Canon EOS R3実写レビュー

『アジリティ(=agility)』。『敏捷性』『機敏さ』『素早さ』『軽快さ』などの意味を持つこの単語は、主にバスケットボールやサッカーなどスポーツの世界で、『あの選手はアジリティが高い』といった具合に、スピードに秀でたアスリートを形容する際に用いられる。

2021年11月27日に発売されたばかりのEOS R3は、まさに怪物級の『アジリティ』が搭載された、ミラーレス一眼カメラだ。最高約0.03秒のAF(オートフォーカス)性能と、最高約30コマ/秒の高速連写性能。バスケットボールのPG(ポイントガード)や、サッカーのFW(フォワード)など、『アジリティが高すぎる=速すぎる』が故に、これまで決定的瞬間を収めにくかったアスリートなど対動体における最新兵器といえる。

EOS R3の製造元・Canon(敬称略)はEOS R3はフラッグシップモデルではない。フラッグシップモデルは、『EOS-1D X Mark III』など数字の”1″を冠する『EOS-1シリーズ』だ」という旨のコメントを他のメディアで発表していたが、その性能は、2020年2月に発売されたプロ御用達の最新フラッグシップモデル・EOS-1D X Mark IIIと比較しても、決して引けを取らない。「2021年夏に開催された東京2020オリンピックの現場で、EOS R3で撮影していた海外のカメラマン・フォトグラファーがいた」という噂を(筆者が)耳にしたことからも、そのクオリティ・アジリティの高さが伺える。

プロフェッショナルのスポーツカメラマンが全幅の信頼を寄せる、EOS R3。本記事では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(敬称略)より、発売前のEOS R3を特別に提供いただき、ストリート(バスケット)ボールシーン最速と謳われるスピードの持ち主・YUKKEをモデルに起用して、アジリティ豊かなEOS R3の性能を、作例写真と共にお伝えする。

機材提供:Canon

※EOS R3を、EOS R5・EOS R6と比較した記事はコチラ↓

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Canon(キヤノン) EOS R3のスペック紹介!「R5」「R6」との比較アリ
Canon(キヤノン) EOS R3のスペック紹介!「R5」「R6」との比較アリミラーレス一眼カメラ『EOS R3』のご紹介です。優れている点やスペックなどを分かりやすく紹介。他モデルとの比較表も掲載しています。
目次

最高約0.03秒の、超高速オートフォーカス。

まず驚かされたのが、圧倒的なAFの速さだ。

一般的に、1枚の写真を撮影するには、【①ピントを合わせる】【②シャッターを切る】という、2つの作業が必要である。この①と②の間に発生するタイムロスを限りなくゼロに近づけたのが、EOS R3だ。【①ピントを合わせる】ためのオートフォーカス性能は、業界最速クラス。AF開始から合焦までにかかる時間は、わずか約0.03秒。

ピントが合った瞬間には、もうシャッターを押していたーー。バスケットボールのオフェンスが相手ディフェンスを一瞬で抜き去る瞬間など、瞬時に訪れたシャッターチャンスを逃さずモノにする、まさしく一撃必殺の仕様である。

被写体を自動追尾する、『トラッキング』。

【予め設定した測距点に被写体を合わせることで、ピントの合った写真が撮影できる】。この常識を覆したのが、『トラッキング』を実現した、EOS R3の新たなAFシステムだ。

『トラッキング』とは、いわゆる『自動追尾』のこと。新開発のAFシステムが搭載されたEOS R3は、一度被写体にピントを合わせたら、画面中心など(撮影者が自分で設定した)測距点を外れた状態でも、被写体を追尾し続けてくれる。つまり、トップスピードに乗ったドライブからのバスケットカウント(AND1)など「決定的瞬間・シャッターチャンスを捉えたのに、肝心の被写体が測距点から外れてしまって、顔がボヤけて使えない…」という(スポーツの現場で”あるある”な)事故の発生リスクを最小限に防ぐことが可能だ。

また、被写体の動きに合わせてシャッターを切ることができるため、構図の幅が広がり、今までにない作風・表現の作品を生み出せるだろう。

ピント合わせの選択肢が広がる、視線入力。

EOS R3には、最新フラッグシップ機・EOS-1D X Mark IIIや、新作ミラーレス一眼カメラ・EOS R5にはない機能が搭載されている。それが、『視線入力』機能だ。その名の通り、予め撮影者の視線データをキャリブレーション(カメラ本体に記憶・登録させること)することで、撮影者の視線に合わせてAFフレームを移動できる画期的な機能である。

尚、視線入力の精度は、異なる環境でキャリブレーションを重ねる毎に増していくそう。たとえば、周囲が明るい場所・暗い場所で撮ったり、カメラを横・縦でそれぞれ持ちながら撮ったり……。キャリブレーションを繰り返し、撮影回数を重ねていくほどに使い勝手が良くなる機能だという。

残念ながら、筆者は限られた時間内で視線入力機能を完全に使いこなすまで至らなかったが、バスケットボールのスクリーンやカットインなど急に画面へ入り込んできた新たな選手をフォーカスしたい場合など、オプションと機能としての用途は十二分にありそうだ。

高速で動く被写体にピントを合わせるための選択肢が、また一つ広がった。

1秒間に最大30枚の、高速連写性能。

EOS R3のセールスポイントは、AFだけではない。高速連写性能も、その1つだ。

新開発の35mmフルサイズ(約36.0×24.0mm)裏面照射積層CMOSセンサーを採用することにより、電子シャッター(ライブビュー撮影)時で最高約30コマ/秒、メカシャッター(ファインダー撮影)時で最高約12コマ/秒という驚異的な高速連写を実現。さらに、手ブレ補正機構が搭載されているため、一度ピントを合わせた被写体を、ブラさず・逃さず写真に収めることが可能になった。

たとえば、バスケットボールにおけるキャッチ&シュートのシーンであれば、上の写真(シャッタースピード:1/620秒)のように、リリースする瞬間を含めてシュートモーションを余すことなく撮影することができる。

EOS R3の作例写真

本項目では、実際にEOS R3で撮影した、バスケットボールゲーム(1on1、2on2)の作例写真を紹介する。

EOS R3のまとめ

画像出典:Canon

Canonから2021年11月27日に発売された、EOS R3。トラッキング・視線入力機能・最高約0.03秒の合焦速度など史上最高クラスのオートフォーカス性能と、高速連写性能を誇る、ミラーレス一眼カメラである。

加えて、視線入力機能と手ブレ補正機構も兼ね備えているEOS R3は、スポーツ・モータースポーツなど動体撮影にピッタリな、現時点(2021年11月末時点)における対動体最強カメラと呼んでも過言ではない。

筆者のようにスポーツシーンを主戦場とするカメラマン・フォトグラファーであれば、買って損はないアイテムと言えるだろう。スピード豊かなアスリートのシャッターチャンスを逃さない、”怪物級のアジリティ”を、存分にご堪能いただきたい。撮影本能むき出しでシャッターを切ることのできる一台だ。

EOS R3のスペック

商品名EOS R3
発売日2021年11月27日
タイプミラーレス一眼カメラ
マウントキヤノンRFマウント
センサーサイズフルサイズ
有効画素数最大約2410万画素
感度標準:ISO100~102400
連写性能ファインダー撮影時:最高約12コマ/秒
ライブビュー撮影時:最高約30コマ/秒
シャッタースピード1/8000~30秒
1/64000〜30秒
手ブレ補正機構搭載
AF測距点横・縦:100%
連続撮影枚数ファインダー撮影時:約620枚
モニター撮影時:約860枚
対応メモリーカードSDカード、CF Expressカード
動画記録性能6K(6000 x 3164)、60p
動画撮影可能時間常温(+23℃)合計約3時間10分
幅x高さx奥行き150.0×142.6×87.2 mm
重さ(バッテリー、メモリーカードを含む)約1,015 g
新品購入価格(2021年11月24日時点)748,000円(税込、キヤノンオンラインショップの場合)
その他視線入力、Wi-Fi、Bluetooth 5.0など

EOS R3を手に入れる方法

EOS R3は、キヤノンオンラインショップなどで購入することが可能です。キヤノンオンラインショップでは、748,000円(税込)で販売されています。

また、「EOS R3に興味はあるけど、過去にレンズの購入で失敗したことがあるから、いきなり買うのはちょっと怖い……」という方には、レンタルするという選択肢がオススメ。カメラ機材のレンタルサービス・GooPassでは、EOS R3を月額54,780円(税込)でレンタル可能です。興味のある方は下記のリンク(EOS R3の商品ページ)より会員登録後、「この機材を入れ替え放題レンタル」または「1Weekレンタル」をクリックしてください。

Model:YUKKE(ユッケ)

宮城県出身のバスケットボーラー。宮城県仙台市を拠点として活動するストリートボールクルー・S.H.U.SENDAIに所属。”ストリート最速”のスピードを活かした1on1は、プレイグラウンドを問わず多くのボーラーからリスペクトを集めている。1on1動画を中心としたYouTuberとしても活動しており、チャンネル登録数は7.33万人を誇る。

■Twitter:@sbheroes_yukke

■Instagram:@sbheroes_yukke

■ YouTube:ユッケ / YUSUKE FUJIMURA

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この記事を書いた人

『MARSH(マーシュ(=沼)』。2021年末にサイトローンチした写真とカメラのWebメディア。カメラ・写真沼の住人を満足させるべく、人気写真家による連載フォトコラム、第一線で活躍するフォトグラファーによる機材レビュー記事などを鋭意更新中。

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