【2020年12月22日更新!】鉄道(電車)を撮影する方法・コツを紹介します!

鉄道撮影は、とりわけ「撮り鉄」と呼ばれるカメラ愛好家の鉄道ファンから愛されている写真ジャンルです。撮り鉄の方々は、旅の目的としてローカル鉄道や廃線の駅舎、特徴的な橋などを撮影しますが、鉄道撮影は特別な写真を撮ることがすべてではありません。身近な路線や路面電車、旅行先などでも気軽に楽しむことができます。そこで、今回はこれから鉄道撮影を始める方に向けて「鉄道を撮影する際のコツ」を紹介したいと思います。

鉄道写真の代表的なジャンル

鉄道撮影と一口に言っても、写真のジャンルはさまざま。ここでは、代表的な4種類の鉄道写真について解説します。

形式写真・記録写真

形式写真は、駅に停まっている車両を撮影した写真です。ホームに停まっている車両がメインですが、一時的に停車するための「留置線」に停まっている車両を撮影することもあります。基本的に、写すのは列車全体ではなく先頭車両のみ。向かいのホームから撮影すれば、車輪まで写すことができます。停まっている車両を撮影するため、初心者の方でも気軽に鉄道撮影を始められるのでオススメです。また形式写真は、記録写真やカタログ写真とも言われており、作品としてよりも鉄道資料として利用されるのが特徴。同じ路線の車両でも形式や番台の違いがあるので、多くの鉄道ファンが比較用に撮影しています。

列車写真・構成写真・編成写真

列車写真は、走行している列車を撮影した写真です。構成写真や編成写真とも呼ばれており、先頭から最後尾までを1枚に収めます。列車の先頭を左右どちらかに配置し、列車全体を一直線に写した構図が一般的。線路脇から斜めの角度に向かって撮影します。三脚を立ててマニュアルフォーカスで撮影する場合もありますが、オートフォーカス性能が高いカメラを使用しているなら手持ち撮影でも問題ありません。動いている列車を写す基本になるので、これから鉄道撮影に挑戦する方は列車写真から練習すると良いでしょう。

鉄道風景写真

鉄道風景写真は、鉄道と風景を一緒に写した写真です。メインの被写体が車両だった形式写真や列車写真とは違い、前景や背景に風景を大きく写し込みます。桜や紅葉、降雪といった四季折々の自然風景はもちろんのこと、地方に多く存在する印象的な橋やトンネルも被写体の対象。1年を通して風情のある作品づくりができます。

鉄道イメージ写真

鉄道イメージ写真は、特定の形式がない写真です。鉄道の魅力を自由に写すので、鉄道に関連するものなら被写体はさまざま。真っ直ぐに伸びる線路、流れすぎる車窓風景、夕日に照らされた車両の一部を切り撮ったりと、カメラマンが魅力的に感じた光景を素直に表現できます。撮り鉄として撮影する鉄道写真というより、日常的なスナップ撮影の感覚で撮影できるジャンルと言えるでしょう。

鉄道写真のカメラアングル

鉄道撮影をする際に一般的な撮影アングルを3種類ご紹介します。撮影したい写真ジャンルによって、使い分けるようにしましょう。

アイレベル

アイレベルは、立った状態でファインダーを覗いたアングルです。自然にカメラを構えられるので、素早く撮影ができ、すぐに移動することができます。ホームから車両の記録用に撮影する形式写真に適したアングルです。

ローアングル

ローアングルは、低い位置から仰ぎ見るように撮影するアングルです。撮影者自身がしゃがんでファインダー撮影をするか、カメラを下げて背面液晶を見ながらライブビュー撮影をします。特徴は、アイレベルでの撮影より車両のダイナミックさが強調される点。線路より一段下がった場所から撮影すれば、より迫力のある1枚が撮影できます。

ハイアングル

ハイアングルは、橋や丘の上から見下ろすように撮影するアングルです。普段は見れない車両の屋根部分を写すことができます。ただし、真正面から写そうとすると架線が車両と被ってしまうので、少し斜めから撮影するなどの工夫が必要。また、SLを撮影する場合も煙がかかってしまうので、注意しましょう。

鉄道撮影の方法とコツ:置きピン

置きピン

置きピンは、マニュアルフォーカスで任意の位置にピントを合わせておき、そこを列車が通過したときに撮影する方法。三脚の使用が必須で、マニュアルフォーカスでのピント合わせや列車が通過した瞬間にシャッターを切る技術が必要です。近年のカメラでは、マニュアルフォーカス撮影をアシストする機能が搭載されているモデルがあるので、積極的に活用しましょう。

置きピンをするときのカメラ設定

置きピン撮影時のカメラ設定は、撮影したい列車のスピードや構図によって変わってきます。広角レンズでの鉄道風景写真や比較的スピードの遅い列車を撮る場合は、プログラムモードや絞り優先モードでも問題ないでしょう。望遠レンズでの列車写真やスピードの速い列車を撮る場合は、マニュアルモードやシャッタースピード優先モードを使用し、シャッタースピードを速くして撮影します。目安は、遅い列車なら1/250秒、新幹線のような速い列車なら最低でも1/500秒以上に設定しましょう。

置きピンのコツ

置きピンのコツは、ピント拡大機能やピントピーキング機能を使って、シャッターを切りたい位置の真下にある線路や枕木に確実にピントを合わせておくこと。そして、先頭車両がその位置に差し掛かった瞬間にシャッターを切る、もしくは少し手前から高速連写を開始することです。

鉄道撮影の方法とコツ:流し撮り

流し撮り

流し撮りは、背景のみが流れているように表現する方法です。シャッタースピードを遅くし、走り抜ける列車と同スピード・同方向にカメラを動かすことで、列車にピントが合ったまま背景を流すことができます。一般的には横方向に流しますが、ハイアングルから縦方向に流すことも可能です。

流し撮りをするときのカメラ設定

流し撮りをするときは、シャッタースピードを遅くしなくてはいけないので、シャッタースピード優先モードを使用しましょう。慣れてくれば、マニュアルモードでもかまいません。設定の目安は、1/125秒以下。遅くすればするほど、背景がよく流れます。また、高速連写に設定をして、カメラを流しながらシャッターを切り続けます。フォーカスの設定は、オートフォーカスでコンティニュアスAFやトラッキングAFに設定しましょう。横方向の流し撮りなら、マニュアルフォーカスにして線路などで事前にピント位置を合わせておく方法もあります。

流し撮りのコツ

流し撮りをする際は、まず場所選びが重要です。横方向に流す場合、高低差のない平坦な区間を選びましょう。高低差があると斜め方向にカメラを動かさないといけなくなるので、上下の手ブレが発生しやすくなります。縦方向かつ数車両を写したい場合は、カーブのない直線区間を選ぶとキレイに撮影可能です。そして、上手に流し撮りするコツは、腕でカメラを流さないこと。しっかりと脇を締めカメラを固定し腰を回すことで、上下ブレの少ない安定した撮影が可能です。15秒以下の超低速シャッターで撮りたい場合は、三脚を使うのもアリでしょう。

鉄道を撮影するカメラの選び方

動く被写体に対するオートフォーカス性能が高い

列車写真をオートフォーカスで撮影する場合、列車の前面にピントを合わせ続けるには、動く被写体に強い高い追従性能が重要です。基本的にオートフォーカスは、ハイエンドの最新モデルになるほど高性能。フォーカスユニットや像面位相差画素の技術が年々進化し、測距エリアが高密度に広く配置されています。そのため、早めに被写体を捕捉でき、余裕を持って意図した位置でシャッターを切ることができます。
マニュアルフォーカスで置きピンをしたり、真横から側面を撮影したり、鉄道風景写真で前景から背景までピントが合った「パンフォーカス」を撮影したりする場合は、特にオートフォーカス性能にこだわる必要はありません。

高速連写のコマ数が多い

動いている被写体は、基本的に高速連写で撮影します。特に手持ちで流し撮りをする場合は、構図のズレや手ブレなどによる失敗を少なくするためにも必須。先頭車両が画角に入ってきた際に、同じ速度でカメラを流しながらシャッターを切り続けます。必要なコマ数の目安は毎秒10コマ。中級機以上なら、メカニカルシャッターでも毎秒10コマを超えるモデルが多いので、その中から選ぶと良いでしょう。近年のカメラでは、電子シャッターに設定することで、毎秒20コマを超える超高速連写を可能にしているモデルも存在します。コマ数が多いほど失敗する確率が減るので、積極的に使用しましょう。
もちろん、エントリーモデルのような毎秒5コマほどの連写性能でも撮影はできます。しかし、コマ間にベストな構図から車両がズレる可能性があるので、本格的に鉄道写真を行なうなら、できる限り高速連写のコマ数が多いモデルを使用するようにするのがオススメです。

持ち運びの手段に合ったボディサイズ・重量

カメラの大きさや重さは、持ち運ぶ際の手段によって変わってきます。電車に乗って撮影スポットまで歩いて移動することが多い場合は、なるべく小型・軽量のモデルを選ぶのがオススメ。ただ荷物を小さくまとめられるだけでなく、混んでいても他の乗客に迷惑を掛ける心配もありません。望遠撮影撮影が多い方は、APS-Cセンサーより小さいセンサーサイズのモデルを選ぶのがオススメ。センサーサイズが小さいカメラは、ボディ・レンズともにコンパクトな上、レンズの焦点距離がフルサイズ機に装着したときに比べて伸びます。
車などで持ち運ぶことができる場合は、特に小型・軽量ボディにこだわる必要はありません。むしろ、縦位置構図では、縦位置グリップ一体型のフラグシップ機のほうが安定して撮影できます。

鉄道撮影レンズの選び方

高速・高精度なオートフォーカス性能の有無

置きピンでの撮影以外は、オートフォーカスで撮影するので、オートフォーカス性能の高いレンズを使用しましょう。素早くピントを合わせられれば、列車写真でも流し撮りでも、撮影に余裕が生まれます。また、奥から手前に走ってくる車両の前面を追従する能力も重要。高速連写時でも高い精度でピントを合わせ続けるレンズなら、構図のみに集中できます。

手ブレ補正機構に「流し撮り対応モード」がある

流し撮りを行なう際に、手ブレ補正機構に「流し撮り対応モード」があると非常に便利です。流し撮りは、レンズ自体が固定されていないと上手に写らないため、従来の手ブレ補正モードはオフにするのが普通でした。しかし「流し撮り対応モード」は上下方向にのみ動作し、横方向はレンズを固定してくれるので、上下方向の手ブレが圧倒的に少ない安定した撮影が可能です。

初心者は高倍率ズームレンズがオススメ

鉄道撮影に挑戦する初心者の方には、高倍率ズームレンズがオススメ。鉄道撮影は、慣れるまで車両との距離感がわかりづらいものです。そのため、200-500mmなどの高倍率ズームレンズを使用することで、幅広いシチュエーションに臨機応変な対応ができます。ホームなど近くから撮影する場合は、広角~望遠までカバーした高倍率ズームレンズを1本用意すれば便利。橋の上や柵の外など、遠くから撮影することがわかっているなら、望遠~超望遠までカバーした高倍率ズームレンズを使用するようにしましょう。

慣れてきたら単焦点レンズがオススメ

ある程度鉄道撮影の経験を積んで慣れてきたら、単焦点レンズで撮影するのもオススメです。列車は線路によって走るルートが決まっているので、焦点距離だけ適切に決められれば、置きピンでも流し撮りでも単焦点レンズで簡単に撮影できます。また、ズームレンズより明るいレンズが多いので、クリアでヌケの良い描写と美しいボケ味を活かした表現が楽しめます。ただし、大口径の望遠単焦点レンズは、400mmを超えてくるとハードケースに入れるほど巨大になる傾向があります。その際は、カメラと同様に車などの持ち運び手段があるか、歩いて持ち運びしなくてはならないかを考えた上でレンズを選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は「鉄道を撮影する際のコツ」を解説しました。鉄道撮影は、撮影スポットや列車のスピード、写真の種類によって、臨機応変にカメラの設定を変えなくてはなりません。始めは難しいと感じるかもしれませんが、諦めず何度も挑戦して慣れることが一番大事。ぜひこちらの記事を参考に、基本をおさらいして、納得のいく1枚を撮影できるようになってくださいね。