Nikon Z 7IIを工場夜景写真家が徹底レビュー!Z7との比較もあり

(編集:GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集部)
こんにちは。寺生まれのSと申します。趣味で工場夜景を撮っています。
今回はNikonのミラーレス「Z 7II」についてお話しさせていただきます。
Z 7IIは2018年に新開発された「Zマウント」を採用したミラーレスカメラ「Z7」の後継機種です。
初代Z7は画素数だけをみればD850とほぼ同等(私はD850のサブ機としてZ7を所有しています)。
しかし、Z7を使い込んでいくと得手不得手が明確になっていき、こと夜景撮影においてはD850に比べると不便さを感じることもあり、早くも後継機種の登場を期待するような始末でした。
その後、「Z 7II」が発売されましたが、なかなか手が出せずにいたところGOOPASS様よりZ 7IIをお借りする機会をいただいたので、これ幸いと初代Z7と比較実験をしてみました。
相変わらず夜景撮影と現像に特化したレビューですが、みなさまのご参考になれば幸いです。

Z 7II ボディ
はじめに
著者プロフィール 寺生まれのS

Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。一番頻繁な時期には週に1度以上、工場夜景撮影に明け暮れており、撮影した場所は日本全国20ヶ所以上。カメラを始めた当初からInstagramを開設。『変わる廃墟VS行ける工場夜景展』にて作品を出展。
Nikon Z 7II

Z 7IIのスペック
| マウント | ニコンZマウント |
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度 | 標準:ISO64~25600 拡張:ISO32相当、102400相当 |
| ファインダー視野率 | 100% |
| 幅x高さx奥行き | 約134×100.5×69.5mm |
| 重量 | 約705g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く) |
Z 7IIをレンタルしてみる

Z 7II ボディ
Z 7IIの作例写真
まずは、Z 7II本来の描写が分かるよう、1枚撮りした作例写真を見ていただければと思います。
1枚撮り




※4500万画素の元画像を、560万画素に約8倍クロップ
HDR合成
以下はHDR合成したものです。




※4500万画素の元画像を、560万画素に約8倍クロップ
HDR合成することにより、1枚撮りでは白飛び・黒つぶれする部分(影や照明器具まわり)の細部も描写できます。
Nikon Z 7IIの特徴

まずは、Z 7IIの主な特徴を確認してみます。
高画素
同じ画素数の初代Z7やD850と変わらず、画面の隅々まで精細な描写ができていたと思います。
従来機から進化しているわけでもなく、ごくまれにある無印から2になったら劣化したということもなく。

高画素機として期待通りの写りでした。
感度全域でダイナミックレンジが広い
メーカーのZ 7II公式ページでもうたわれている通り、感度全域で広いダイナミックレンジを誇るZ 7IIは、表現の幅が向上したと思います。

感度に関しては、初代Z7よりも改善している部分があるので、後ほど写真と併せて詳しく解説しますね。
素早く高精度にピントを合わせるハイブリッドAF
493点※のフォーカスポイントによって、画面周辺部の被写体まで広範囲で高いAF精度を維持します。※静止画モード、シングルポイントAF時。FX フォーマット時
ここに関しては宝の持ち腐れのようで申し訳ないのですが、私が行なう撮影では活躍する機会がありませんので、コメントは割愛させていただきます。
夜景撮影におけるNikon Z 7IIの良い点
それでは、本題となる夜景撮影においてのZ 7IIのレビューをしていきます。
背面モニターの使い勝手が向上
まずは、Z 7IIは背面モニターのダイナミックレンジの幅が広くなった点ですね。
ここが初代のZ7と大きく異なる部分です。

Z 7IIは明るいものをライブビューでもきちんと明るく表示してくれるので、夜景撮影におけるピント合わせの難易度が大幅に下がりました。
このあと詳しく解説しますね!

(ISO:100 焦点距離:58mm F2.8 SS:1/25s)
この写真は、三脚を2つ使用して撮影しました。
前方にナナニッパのレンズを装着したZ 7II・Z7を交互において、その真後ろで58mmF1.4のレンズを装着したD850を三脚に据えています。
部屋を真っ暗にして、D850でZ 7II・Z7のライブビューを撮影しました。
上記の写真は、1秒から、徐々に30秒までシャッタースピードを長くして撮影したものを上から順に並べています。
初代Z7のライブビューは、8秒(上から4枚目)の明るさが限界でした。それより長いシャッタースピードの写真(5、6枚目)を見ても明るさが変わっていないのが分かると思います。
その一方で、Z 7IIの方は8秒の写真よりも5枚目(15秒)、6枚目(30秒)の写真がシャッタースピードの変化に沿って、画面が明るくなっていますよね。
ただし、これはライブビューの写り方に関してのみの話。実際に撮影した写真は、Z7もきちんとシャッタースピードの長さに従って明るく写ります。

ライブビューの明るさの違いが、実際にどのように影響するかというと、真っ暗な場所でZ7を使用する際、30秒でもライブビューが真っ暗でピント合わせがお話しにならないんです…。
真っ暗なので、どこにもピントを合わせられないんですよね。
一番ひどかったのは秩父で雲海を撮ったときで、地獄でした…(笑)
この時は、仕方がないのでISO12000くらいで撮って微調整して、また撮って微調整しての繰り返しで地道にピント合わせをしていき、ピントが合ったところでISOを下げて本番の撮影をするといった感じで対処しました。
これがZ 7IIのライブビューなら、きちんと30秒の明るさに表示されるので、暗い場所でもピント合わせがしやすくなるということです。
暗部のレタッチ耐性が向上
レタッチの際にZ7で気になっていたノイズが、Z 7IIでは目立たなくなりました。
Z 7IIは、撮像素子に高画素仕様の裏面照射型CMOSセンサーを採用。画像処理エンジンと連携して、解像感やノイズ特性などを向上させています。
Z7・Z 7IIそれぞれで、同じ場所・アングル・設定で撮影、レタッチしてみました。
下記で比較しているので参考にしてください。
まずは、Z7。
一部拡大した2、3枚目を見ていただくと分かると思いますが、Z7は縞ノイズが目立ってます。
2枚目の鉄道のレール部分ですが、特に暗い部分には縞ノイズだけではなくて、色のついた点々のようなノイズがあり、とても目立つんですよね。
それに対して、Z 7II。
一部拡大した写真を見ても、縞ノイズがありません。
さらに、ザラついてはいるんですが、Z7で見られたような、緑や赤色の点々はほぼ目立たないんです。
「等倍にしないと分からないんかい」ってところではあるんですが…(笑)
大きく印刷したときなんかは、この差がはっきり確認できると思います。
夜景撮影ではなくて、イベント撮影する方にも大きく関わる部分なんじゃないかと。
たとえば、結婚式なんかは、演出などの関係で暗いまま撮らなければいけない場面もでてくると思うんです。
そういったときに、露出をミスってしまった場合などは、Z7だといい訳できない色のりがでてくるんですが、Z 7IIだと現像でどうにか修正が効くレベルまでもっていけるんじゃないかと思いました。

暗部描写の改善は、私のように趣味で夜景を撮っている人だけではなくて、商業利用されている方にとっても大きなメリットになりますよね。
もう1パターン、比較素材を用意しました。
一部拡大した写真は、高速道路の高架下部分なんですが、左上部分が凄いカラフルなことになっていて…。
これに関しては、拡大前の画像でも確認できるかなと思います。
一方、以下のZ 7IIは、許容範囲内ではありますね。
どうしても暗い部分ではあるので、カラーのノイズはのってしまいますが、Z7に比べると落ち着いていますよね。
ダブルスロット化
単純ですけど、Z 7IIでダブルスロットが採用されて、XQDカードに加えてSDカードも使えるようになったのも良かった点です。

Z7で限定されてしまっていたXQDカードは、読み込みなどが早いんですけど高価なんですよね。
たとえば、今までSDカード対応の初級・中級機をもっていたとして、上級機に買い替えたとしても、Z 7IIなら、新たに高価なXQDカードを買い足すなんてことにはならないですよね。
Nikon Z 7IIの気になる点
大前提、Z 7IIの気になる点ですが、私が使ってみた範囲ではZ7と比較して劣っていると感じる部分はありませんでした。
そのため、以下は私のメイン機であるD850と比較して気になった点になります。
ボタンイルミネーションがない
ボタンイルミネーションが無いのは、夜景を撮る身としては、辛いですね。
ボタンイルミネーション=主な操作ボタンが、暗所で光る機能
下記で、D850をレビューした際にも、ボタンイルミネーションの魅力は語っています。
レリーズが挿入しづらい
夜景撮影などスローシャッターで撮影するときに使用するレリーズについてのお話です。
Nikonのレリーズが2種類あって、Z 7IIに採用されている初級機用のタイプはカメラ脇にある差込口に挿入する形なんですが。

暗い場所だと、まあ分からなくて差しにくいんですよ…(笑)
D850に採用されている上級機用のタイプは、暗所で手元が見えていなくても、差し込みやすいんですよね。
ささいな点ではありますが、撮影時にストレスを感じてしまいます。
Fマウントレンズを使うとき、注意点がある
アップデートが必要なマウントアダプターを使用している方は、撮影前に必ずチェックしておくと良いと思います。
アップデートをしていないと、撮影地についても撮影できないという事態になりかねません。
これは、今回私が実際にやらかしたことでもありまして(笑)
Z 7IIをレビューするにあたって、私が所有している初代のマウントアダプターと、FマウントレンズとZ 7IIをもって、撮影地に到着したんですが……
マウントアダプターとレンズをZ 7IIに装着して、さあ撮るぞ!と思いきや、「アップデートしてください」という表示がでてしまったんですよね(笑)

その日はもう、撮影地である川崎にドライブしにいっただけという結末になりました(笑)
適正露出でリサイズ観賞する場合、画質は初代と変わらない
以下、同じ場所・アングル・設定で撮影したZ7とZ 7IIのRAWデータとレタッチ後の写真です。
良く見比べてみてください。
Web上のサイズで見る分には、ぶっちゃけZ7もZ 7IIも写りは変わらないと思いました。
これまで紹介してきたメリットは、私のように画像を徹底的にいじめる人とか、大きく印刷して飾りたい人とか、失敗できない現場で使用する商業カメラマンさんとかに大きく影響があると思うんです。

気軽に楽しんだり、InstagramなどSNSにアップするだけの方であれば、価格的にもお手頃なZ7で十分なのではないのかなぁと。
そういった方がわざわざZ 7IIを選ぶほどのメリットはないように感じています。
あとがき
ここまでご覧いただきありがとうございました。
夜景撮影におけるZ 7IIの進化点、いかがでしたでしょうか。
適正露出時の画質は初代Z7とほぼ同等、しかもSNSやwebメディア掲載時にリサイズしてしまえば全く見分けがつかないとなれば「なんだ、大したことないな」と思えてしまうでしょう。
しかし、ここまでご紹介してきた通り、Z 7IIの真価は悪条件下での対処能力にあると私は考えています。
暗所でのピント合わせをより効率的に行えること、また露出アンダー写真の救済範囲が広がったこと。
ピンポイントでわかりづらいと言えばそれまでですが、間違いなく撮影機材としての信頼性が向上しているものと感じました。
とはいえ、まだまだ中古価格も高いので、もう少し待ってもいいかな…。または、気になっているならまずレンタルして試してみる方が良いかも…。なんて思う今日この頃です。
Z 7IIをおすすめできる人
- 夜景など暗所で撮影することの多い人
- 写真を大きく印刷して鑑賞したい人
- レタッチで大幅に明るさを持ち上げることの多い人
- ウェディング等、商業撮影をする人
Z 7IIがあまりおすすめではない人
- 写真の使用用途が、リサイズしてのSNS等利用に限定される人。もしくは大きく印刷して鑑賞する予定のない人
- 肩肘張らず、気軽に写真を楽しみたい人
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Z 7II ボディ
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