWのお出かけにも、自信を持ってオススメできるイベントです。
展示概要
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
会期:2023年 4月 7日 (金)~ 2023年 7月 9日 (日)
会場:東京都写真美術館 3F展示室
住所:〒153-0062 東京都目黒区三田 1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099
URL:www.topmuseum.jp
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜は 20:00まで) 入館は閉館 30分前まで
休館日:毎週月曜日 (ただし、 5月1日は開館)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・ 65歳以上 350円
※小学生以下及び都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
※オンラインによる日時指定予約推奨






