フルサイズミラーレスカメラαシリーズという、従来の常識を打ち破った革新的なカメラを打ち出し、ミラーレス市場の最先端を走っているメーカー「SONY」。レンズにおいても、自社レンズに加え、老舗レンズメーカー「Carl Zeiss」と共同開発を行ったブランドを展開しており、コアなカメラファンから熱狂的な支持を集めているブランドです。今回は、SONYの広角ズームレンズを紹介します。
目次
広角レンズはこんな人にオススメ
キットレンズから撮影の幅を広げたい人
初めてカメラを購入した際に、レンズキットを選んだ人は多いはず。ただし、キットレンズは標準ズームレンズのみ、もしくは標準ズームレンズ+望遠ズームレンズが一般的で、広角レンズは付いていません。2本目のレンズに単焦点レンズを追加するか、広角レンズを追加するかという点で悩む方が多いと思いますが、単純に撮影できる画角が広がるという点で、広角レンズは非常にオススメです。特に風景や星景撮影をメインにしていたり、旅先での寺社仏閣撮影が好きな場合、標準ズームレンズよりも使用機会が多くなるでしょう。
室内撮影をしたい人
広角レンズは、大きいものを撮影するだけでなく、狭い場所での撮影にも実力を発揮します。例えば室内など後ろに下がれない場所で全体を撮影したい場合は、広角レンズが必須。四隅が引き伸ばされたように写る特徴があるため、室内が見た目より広く写ることから、不動産業者の室内写真にも用いられています。また、限られた空間でテーブルフォトを撮影したい場合にも有効です。
遠近感を強調して、ダイナミックな撮影がしたい人
広角レンズは、ただ広く撮影できるだけでなく、魅力的な特徴を持っています。それが、遠近感の強調です。レンズは、望遠になるにつれて、被写体間の距離感を縮める「圧縮効果」が働きます。レンズキットで付いてくる標準ズームレンズは、中望遠までの焦点距離をカバーしているものがほとんどのため、圧縮効果は最初から楽しめますが、遠近感を強調できる特性は、広角レンズならでは。被写体そのものの見た目よりデフォルメされた、ダイナミックな表現をしたい方にオススメです。
SONYのオススメ広角ズームレンズ6選
ここからはGooPassがオススメする、SONYの広角レンズをご紹介していきます。
SONY FE 12-24mm F4 G SEL1224G
広角ズームレンズの常識を覆した広角ズームレンズ。
FE 12-24mm F4 Gは、広角ズームレンズの常識を覆したレンズです。一般的に、前玉が巨大で重く、カメラに装着すると前のめりにバランスを崩しやすい広角ズームレンズ。しかし、こちらのレンズは、コンパクトなサイズで、競合レンズとは比にならない質量の軽さを実現しています。
まず光学設計を新規に行ない、鏡筒長の短縮化に成功。全長は117.4mmで、フルサイズの薄型ミラーレスであるαシリーズに装着しても、大きくバランスを崩すことはありません。そして何と言っても注目すべきは、広角ズームレンズではありえなかった質量565gという圧倒的な軽さ。この質量は、FE 12-24mm F4 Gの発売当時に競合レンズであったCanon EF11-24mm F4L USMの1180gの、約半分しかありません。競合レンズにあたるNikon NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(質量485g)と比較すると重く感じるかもしれませんが、広角側で2mm(8°分の画角)の差があることを考慮すると、このレンズがどれほど革新的かがおわかりいただけると思います。
レンズ構成は、歪曲収差を抑制する非球面レンズを4枚、色収差を抑制するED(特殊低分散)ガラスを3枚、更にゴーストやフレアを抑えるソニー独自のコーティング技術「ナノARコーティング」を施してあり、シャープでクリアな描写が楽しめます。実用面では、ダイレクトドライブSSM搭載による高精度、かつ高速のAFによって、ストレスのない撮影が可能。また、フォーカスホールドボタンに「グリッドライン」機能を割り当てれば、風景写真撮影時に構図を確認しながら撮影できます。もちろん防塵防滴仕様で、ハードな環境下の撮影が可能です。APS-Cセンサーのαシリーズに装着した際は、35mm版換算で焦点距離が約18-36mmとなるので、サブ機用の広角レンズとしても、十分使用できます。「広角ズームレンズは大きく、重い」という常識を覆した、このレンズ。非常にオススメです。
製品名 | SONY FE 12-24mm F4 G SEL1224G |
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マウント | Eマウント |
センサーサイズ | フルサイズ |
焦点距離 | 12-24mm |
F値 | F4 |
■購入する場合は、190,750円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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SONY FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM
ボケの美しさを追求した、GM広角ズームレンズ。
FE 16-35mm F2.8 GMは、SONY独自の技術によって、美しいボケ味を実現した広角ズームレンズです。このレンズには、元々SONYのブランドとしてあった「Gレンズ」ではなく、従来より更に解像度とボケを高い次元で両立させた「G Masterレンズ」の名が冠してあります。
レンズ構成では、非球面レンズの表面を0.01ミクロン単位の高精度で管理した「超高度非球面XAレンズ」を2枚採用。1枚は前玉のαレンズ史上最大径XAレンズで、もう1枚は絞りの傍に配置されています。これにより、非球面レンズで出やすい輪線ぼけ(点光源ボケの内側に発生する年輪のようなボケ)を大幅に低減。その他に非球面レンズを3枚、ED(特殊低分散)ガラスを2枚配置し、収差を効果的に抑制しています。ゴーストやフレアを抑えるナノARコーティングと、防汚性の高いフッ素コーティングが施されていることは、言うまでもありません。
このレンズで一番注目すべきポイントは、絞り羽の枚数が11枚もあること。他メーカーの競合レンズの絞り羽は多くても9枚で、いずれにせよ円形絞りではあります。しかし、そこから2枚の絞り羽を追加することに加え、先述したXAレンズの採用による輪線ボケの低減で、円形ボケの美しさに磨きがかかりました。機能のカスタマイズが可能なフォーカスホールドボタンによる実用性の高さや、防塵防滴による安心感も嬉しいポイント。焦点距離16-35mmという風景からスナップまで対応できるズーム域と、F2.8通しによる美しいボケによって、常用レンズにもなりえる実力を持つ広角ズームレンズです。
製品名 | SONY FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM |
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マウント | Eマウント |
センサーサイズ | フルサイズ |
焦点距離 | 16-35mm |
F値 | F2.8 |
■購入する場合は、227,790円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS SEL1635Z
老舗レンズメーカーとコラボした、高性能レンズ。
Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSは、レンズメーカーの老舗「Carl Zeiss」とSONYが共同開発した広角ズームレンズです。今では当たり前となったレンズの透過率を上げるレンズコーティング技術が、元々はZeissの特許だったことは、皆さん御存知でしょうか。このレンズには、Zeiss独自の「T*コーティング」が施されています。 「T*」 とは、単にコーティングしているというだけでなく、光学系全体の性能が基準を満している場合のみ記載される、高い性能の証。そこに、ソニー独自の高度非球面AAレンズ1枚を含む非球面レンズ5枚、EDガラス3枚を採用することによって、諸収差を抑制しつつ、高い描写を実現しています。
同じ焦点距離をもつFE 16-35mm F2.8 GMと比較した場合、Vario-Tessar 16-35mmのメリットはコンパクトで軽量な点。全長は約23mm短い98.5mm、質量は約160g軽い518gで、取り回しの良さはこちらのレンズに軍配が上がります。フォーカスホールドボタンはついていませんが、使用しないユーザーには問題ないでしょう。またZeissレンズは、外装が高級感のある金属製。所有欲を満たしてくれるというのも、評価が高いポイントです。かつてフィルムカメラ全盛期に「情感まで写し出す」と言われたCarl Zeissの技術と、最先端のカメラ技術を持つSONYの技術が融合した実用性の高い一本を、ぜひ手に取ってみてください。
製品名 | SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS SEL1635Z |
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マウント | Eマウント |
センサーサイズ | フルサイズ |
焦点距離 | 16-35mm |
F値 | F4 |
■購入する場合は、132,924円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018
ミラーレスカメラの高い機動力を最大限に活かせる広角レンズ。
E 10-18mm F4 OSSは、APS-Cフォーマットのαシリーズ用Eマウント広角ズームレンズです。全長63.5mm、質量225gというコンパクトさでα5000,6000シリーズに装着した際のバランス感は良好。また、小ぶりなレンズながら光学式手ブレ補正を内蔵しており、最大撮影倍率0.1と相まって、風景撮影のみならず、テーブルフォトといったシーンでも活躍します。
GレンズやZeissといったブランドが冠されていないレンズながら、光沢のある外装で高級感があります。ズームリング、フォーカスリングはスムーズに動作し、使用上のストレスは感じません。レンズ構成に非球面レンズ3枚、スーパーEDガラスを使用し、諸収差を効果的に抑制していますので、キレのある描写を楽しめます。35mm判換算で焦点距離15~27mmをカバーしており、ミラーレスカメラのコンパクトさ、高い機動力を最大限に活かした撮影がしたい方にオススメの一本です。
製品名 | SONY E 10-18mm F4 OSS SEL1018 |
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マウント | Eマウント |
センサーサイズ | APS-C |
焦点距離 | 10-18mm |
F値 | F4 |
■購入する場合は、70,092円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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SONY Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM II SAL1635Z2
前作よりAFの動体追尾性能が向上。
Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM IIは、レンズメーカーの老舗「Carl Zeiss」とSONYが共同開発したAマウント用広角ズームレンズです。マウントアダプターを介せば、Eマウントのカメラでも使用可能になります。このレンズの注目すべき点は、前作よりAF性能の向上です。超音波モーターSSMとインターナルフォーカシングで、高速さと静音性の両立を図り、更にレンズ処理のマイコンを高速化。これにより前作Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSMより、約4倍の動体追尾性能を実現しました。 街中で出くわした猫やペットとして飼っている犬など、素早く動く被写体を撮影する際に、高い効果を発揮します。
レンズ構成では、像面歪曲を抑える非球面レンズを3枚、色収差を抑えるスーパーEDガラス1枚とEDガラス1枚を使用。またZeiss独自のT*コーティングを施すことによって、フレアやゴーストを抑えた、クリアでキレのある描写を実現しています。全長114mm、 質量872gで、今回紹介するレンズの中では重量級ですが、Aマウントαシリーズのカメラと合わせた際の前後バランスは、競合する広角ズームレンズと比べて平均的と言えるでしょう。防塵防滴仕様でハードな環境にも耐えることが可能。16-35mmという使いやすい焦点距離、ズーム全域で美しいボケ感が楽しめるF2.8通しの絞り値も汎用性が高く、常用としてオススメしたいレンズです。
製品名 | SONY Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM II SAL1635Z2 |
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マウント | Aマウント |
センサーサイズ | フルサイズ |
焦点距離 | 16-35mm |
F値 | F2.8 |
■購入する場合は、229,630円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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SONY DT 11-18mm F4.5-5.6 SAL1118
キットレンズに気軽に追加できる広角レンズ。
DT 11-18mm F4.5-5.6は、APS-CフォーマットのAマウントカメラに装着できる広角ズームレンズです。35mm判換算で焦点距離16.5~27mmをカバーしています。DTレンズは、APS-Cフォーマットの撮像素子に適した焦点距離や画角を実現するために設計され、イメージサークルの小径化や光学設計を最適化することによって、レンズ自体のコンパクトさを実現。全長80.5mm、質量360gで、非常に持ち出しやすいサイズ感に収まっています。
GレンズやZeissレンズと比べると、当然スペック的には劣りますが、非球面レンズとEDガラスの採用により諸収差を抑制。歪曲はカメラやソフトウェアで修正可能なレベルで、色乗り・コンストラスとも良好です。安価なので、2本目のレンズを検討している方にもオススメの広角レンズといえます。
※α900に装着した場合、カメラ本来のAE性能を満たせないため、性能保障していません。
製品名 | SONY DT 11-18mm F4.5-5.6 SAL1118 |
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マウント | Aマウント |
センサーサイズ | APS-C |
焦点距離 | 11-18mm |
F値 | F4.5-5.6 |
■購入する場合は、51,021円(税込)(2020/12/1現在 カカクコム調べ)となっているようです。
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今すぐレンタルできるSONYの広角ズームレンズ
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まとめ
SONYは競合他社と比べ、自社レンズ+Zeissとの共同開発レンズという、ユニークなブランド展開をしています。似たようなスペックのレンズであっても、違うキャラクターのレンズが揃えられているのは、選択肢に幅が出て嬉しいポイントですね。高性能でありながら、コンパクトさを追求しているSONYの最先端技術が詰まった広角レンズ。ぜひお気に入りの一本を見つけてください。