Nikon D850実写レビュー!5年愛用した工場夜景写真家が解説します

こんにちは。寺生まれのSと申します。趣味で工場夜景を撮っています。
これまでは、日本全国のおすすめ工場夜景をご紹介してきましたが、今回は私の相棒「D850」についてお話しさせていただきます。
D850は高画素・高画質・高速連射の3拍子に加え、D5に比肩する動体追尾性能を有する「モンスターカメラ」です。
当然、これまでも多種多様な切り口からレビューがなされてきたカメラですが、本記事では夜景撮影における「操作性・画質・レタッチ耐性」に着目し、同じくNikonのフルサイズ機である「Z7(現在の所有機)」「D750(過去の所有機)」との比較を交えつつD850の素晴らしさをお伝えできたらと思います。
みなさまのカメラ選びのご参考になれば幸いです。
D850、Z7、D750の画質比較は異なる条件下(場所・撮影設定など)で得られた画像データの比較となります。したがって、正確性に欠ける部分があり、あくまでご参考程度のものとなります。あらかじめお含みおきくださいますようお願い申し上げます。
はじめに
著者プロフィール 寺生まれのS

Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。一番頻繁な時期には週に1度以上、工場夜景撮影に明け暮れており、撮影した場所は日本全国20ヶ所以上。カメラを始めた当初からInstagramを開設。『変わる廃墟VS行ける工場夜景展』にて作品を出展。
Nikon D850とは

Nikonの一眼レフの完成形というか、探せばあるかもしれませんが欠点がほぼないというか。
基本的に、これさえあればなんでもできるという、ハイアマチュアにとって欲しい部分を網羅してくれているカメラだと思います。
D850のスペック
| マウント | ニコンFマウント |
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度 | 標準:ISO64~25600 拡張:ISO32相当、102400相当 |
| ファインダー視野率 | 100% |
| 幅x高さx奥行き | 146x124x78.5mm |
| 重量 | 約1005g(バッテリーおよびXQDカードを含む、ボディーキャップを除く) |
Nikon D850の作例写真






Nikon D850を手に入れた理由

三重県の四日市のほうで工場夜景のシンポジウムがあって、それに向けて写真を提供するようなイベントがあったんです。
その際、四日市の観光課の方から私の写真をクリアファイルにしたいという依頼をいただきまして。
実は、ちょうどその依頼をいただいた時期と、D850の発売時期が被っていて、「じゃあ、自分へのご褒美だ」ということで、手に入れちゃいました(笑)
D850を選んだ決めて
D850を選んだ決めてというか、その前からゆくゆくはD850を手に入れたいと思っていました。
Nikonで風景を撮るなら、当時は最強といわれていたので。
比較・検討した機種
メーカーはもともとNikonを使っていたので、Nikon一択でしたね。比較・検討した機種もありませんでした。
D850の前に使っていたメイン機材
D850を購入する前はD750、それよりもさらに前はD7100を使用していました。
夜景撮影におけるNikon D850の良い点
よく言われる、D850の良い点は下記の通りかと思います。
- 手になじむ深いグリップ
- ファインダー視野率100%
- バッテリーパックを装着することで連写枚数が7コマ/秒から9コマ/秒に
- 153点AF
視野率100%ファインダーのメリット▶ファインダー内に写るものと実際に撮れる写真の大きさが同じ
ほかにもまだまだあると思いますが、私が工場夜景メインという極端な撮影しかしていないため、人や動物といった動体などにおけるD850の強みは、実際に撮影していないので実感できていません。
今回は、夜景撮影におけるD850のメリットをあげさせていただきます。
1.電子先幕シャッターによるサイレント撮影モードが優秀
夜景撮影において、完成度を上げたい、少しでもブレさせたくない方にとって、ここは大きなメリットになると思います。
ミラーショックを気にせず撮影できる
一眼レフで写真を撮る際は、ミラーを上げてイメージセンサーに光を当てるために、内部のミラーが跳ねあがるんです。上下にパコパコ動くイメージ。
ミラーショックとは・・・一眼レフでの撮影時にミラーが動くことで、カメラが振動してしまい、写真がブレてしまうこと。本体内部にミラーを搭載した一眼レフでのみ発生する現象。
この、ミラーショックのブレによって、写真が台無しになってしまうことがあります。
微妙なブレだと、撮影している現場だと全然わからなくて…帰宅後に確認した際に気づくことも。
それが、D850に搭載された電子先幕シャッターのおかげで、ミラーショックを心配せずに撮影できるようになりました。
そのおかげで、撮影成功率も以前に比べて上がった気がしますね。
(電子先幕シャッターは、ミラーアップ状態が前提。)
ミラーアップとは・・・シャッターボタンを1回押すとミラーアップされ、さらにシャッターボタンを押すと露光が開始される。振動が収まった後に露光を開始するため、ミラーショックによるブレを防げる。
参考:https://www.nikon-image.com/
自動ノイズ低減処理がなくても、ノイズが気にならない
長秒時ノイズ低減処理は、サイレント撮影だと使用することができません。
長秒時ノイズ低減処理とは・・・夜景を長時間撮影した後、輝点(ノイズの一つ)を消すために同じ時間だけ真っ暗なフレームを撮影して、自動で合成してくれる機能
でも、それがなくても、全くと言っていいほど、輝点やザラつきが気になったことがありません。
2.タッチパネル採用の背面モニターで撮影効率アップ
恐らく、昨今の一眼カメラには当然のように備わっている機能かと思うのですが…。
これまでD750を使用していた私的には、本当に革命的な機能でした(笑)
D750はピント合わせする際、マルチセレクター(上下左右ボタン)でフォーカスポイントを地道に動かして、背面の拡大ボタンで拡大していき、レンズのピントを合わせて撮影していたんですが、D850はピント合わせがワンタッチで完了。

現在のミラーレスカメラでは標準装備の機種が多いとは思いますが…こちらの機能によっても撮影の効率が格段にあがりました。
3.ボタンイルミネーションが暗所で活躍
D850は、撮影時によく使う主な操作ボタンが、暗所で光ってくれるんですよね。
以前使っていたD750や、現在所有しているZ7にはこれがありません。

ささいなことのように感じますが、この機能も私にとっては取り上げるべきメリットになります。
やっぱり、真っ暗な場所で夜景を撮っていると、手元が全く見えないこともあります。
そういう時は、懐中電灯で手元を照らしながら撮影することになっちゃうんですけど…。
ボタンが光ってくれるだけで、ある程度の操作ができてしまうのでストレスフリーで撮影ができます。
4.高画素機の常識を塗り替えた超高画質(=ノイズが多い、ダイナミックレンジが狭い)
これまであげた3つは、操作性に関するものでしたが、ここからは撮影したデータのお話になります。
| 機材名 | 有効画素数 |
|---|---|
| D750(以前使っていた) | 2432万画素 |
| D850 | 4575万画素 |
| Z7 | 4575万画素 |
このように、以前使用していたD750から、D850では画素数が約2倍になりました。
D850が発売されたのは2017年で、その頃って【高画素機になればなるほどノイズが出やすい】というのが主流だったと思うんです。
なので「これは、画質がやばいんじゃないか??」という懸念がなきにしもあらずだったんですけど…。

実際に使ってみると、心配する必要はなかったのかなと。むしろD750よりもノイズがなく綺麗に写ります。
そこで、画質の違いが分かりやすいよう、「D850」「D750」「Z7」の機材ごとに、下記の写真3枚の写真を並べて紹介したいと思います。
- 撮って出し→撮影して、編集する前の写真
- レタッチ後→上記をライトルームで露光量、シャドウ、黒レベルを編集した写真
- 一部拡大→レタッチ後の写真の一部を拡大したもの
場所や撮影条件が異なるので厳密な比較にはならないのですが、参考になれば…!
D750
まずは、D750から。
以下の【ほぼ等倍切り出し】を見ていただくと分かるかと思いますが、縞ノイズとカラーノイズが結構入ってしまっています。

Z7
最も暗い部分は特に、縞ノイズが強く出ています。
特に、陰になっている部分の露光量を思いっきり持ち上げて明るくしてみると、色が破綻してしまうのが気になりました。

D850
最後にD850。
少なからずノイズはでているものの、色の破綻や縞ノイズが少なく、許容範囲です。

同じセンサーサイズに対して、D750の方が画素数が少ないので、ノイズが少なく写るはずかと思うのですが…。
このように見比べていただくと、3つの機材のうち、D850が最も綺麗に写っているのが分かります。
もちろん撮影条件が違いますし、絞りなどの設定も若干ずれているので、比較はしちゃいけないところですが…。
それらを差し引いたとしても、画質の差が出ていますよね。
5.高画素機=細部構造を精彩に描写できる、大幅なトリミングにも耐える=工場夜景に最適
高画素機ということで、当たり前の話になってきてしまうんですが…。
特に工場夜景では、入り組んだパイプとか、機械の細部まできちんと描写してくれますし、大きく引き伸ばして印刷しても、高精細を維持できます。

私はInstagramをやっているんですが「あ、ここを切りとったら面白そう!」という時も、躊躇なくトリミングしてアップできちゃいますね。


Nikon D850の気になる点
1.高性能レンズが必須
性能として、細部まで写せるカメラがあるのに、そうではないレンズを使用してしまうと、結局撮れる写真のクオリティが性能が低い方に引っ張られてしまうので…。
NikonがD850におすすめなレンズを公式ページで紹介しています。
カメラの性能を持て余してしまうレンズだと、少しもったなくなってしまいますね。
2.重い・デカい・まだ高い
D850は、本体の重量が約1005g(バッテリーおよびXQDカードを含む、ボディーキャップを除く)あるので…。
軽いミラーレスの2倍はありますね。
言わずもなが、これにレンズをつけるとかなりの重量になってしまうのが分かるかと。
また、後継機が出ていないこともあり、価格があまり下がっていません。
3.写真データが大きい。あっという間にPC容量がパンクする
最後はデータです。
私の場合、作品数こそ少ないですがHDR合成をするため1作品につき露出を変えて9枚前後は撮影します。
そのため、一晩の撮影で結構な枚数になります。
さらに、高画素なので1枚あたりのファイルサイズが、RAWデータで60MBほどになる場合も…。
PCだけにストックしていくと、あっという間に容量オーバーになるので、外付けのHDD・SSDが必須です。
4.Fマウントである
Fマウントであること。これもD850のデメリットのひとつかもしれません。
現在、NikonはミラーレスであるZマウント製品の拡充に注力しており、従来型であるFマウントの新製品はほぼ見られなくなっています。
したがって、今後、最新設計のレンズをD850で使用できる機会は無いと思っておいた方がいいかもしれません。
どうしても最新設計の小型軽量&超高画質のZマウントレンズが必要であれば、素直にZシリーズを購入した方が無難でしょう。

ただし、中古市場にD850やFマウントレンズが出回ることで、機材一式を比較的安価に入手できる可能性がある、といえばある意味メリットにもなりえますね。
あとがき
ここまでご覧いただきありがとうございました。
夜景撮影におけるD850の素晴らしさ、いかがでしたでしょうか。
2017年の発売から5年以上が経ち「何を今更」感は否めませんが、その精彩かつ緻密、そして大胆なレタッチにも耐えうる超高画質は未だ一線級であると思います。
さて、ここまで色々お話ししてきましたが、最後にD850を「オススメできる人」「オススメできない人」について簡潔にまとめて、本記事の結びとさせていただきます。
D850をオススメできる人
- 本気で風景(夜景)写真が撮りたい人
- A3以上の写真用紙に印刷して楽しみたい人
- 思いっきり拡大してもなお緻密な細部の描写を楽しみたい人
- 現像時、画像データへ大きく負荷(露光量など)をかけることが多い人
- ある程度Fマウントレンズ(特にNikon公式おすすめレンズ)を持っている人
D850をオススメできない人
- 気軽&手軽にスナップ撮影を楽しみたい人
- 写真用紙に印刷したり、写真を大きくトリミングして使う予定はない人
- 細部の描写はそこまで気にしない人
- 基本jpg撮って出し(raw現像はしない)の人
- はじめてカメラとレンズを買う人
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