“初めまして、おはよう、こんにちは、こんばんわ。”
関西を中心に活動している被写体兼フォトグラファーのお湯ちゃんと申します。
前回、私の愛機である Nikon F3 の魅力について書かせていただきましたが、後編の今回は、フィルムカメラを始めてから使用しているフィルムについて、私が撮影した作例とともにお話できればと思います。

フィルムの種類について
皆様は初めてカメラに入れたファーストロールのことを覚えていますでしょうか?
前々からずっと使っていらっしゃる方は、きっと今は売られていないフィルムだったりもあるでしょう。
ちなみに私は割とポピュラーな “ Kodak GOLD 200 ” をおすすめされ使いました。
当時は値段も今ほどせず、割と気軽に買いやすい金額でした。
(おそらく当時あるフィルムの中ではお手頃な価格で楽しめるフィルムの1つでした。)
暖色寄りの暖かみがある色味はどこか懐かしく、一目でお気に入りになりました。

さてそんなフィルムですが、カラー/モノクロ以外にも違いが沢山あるんです。
一概にフィルムと言ってはいるものの、実際なんとなくで使っている方もいらっしゃるかもなので、フィルムについて軽くおさらい致しましょう!
まずはフィルムの種類について解説していきます。
ネガフィルム
一般的に多く知られているのはカラー/モノクロのネガフィルム。フィルム上に色や明暗の反転した画像を作り、プリントして楽しむことができます。多くのカメラショップやラボ、量販店で現像とプリントが可能です。
ポジフィルム
カラーのポジフィルムは、フィルム好きなら一度は使用してみたいフィルムです。
別名リバーサルフィルムと呼ばれており、ネガフィルムとは違い明暗や色の反転しない画像を作り出します。
ネガと呼ばれる、現像した写真が一コマ一コマ連なっているものが色付きでプリントされ、ライトボックスやスライドビュアーを使って閲覧したり、スライドプロジェクターで壁に投影し楽しむことができます。
現像されたフィルムを受け取った時から目で観て楽しむことができるので、大切な思い出を撮るときに是非とも使っていただきたいフィルムの1つです。
現在FUJIFILMさんがフィルムの生産・受注を一部停止しており、それ以前からではありますが、ポジフィルムはさらに手に入りにくくなりました。(個人的にも凄く大切なフィルムの1つなのでとても悲しいです…)
フィルムの規格について
次に、フィルムの規格についてお話しします。
よく目にする135フィルム、120フィルム…。
これらは大まかに小型カメラ、中判カメラとサイズが分かれています。
135フィルム
別名「35mmフィルム」と呼ばれており私たちがもっとも慣れ親しんでいるフィルムです。
パトローネという金属製カートリッジにフィルムが入っておりそのまま使用できるため取り扱いがしやすいフィルムです。
こちらはフィルムの長さによって36枚撮りや24枚撮りが販売されています。
ハーフのフィルムカメラを使用すれば、1コマの半分を使い倍の数の撮影が可能となるため、コスパは抜群です。
120フィルム
中判カメラで使用できるフィルムで、別名「ブローニーフィルム」と呼ばれています。
ブローニーとはコダックのカメラブランド銘で、日本独自の呼び方だそう。
カメラの規格によって写す範囲が異なるので撮影枚数が異なります。
その他
又、上記以外にも大判フィルムと呼ばれるシート型の形状のものもあります。
大判フィルムにはカメラに合わせたそれぞれの大きさのフィルムが複数存在し、現像した際の解像度はかなりの高解像度になります。
友人が実際に大判フィルムカメラを使用しており、現像したものを後ろから光にあててルーペで拝見させてもらいましたが、明らかに段違いでした。細い部分の奥の奥まで繊細に写されており、デジタル一眼ではここまでの解像度を未だに出せないため圧倒されました。8×10と呼ばれる大きいもので “6億画素” だとか…。驚きが隠せませんでした。
フィルムの感度について
お次にフィルムの感度について。
フィルムにはデジタルと同じくそれぞれ「ISO感度」というものがありますよね。
今現在販売されているカラーネガフィルムでは、大体ISO50〜800までが販売されています。
今よりフィルムが安価で手に入った時代は、800以上の感度のものも多数存在していたそうです。現在ではモノクロフィルムのみたまに見かけます。
ISO感度が高いとシャッター速度を早くして写せるため、手ブレなどの心配もなくなります。また、夜撮影など暗い場所での撮影も可能になるので、使い分けると様々な撮影が可能となります。
但し、ISO感度が高くなればその分フィルムの粒状性が荒くなっていくため、それを頭に入れて使用することをおすすめします。
初めてフィルムを使う方は、使用するフィルムカメラにもよりますが “ISO200〜400”あたりをおすすめします。
屋内での撮影も視野に入れているのならISO400もしくはISO800を推奨します。
(フラッシュが焚けるタイプのカメラならISO200も個人的にありです。)
ISO感度100
昼間や日差しの強い晴れた屋外がおすすめです。
花火の撮影にも使用できますが、ズームレンズと手ブレしないよう三脚とケーブルレリーズが必要です。
屋内は暗く写しにくいのでおすすめしません。
ISO感度200
晴れた屋外、曇りの日にも。個人的には木漏れ日が綺麗に写しやすいです。
※屋内は晴れた日の窓際だと綺麗に写せます。
ISO感度400
屋外は勿論、光があれば屋内でも。最も使いやすくポピュラーな感度です。
ISO感度800
街灯があれば夜間での撮影がある程度可能です。
灯りとなる照明が少なくなればなるほど撮影が困難となります。
また、暗めな室内での撮影も可能ではありますが、照明の近くで撮影することをおすすめします。

個人的おすすめフィルム5選
フィルムカメラを始めてから、気になるフィルムをいくつか試してきました。
「フィルム毎に描写や色味の変化がみられるのか?」と問われるとはっきりは答えられません。(癖のあるフィルムは別として…)
実際のところ、現像に出すラボさんや大手カメラショップなどでプリントする際、そのお店ならではの色の出し方があるため、比べるとなると多少なりとも実際の色味と異なって返ってくることもあり、お店によってプリント処理のムラはあります。
あえて自分の色味に編集することもあるため、実際有名なフォトグラファーさんが使っているフィルムと同じものを使用しても、現像から返ってくるとなんか違ったり…なんてこともありますが、そんな中でも特に私がおすすめしたいフィルムをご紹介します。
(私自身もいろんなラボさんに出してはいますが、色味はフィルムのそのままで明るさだけを調整していただいていることを前提にお話しします。)
1. Kodak GOLD 200

私が一番使用してきたフィルムです。前回の記事の作例もこのフィルムを使って撮影しました。
暖色系の定番フィルムという印象ですが、色味は彩度が高すぎず軽く暖色掛かっているため写真全体の雰囲気を柔らかくしてくれます。
今は円安の関係や材料不足のため値段も倍以上跳ね上がっていますが、昔は安価で使いやすかったので普段使いとしておすすめされていました。
ISO200のため室内や暗い時間での使用は少し難しくなります。
シャッタースピードを1/60にすると室内でも撮れますが、手持ちだと大抵ブレていたりするので外で撮影する際に使用するのがベストかと思います。
個人的には夕陽や木漏れ日など光と影が美しい場所での撮影が好きです。



2. Kodak ProImage 100

Kodakのプロフェッショナルシリーズの1つ。
先程のGOLDに比べると若干コントラストは強くなりますが、肌の色調がとても美しく、ポートレート撮影におすすめなフィルムです。
元々ポートレート、結婚式、イベント向けに自然な肌色を意識して作られたそうで納得がいきます。基本5本パックで箱で販売されていることが多く、値段も安価なため普段使いにも◎
ISO100と低めなのでこちらも夕陽などの光を取り入れて撮影すると綺麗です。



3. FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400
こちらも定番フィルムの1つ。
若干のマゼンタ感がありますが、癖や苦手なシーンがないため撮影しやすく、初心者の方でも取り扱いがしやすいフィルムNo.1!
ISO400なため室内での撮影にもおすすめであり、感度が高くても滑らかな印象で撮影可能です。



4. Lomography Color Negative 400
Lomography といえば海外フィルムでよくある、少し癖の強い色味のイメージでしたが…。
使ってみると面白く、またKodakやFUJIFILMとは違う写真が撮れてより一層フィルムが楽しくなったきっかけのフィルムです。
鮮やかで独特な色彩表現ですが、撮り方によっては日常を少しドラマチックに仕上げてくれるので、表現の幅を広げたい、自分の個性を活かしたいという方におすすめです。
USJで友人と遊んだ際に使ってみましたが、まるで映画の世界に迷い込んだかのごとく幻想的に撮れたので、是非とも一度は使っていただきたい…!



5. STRIX vision

“フィルム写真を愛する人” のために作られた、シネマ・スチールネガフィルム。
年々業界が狭くなっているフィルムを若い世代のためにも少しでも絶やしたくないと 、Haru WagnusさんがSNSを中心に立ち上げたプロジェクトで制作されたフィルムです。
冬に展示を行った際に、こちらのフィルムを使用したのですがとても良く、フィルムでの作品撮りの表現の幅が広がり素敵だったので、Haruさんから許可をいただきご紹介いたします。
※展示の際は試作品を試したため、若干の違いはありますが400Dは似た仕上がりとなるので一応作例として数枚…。



ベースとなっている Kodak Vision 3は数多くの有名映画作品にて使用されており、美しいカラーと粒子のなだらかさ、ハレーション(光源が赤く滲む)によって映し出される世界観は、さすがは世界最高峰のネガフィルムと言っても過言ではないほど。(上記でも写真内に現れています。)
まるで映画の世界と歌われている “Cinestill”シリーズと似た雰囲気で撮影できるので、表現力が一変に変わり創作が楽しくなる噛めば噛むほど面白味が広がるフィルムのひとつです。
こちらは現在800Tのみ取り扱い中。
(400Dは仕入れの関係上、現在取り扱いせずでした。)
※購入の際の注意点
・このフィルムは個人での仕入れのため入荷次第購入可能というフィルムです。
又、基本的にHaru WagnusさんのSNSに入荷情報が記載されるため、購入してみたい!という方はご本人のSNSのチェックをお勧めします。
・特殊フィルムのため、大手カメラショップやラボさんでは現像を断られる可能性があります。Haru Wagnusさんが許諾済みのラボさん(関東圏)を掲載してくださったので、こちらに持ち込むor郵送するのがおすすめです。関西圏でも可能なところを聞いたため、そちらも掲載しておきます。
関東
エビスカメラさん:http://www.ebisucamera.com
西村カメラさん:https://24came.com
photo depot 彩色兼美さん:https://saisyokudepo.theshop.jp
チャンプカメラさん:https://www.champcamera.co.jp
パレットプラザイオンタウン豊中緑ヶ丘店:https://www.aeontown.co.jp/toyonakamidorigaoka/sp/shop/detail/?id=4551
関西
Photolabo hibi さん:http://labo-hibi.com
FRAMEさん:https://framefoto.me
上記以外でもシネスチル同様でC-41プロセスでの現像実績があることをお伝えくださると、現像が可能なことがあります。関西の hibiさん、FRAMEさんは伝えた上で現像可能だったそうです。
以上が個人的におすすめしたいフィルムでした!
上記以外にもおすすめしたいフィルムはたくさんあります。
カメラ屋さんに行って、実際に作風を聞いたり、観たり、使用したりで色々挑戦していってみてくださいね!
まとめ
長々と綴ってしまいましたが、前編・後編と読んでいただきありがとうございました。
私の記事はこれで終わりとなります。
まだまだ未熟者ですが、このような貴重な機会を与えてくださったMARSH編集部の皆様、ありがとうございました。
書き始めてから文章を書くのも好きなんだなと改めて気付き、自身の新たな一面を発見することができました。
これを機に、フィルムやってみようかな…?
前までやってたけど離れちゃった…もう一度やってみようかな?という方が少しでも増えてくださると嬉しいです。
便利になったこの世の中で、あえてフィルムをわざわざ使うことって、きっと “今しか撮れない” 有限のあるものを撮らせてくれる…。
私達の目に見えないものへの大切さを気づかせてくれる。そんな気がするんです。
皆様がフィルムカメラで素敵な写真が撮れますよう、楽しみにしております。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。

お湯ちゃん。




