カメラを仕事にする方法 〜 写真家・髙木美佑の場合 〜【前編】

ルミネ横浜のリーフレットや、レディースアパレルブランド『kotohayokozawa』のルックブック、ミュージシャン・MOROHAのCDジャケットなど幅広いジャンルの撮影を担当されている写真家・髙木美佑さん。『装苑』2018年7月号では、石田真澄や小見山峻らと「次代の写真に向かう、12名の才能」に取り上げられた、将来を嘱望される若手写真家の1人です。2020年5月には、FASHIONSNAP.COMでフォトコラム【きっと誰も好きじゃない。】の連載がスタート。写真家・フォトグラファーの枠に収まらない、多彩な活動をされています。

 

今回のGooPass MAGAZINEでは、髙木さんに、カメラを始めた学生時代から、写真家として活動する現在までのキャリアをインタビューしました。写真家・フォトグラファーを目指している皆さんに、「写真家になる方法」の1つとしてシェアできれば幸いです。

※本インタビューは、2020年6月1日に、ビデオ通話ツール『Zoom』によって行われたものです。

2007年、都立農業高校写真部に入部。

ー本日は宜しくお願いします。髙木さんは、いつ頃からカメラを始められたんですか?

 

髙木:高校1年生の夏頃に、写真部へ入部してからです。今思えば、写真が割と身近にある世代だったと思います。私は今年で29になるんですけど、小学校低学年の頃にプリクラが結構流行ってて。プリクラ帳をつくったり、使い捨てカメラで撮ったL版の写真をポスカでデコったりして、友達と遊んでました。中学生に上がる頃には、皆ケータイを持ち始めて写メールを送り合っていましたし。

 

ーなるほど。写真部に入るキッカケは何だったんでしょうか。

 

髙木:高校の頃に『大人の科学マガジン』を購入したことがキッカケです。その号は付録でピンホールカメラが付いている号だったんですけど、ピンホールカメラで遊んでて「面白いな〜」と思った時に、ちょうど友達から写真部に入ろうよ!と誘われて、たまたま興味を持っているタイミングだったので入部しました。

 

ー確か、ちょっと特殊な高校に通われていたんですよね。

 

髙木:そうです。中学生の頃はパティシエになりたかったんですよ。食品の栄養などを勉強したくて、農業高校の食品科学科に通っていました。ただ、高校に入学してすぐ「作るより食べる方が好きだな…」と気付いてしまい(笑)、そのまま写真にハマっていっちゃったんです。初めて一眼レフを構えて持った時に、何ていうか…「これだな!すごいな!楽しいな!」って思ったんですよね(笑)。

 

ー高校生の頃はデジタルとフィルム、どちらを使われていたんですか?

 

髙木:フィルムです。学校にあった古いフィルムカメラを使わせてもらってました。何故か学校に暗室があって。モノクロだけだったんですけど、部費でフィルムや印画紙も自由に使えていました。しかも、写真部なのに、全然誰も活動してなくて(笑)。備品や設備を使ってるのは私くらいだったので、時間があるときは暗室でずっとプリントしていました。ちなみに、デジタルカメラを初めて購入したのは高校2年生の頃です。頑張ってバイトして貯めたお金で買いました。ただ、基本的にはフィルムが多かったですね。

 

ーいきなりフィルムカメラって、ハードルが高いようにも感じるのですが…?

 

髙木:私は逆にフィルムカメラからスタートして良かったと思っています。初めて使ったのが露出計やオート機能のない、マニュアルもマニュアルな、古いタイプのフィルムカメラだったんです。絞りやシャッタースピードを自分で設定する仕様だったので、イチから基礎知識を覚える必要があって。私が高校生だった当時は「写ガール」やトイカメラが流行っていて、初心者向けのムック本などが多く出ていたので、本を読みながら遊び感覚で学んでいた気がします。

 

ーなるほど。高校時代はどんな写真を撮られていたんですか?

 

髙木:毎日カメラを持ち歩いて、街中のスナップや友達などを撮っていました。撮りためた写真を学校の文化祭で展示したり、高校生の写真コンテストに応募したりしていました。

 

2010年、日本大学芸術学部写真学科に入学。

ー高校卒業後は、篠山紀信を輩出した、日本大学芸術学部写真学科に進学されます。高校生の頃から将来はカメラマンになるんだ、と決められていたんでしょうか。

 

髙木:明確に決めていたわけではないです。写真部に入って、「もっと写真の勉強がしたいな〜」と思って。と同時に、「大学も行きたいな〜」と思っていたので、「じゃあ、どの大学で写真の勉強ができるんだろう?」と考えて、日芸(日本大学芸術学部)に進みました。

 

ー日芸写真学科の入試では、どんな課題が出されるんですか?

 

髙木:日芸写真学科の受験方法は、AO入試・推薦入試・一般入試の3つがあるんですけど、私は推薦入試で入学しました。推薦入試の内容は、学校の内申点と、小論文と、ポートフォリオ…あと面接ですね。実技らしい実技はありませんでした。小論文の内容は年によって違います。たとえば「デジタル写真がもたらした影響について述べよ」だったり、「この(有名な写真家の)写真について評論しなさい」だったり…。

 

ーなるほど。写真部で撮った写真をポートフォリオにされたんですか?

 

髙木:そうですね。スナップ写真をプリントしてポートフォリオにしました。まさか推薦入試で入れると思わなかったので、(一般入試対策で)国語と英語を勉強しようと思って、新宿の予備校に通っていたんですよ。スナップ写真は、その予備校の行き帰りに新宿で撮影したものです。

2012年、第35回公募 写真新世紀  佳作を受賞。

ー日芸写真学科でのキャンパスライフはいかがでしたか?

 

髙木:日芸写真学科は、私には少し堅苦しい大学でした(笑)。もちろん、カメラ・撮影の基礎知識やプリント方法など、テクニカルな内容を学べたことは良かったと思っています。また、学校にあるプリンタや、暗室・スタジオは好きな時に使えましたね。

 

ー日芸写真学科では、どんな講義を受けられたんですか?

 

髙木:座学形式の講義もありますし、課題が出される実践形式の講義もあります。課題ごとにテーマが設定されてて、たとえば夏休みの課題だったら「夏の光」とか「キラキラ」とか「走れ!」とか。ざっくりとしたテーマになることもありますし、あとは自由テーマで5枚組や10枚組のような課題が出されることもありました。

 

ー大学の課題とは別に、作品の展示もされていたんですよね。

 

髙木:そうですね。やっぱり学生のうちって、「展示したい!」って想いが強い時期なので。友達とグループ展を企画して、作品づくりをしていました。高校生の頃は何も考えずにスナップを撮って楽しんでいたんですけど、作品のコンセプトや「自分の作りたいモノ」を意識し始めたのは、大学に入ってからですね。そうして出来た作品の1つが、『しょーもない私の10代が終わりました』でした。

 

ーその『しょーもない私の10代が終わりました』では、写真新世紀賞で佳作を受賞されます。いつ頃から「将来は写真に携わる仕事をしよう!」と思い始めたんですか?

 

髙木:写真新世紀で賞を取ったことは大きかったと思います。作品をつくったのは大学2年で、応募・受賞したのが大学3年だったんです。(当時の)大学生って、3年生の夏頃から就職活動が始まるじゃないですか。なので、その頃は「とにかく沢山コンペに出そう!」と思っていました。それで何も引っ掛からなかったら、真面目に就職しようと思ってたんですけど、たまたま賞をいただけたので。「写真の道で頑張ろう!」と思うキッカケになりました。

2014年、イイノスタジオに入社。

 

ー日芸写真学科卒業後はイイノスタジオに就職されます。日芸写真学科に通われる方々は、スタジオに進まれるのが一般的なんですか?

 

髙木:一概には言えませんが、一定数はいると思います。その他の進路は、広告代理店だったり、レタッチャーだったり、機材系の会社に行ったり…。全然関係ないアパレル業界に就職したりする子もいますよ。私が受験した頃は写真学科の倍率があまり高くなかったので、映画学科に落ちて写真学科に入学した子や、普通の大学に行きたくないという理由で写真学科に入学した子もいました。もちろん、写真がやりたくて写真学科に入学する子もいますけど、割とバラバラでしたね。それが面白かった部分でもあるんですけど。

 

ーなるほど。いくつか進路がある中で、スタジオに就職した決め手は何だったんでしょうか?

 

髙木:自分は天才ではないので、ちゃんと技術を学びたかったんです。若くて、知識やテクニックを知らなくても写真が上手な人って沢山いると思うんですけど、それは天才型のタイプだと思うんですよ。でも私は、そのタイプじゃないので。ちょっと遠回りになっちゃうかもしれないですけど、地道に勉強しようと思ってスタジオに進みました。

 

ーテクニカルな技術を学べる日芸写真学科でも、現場で必要な知識やスキルを完璧に身に付けられるわけではないんですね。

 

髙木:大学の講義と現場では、全然違いますね。東京工芸大学など他の大学はどうか分かりませんが。broncolor(ブロンカラー)やCOMET(コメット)はありましたけど、実際のプロの撮影現場でよく使われているProfoto(プロフォト)はなかったですし…現場では仕事の進め方が全然違いましたね。

 

ースタジオマン時代では、主にどんなジャンルの撮影に入っていたんですか?

 

髙木:完全に商業写真です。広告・雑誌ばかりでした。芸能人の方やモデルさんがスタジオに来て撮影する、いわゆる広告写真がメインですね。

 

ーレディースファッションブランド『kotohayokozawa』のルックブックも、スタジオ時代に手掛け始めたのでしょうか?

 

髙木:そうですね。最初に手掛けたのが2015年です。

 

ーどういう経緯で仕事をすることになったんですか?

 

髙木:山縣良和さんが運営する『ここのがっこう』というファッションデザインスクールの展示で、デザイナーの(横澤)琴葉ちゃんに出会ったことがキッカケですね。山縣良和さんは『writtenafterwards』っていうブランドも手掛けているんですけど。大学時代の先輩が、『writtenafterwards』のコレクションを撮影してて、見学させてもらいに行ったことがあって。展示で山縣良和さんに挨拶した時に、同世代で面白い子がいるから紹介するよ!と紹介してもらったのが、当時『ここのがっこう』に通っていた琴葉ちゃんだったんです。

 

ーなんというか、運命的な出会いですね(笑)。

 

琴葉ちゃんも私の昔のインタビュー記事を読んで、私のことを知ってくれていたみたいで。あ、知ってる〜!みたいな流れで知り合いました(笑)。kotohayokozawaはファーストコレクションを担当させてもらってから、最近もECサイト用の撮影などをしています。

 

 

(後編に続く)

 

髙木 美佑(たかき・みゆ)

1991年生まれ 東京都在住

2014年 日本大学芸術学部写真学科卒業

2014年 イイノスタジオ勤務

2017年 英語留学のため渡比、渡豪

2019年 帰国

■OFFICIAL WEB SITE:https://www.takakimiyu.com/

■Twitter:@2h35m

■Instagram:@miyu.takaki

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GooPassは完全定額制のカメラレンタルサービスです。機材ごとにRankが設定されており、同Rank以下の機材であれば何度でも交換することができます。

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