Canon「RF15-35mm F2.8 L IS USM」とSONY「FE 16-35mm F2.8 GM」を比較してみた

こんにちは。GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集部のchinoです。
以前SONY(ソニー)の「FE 16-35mm F2.8 GM」とCanon(キヤノン)の「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を星景撮影の観点からレビューしました。
どちらも純正の超広角大三元レンズで、星空を撮影するのに適したレンズだとわかったところで、今回はせっかくなのでこの2本を比較してみます。
マウントが異なるためFE 16-35mm F2.8 GMとRF15-35mm F2.8 L IS USMで購入を迷っている方は少ないかもしれませんが、α7シリーズとEOS Rシリーズの両方を所持している方はぜひ……というややニッチな記事です。
これからSONYやCanonのフルサイズデビューをしたい方も参考になるかもしれません。
広い意味では星景撮影に適した機材を探している方の役に立てるよう書いていきますので、ぜひご覧ください。
==著者情報==
普段の撮影は風景や星景が中心で、主にα7RⅢとFE 24-70mm F2.8 GMを使用。星景撮影ではEOS 6DとSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD・14mm F1.8 DG HSM | Artを愛用中。じつはEマウントの星撮影用レンズを持っていないためそろそろ欲しい。
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目次
スペック比較

まずは2本の純粋なスペックを比較してみました。
レンズ構成と絞り羽の枚数が異なります。わかりやすい差異でいえば、手ブレ補正の有無と重量でしょうか。
次の項から詳細を見ていきます。
| 製品名 | FE 16-35mm F2.8 GM | RF15-35mm F2.8 L IS USM |
| 対応マウント | ソニーEマウント | キヤノンRFマウント |
| 焦点距離 | 16~35mm | 15~35mm |
| F値 | F2.8 | F2.8 |
| レンズ構成 | 13群16枚 | 12群16枚 |
| 絞り羽根 | 11枚 | 9枚 |
| 手ブレ補正 | 無(ボディ側にて対応) | 有 |
| 最短撮影距離 | 0.28m | 0.28m |
| 最大径×長さ | 88.5×121.6×82mm | 88.5×126.8mm |
| フィルター径 | 82mm | 82mm |
| 重量 | 680g | 840g |
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RF15-35mm F2.8 L IS USM
外観の比較

いずれも出目金レンズではなく、円形のフィルターが使用できます。フィルター径はともに大きめの82mm。
焦点距離や口径がほぼ同じなので、付属するレンズフードも大差ありません。どちらも花形でやや薄い形状です。
着脱しやすく、ロックボタンがついているため誤って外れてしまうこともありませんでした。
最大径と長さは、FE 16-35mm F2.8 GMが88.5×121.6mm、RF15-35mm F2.8 L IS USMが88.5×126.8mm。
全長はRF15-35mm F2.8 L IS USMの方が5mmほど長いようですが、正直見た目ではほとんど違いがわかりません。
逆に横幅は最大径が同じであるものの、FE 16-35mm F2.8 GMは鏡筒部分が細いデザインのためか、華奢に見えます。RF15-35mm F2.8 L IS USMは少しずんぐりとした印象を受けました。
恐らくもっとも違いがある点が重量です。
680gのFE 16-35mm F2.8 GMに対して、RF15-35mm F2.8 L IS USMは840g。150g以上の差があります。
800gを越えてくると、長距離の徒歩移動や登山などでは負担になり、長時間肩や首に掛けていていると疲れも感じます。
実際に持って比べると、RF15-35mm F2.8 L IS USMの方が明らかにずっしりとした重みが伝わりました。
車移動がメインであればどちらでも問題ありませんが、携行性ではFE 16-35mm F2.8 GMにアドバンテージがありそうです。
操作性の違い

どちらのレンズも焦点距離35mmのときが最短の繰り出し式です。
FE 16-35mm F2.8 GMが時計回りにズームするのと反対に、RF15-35mm F2.8 L IS USMは反時計回りに回転させるとズームします。
この点はメーカーで統一しているので、特筆すべきところではないかもしれません。
およそ2倍の倍率ということもあり、どちらも4分の1周ほどの回転で全ズームが完結します。大きな回転を必要とせず、スムーズに焦点距離の変更ができる設計です。
ズームリングに関してはどちらも同じくらいの感触でしたが、ピントリングはRF15-35mm F2.8 L IS USMが軽すぎると感じました。
ズーム・ピントリングのほかに、FE 16-35mm F2.8 GMではフォーカスホールドボタン、RF15-35mm F2.8 L IS USMではカスタムリングがついており、それぞれ任意で下記の機能を割り振れます。
RF15-35mm F2.8 L IS USMのカスタムリング(EOS R6の場合)
AF方式、AF方式、Tv値、Av値、露出補正、ISO感度設定、調光補正、ホワイトバランス選択、色温度選択、ピクチャースタイル選択、WB選択、色温度、ピクチャースタイル選択
FE 16-35mm F2.8 GMではフォーカスホールドボタン(α7RⅢの場合・一例)

フォーカスホールドボタンはフォーカスホールド以外の機能も充てることが可能で、実質ボディのカスタムボタンとして使用可能です。
カスタマイズの自由度の点では、コントロールリングよりも高いといえます。
AFロックや瞳AFなど、手持ち撮影やファインダー撮影で使う機能を割り振れば、より素早く撮影ができそうです。
また、独立しているので暗い場所で誤操作する心配もありません。
一方のコントロールリングは、露出やISO感度など、数値として変更するものに関して操作が楽になります。
手ブレ補正の有無
大きな違いとしては、レンズ内の手ブレ補正機構の有無です。
RF15-35mm F2.8 L IS USMは本体とシンクロして最大8段の効果が得られる手ブレ補正がついていますが(R6使用時)、FE 16-35mm F2.8 GMには手ブレ補正がついていないためカメラ側で制御しなくてはいけません。
手ブレ補正をOFFにする星景撮影では影響のない点ではありますが、個人的には手ブレ補正をレンズで制御できる方が好みです。
というのも、レンズ側で制御する方がパッと見て手ブレ補正のON・OFFがわかりやすいのです。
過去に幾度も三脚撮影で手ブレ補正を切り忘れていた経験があるので(逆もしかり)、スイッチ式の切り替え方法はありがたいですね。
きちんと確認すればよいだけの話なのですが……。
また、SONYのα7シリーズ、CanonのEOS Rシリーズともに、手ブレ補正が搭載していないモデルが存在します。
そのようなボディと組み合わせて手持ち撮影をする場合は、RF15-35mm F2.8 L IS USMの方が安心だと感じました。
焦点距離の差は1mm

左:RF15-35mm F2.8 L IS USM(焦点距離:15mm、SS:13、f2.8、ISO:10000) 右:FE 16-35mm F2.8 GM(焦点距離:16mm、SS:13、f2.8、ISO:12800)
2つのレンズはほぼ同じ焦点距離をカバーしていますが、RF15-35mm F2.8 L IS USMの広角側が1mm長い15mmです。
わずかな差ではありますが、周辺部に余裕を持たせた撮影が行なえます。
とくにフロント部分へソフトフィルターを装着した場合、できるだけ周辺部に大きな星を配置したくないので、少しでも上部に余白を作れる点はプラスに感じます。
実際に同程度の割合で前景を設けて、同じ時間帯の空を広角端で撮影してみました。
目立つ星を画角に入れると、1mmでも違いがわかるのではないでしょうか。
FE 16-35mm F2.8 GMで撮影した写真は、だいぶ窮屈な印象を受けます。
解像性能
今回、撮影に使用したカメラはEOS R6とα7RⅢです。
画素数をはじめ性能が大きく異なる2台なので純粋なレンズ比較はできませんが、いくつか確認してみました。
レンズ比較よりはカメラの比較となってしまった点、ご了承ください。
参考までにカメラのスペックも比較しておきます。
| 製品名 | α7RⅢ | EOS R6 |
| マウント | ソニーEマウント | キヤノンRFマウント |
| 画素数/動画サイズ | 4240万画素/4K(3840×2160) 30fps |
2010万画素/4K(3840×2160) 59.94fps |
| 常用感度 | ISO100~32000 | ISO100~102400 |
| シャッター速度 | 1/8000~30秒 | 1/8000~0.5秒 |
| 連写性能 | 最高約10コマ/秒 | 電子シャッター時:最高約20コマ/秒 電子先幕・メカシャッター時:最高約12コマ/秒 |
| サイズ | 126.9×95.6×73.7mm | 138.4×97.5×88.4mm |
| 重量 | 約657g | 約680g |
| その他 | 防塵防滴、手ブレ補正、ダブルスロット、チルト液晶、Wi-Fi、Bluetooth4.1、ブライトモニタリング | 防塵防滴、手ブレ補正、ダブルスロット、バリアングル液晶、Wi-Fi、Bluetooth4.2 |
| 価格(価格ドットコム最安値・2023/1/5時点) | 251,750円(税込) | 257,999円(税込) |
| GOOPASSレンタル価格 | 21,080円(月額税込) | 27,280円(月額税込) |
星景撮影ではありませんが、まずF値を絞って低感度撮影をした場合です。

左:FE 16-35mm F2.8 GM(焦点距離:28mm、SS:1/200、f11、ISO:100) 右:RF15-35mm F2.8 L IS USM(焦点距離:28mm、SS:1/640、f9、ISO:125)
絞りやISOに多少の違いはあるものの、その点を考慮しても左側の方がクリアで、冠雪部分も細かく描写できています。
やはり画素数に2000万画素以上の差があるので、拡大すると解像感の違いがわかるようです。
一方で、高感度で開放撮影をした場合。基本的に星景撮影ではこちらの設定を多用します。
もっとも解像性能が高くなる中央付近を切り取りました。

左:FE 16-35mm F2.8 GM(焦点距離:16mm、SS:13、f2.8、ISO:8000) 右:RF15-35mm F2.8 L IS USM(焦点距離:15mm、SS:15、f2.8、ISO:8000)
先ほどはSONYの組み合わせの方が精細でしたが、今度は逆に、Canon機で撮影した写真の方が木や柵のディテールがはっきりして見えないでしょうか。
さらにノイズ処理を施すと差が顕著です。
SONY機で撮影した方は、全体的にガサガサして鮮明さがありません。
高画素ゆえに高感度撮影に弱いα7RⅢと、高感度ノイズ耐性のあるR6の差が出た結果になりました。
身も蓋もない話ですが、星景撮影で1枚撮りをする場合、レンズと合わせてボディのノイズ耐性も考慮した方がよさそうです。
「じゃあ結局どっちのレンズが星景撮影に向いているの?」といえば、ボディの性能を合わせてないので今回はわからない……としか言えません。
何とも歯切れ悪い締めで申し訳ありませんが、個人的には解像性能にほとんど差は感じられず、携帯性や操作性を重視して選ぶ方がいいような気がします。
コマ収差
最後に周辺のコマ収差(サジタルコマフレア)を比較してみました。
もっとも発生しやすい広角端の端を拡大。
中央に関してはどちらも違いが見られません。
周辺部は強いていうならRF15-35mm F2.8 L IS USMは大きい星に崩れが見られますが、こんなに拡大をすることはないので問題ないのではないでしょうか。
個別レビューでも書きましたが、どちらも綺麗な円形の星像です。WEBで観賞したり、2LやA4サイズに印刷したりする分には気にならないと思われます。
まとめ
RF15-35mm F2.8 L IS USMとFE 16-35mm F2.8 GMを星空撮影の点から比較してみました。
どちらも従来の星景撮影向きのレンズと比べると小型で、持ち運びがしやすいレンズです。
登山をする際や、駐車場から距離のある場所へ行く際に重宝するでしょう。
後半は星空を撮るならSONY機とCanon機どちらがよいか、という観点になってしまいましたが、撮影シーンによってはレンズだけでなくボディも重要だという点を改めて実感できました。
SONYのGMか、CanonのLレンズか。なかなか贅沢な選択ですが、両メーカーの機材を持っていて超広角のズームレンズ選びに迷っている方は、ぜひ一度レンタルして自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
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GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集スタッフ Chino
こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSのライター。自社Webメディア『GOOPASS MAGAZINE』などの、ディレクション・記事制作などを担当する。数年のブランクを経て、2014年にカメラを再開。 風景・星景をはじめとする自然物の撮影が中心で、季節感のある写真を好む。使用カメラはCanon EOS 6D。
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