GooPassのある生活 〜自己肯定感低めな女子大学生の場合〜/中戸 奈津美

▲焦点距離:50mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/1000 ISO感度:250

ある時、カメラの楽しさを忘れた

透き通るような蒼穹をパシャリ。茜と藍に染められた黄昏をまたパシャリ。物心のついた時から、二度とない美しい瞬間を見出す空を撮影することが大好きだった。そんな私は何の迷いもなく、フォトグラフィ実習を受講することを決めた。私にとっては夢のような講義。しかし、喜びも束の間、思いがけない壁にぶつかってしまう。

自分だけの独特な世界観を表現していく他の受講生の皆と比べて、自分の無個性な写真に嫌気がさした。カメラが好きすぎるが故に、上手く表現できるようになりたい気持ちが溢れ出した結果だ。そんな時、思案に暮れる私に光を差したのが「GooPassのある世界」だった。

ダンボール?いいえ、宝箱でした

ダンボールが2箱届いた。締め切り間近の課題に取り組んでいる最中だったが(人生の夏休みと言われている大学生活も結構忙しいんです…)、そっちのけにしてダンボールに飛びつき、瞬間的に開封作業を行った。それはダンボールではなく、もはや「宝箱」だった。雲の上の存在だと思っていた機材たちが目の前にいる。通常であれば、大学生が到底手にすることのできないものだ。オーラが半端ない。

オーラといえば講義で「アウラの消失」って習ったなあ。なんて思いつつ、実際に手にしてみると、高級機材をこれから扱うのだという期待と不安と重圧が私に一気にのしかかる。さらに、「借りているもの」という強い意識が私にプレッシャーをかける。アウラ、消失していませんよベンヤミンさん。サブスクなのにアウラはむしろ濃く増していますよ(異論は認めます)。

そんなわけで、思い種を抱えながらも「人生で一番シャッターを切る1ヵ月にしよう」と自分に誓ったのであった。

心、浮き立たせられ

私がお借りした機材は「α7C ILCE-7C ボディ」と「FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM」。スポーツテストで最下位をとったことがあるほどの体力のなさと風景写真ヲタク成分の掛け合わせでできている私にとって、この組み合わせは最強だった。α7Cは世界最小・最軽量フルサイズミラーレス一眼カメラ(2021年6月時点)。筋力皆無の私を救う救世主である。軽さこそ正義!!

期間を設けてカメラをレンタルすることで、自分とカメラの性質が合うかどうかを確かめられる。いわば、GooPassはカメラとの相性診断を行ってくれる特異な存在だ。言うまでもなく、私とα7Cの相性度は100%だった。

▲焦点距離 : 32mm 絞り : F/4.0 シャッタースピード : 1/2000秒 ISO感度:100

黎明を告げる

カメラをお借りしている時期の私の日課をご紹介しよう。

朝起きてまずは空の様子を確認。日中も「かわいい雲はいないかな~」と何度も空を見上げる。限られた期間で良いものを表現したい一心で続けていたこの行動は、カメラを返却した今でも日課として続いている。

雲に水やりをしてみたり、空を吸い込んでみたり…。シャッターを切る瞬間だけ空と触れ合う、非日常の遊びはとても楽しい。

▲焦点距離 : 32mm 絞り : F/10 シャッタースピード : 1/400秒 ISO感度:100

いつの間にか、私はα7Cに心を開いていた。最初に感じていた重圧は、シャッターを切るたびに取り除かれていったのである。気がつくと、相棒のような存在へと変化していた。

▲焦点距離 : 16mm 絞り : F/4.0 シャッタースピード : 1/160秒 ISO感度:100

そして、写真の楽しさを忘れてしまっていた薄暗い心に、曙光を差し込んでくれた。良い写真とか悪い写真とか、そんなこと関係ないのだ。ただ撮影することの楽しさを、自分の撮りたいものを撮ることにこそ意味があることを、思い出させてくれたのがGooPassだった。深い夜のような私の人生に太陽が昇り始めている。

▲焦点距離 : 16mm 絞り : F/10 シャッタースピード : 1/320秒 ISO感度:100

不運さえも幸運に

返却まであと1週間。それなのに、天気予報は雨マークしか並んでいない。風景写真家(仮)にとってこれはかなりキツイ…でも、α7Cと過ごせる時間はあと少ししかない。だから、諦めずに雨の日撮影に行くことを決めた。

GooPassのある世界に出会う前の私なら、確実に撮影を先延ばしにしていただろう。雨の日だって、その時にしか写せない美しさがあり、それを切り取る楽しさがある。

マイナスの状況下でさえも、美しさを見出せる可能性。

▲焦点距離 : 16mm 絞り : F/2.8 シャッタースピード : 1/250秒 ISO感度:250

雨の日続きは不運だと思っていたけど、実は幸運だったのかもしれない。新しい感性を知ることができたのだから。自己肯定感低めな女子大学生にそう思わせてしまうα7Cの力、恐るべし…

▲焦点距離 : 16mm 絞り : F/2.8 シャッタースピード : 1/150秒 ISO感度:100

再会の心誓文を立て

GooPassのある世界に出会えたおかげで、α7Cで撮影する喜びを知り、命の洗濯をすることができた。雲の上の存在だと思っていた機材を実際に手に取り体験できる、貴重な経験。思い返せば、外出する時はいつも一緒だった。こんなにもかけがえのない時間を過ごしたのだ。愛着を持たずにはいられなかった。もう当分会えない大切な友達とバイバイするあの感覚と似ている。「またいつか絶対に会いたい」。そう思った。

▲焦点距離 : 26mm 絞り : F/2.8 シャッタースピード : 1/60秒 ISO感度:2000

カメラレンタルサービスを超えるツール、GooPass

1ヵ月のGooPass生活は、自分を肯定し、受け入れるきっかけを与えてくれた。GooPassは、単にカメラレンタルをしているだけではない。所有しないからこそ、期限があるからこそ、手に取った人の考え方を変えるきっかけを与えてくれる、想像以上の力を持っているツールだ。これは、体感した人だけしか感じることのできないものである。

 

GooPassのある世界に出会わなければ、私は撮影する楽しさを忘れたままだったかもしれない。懊悩している私に手を差し伸べてくれたGooPassは、未来をつくる輪廻なのだろう。

 

円環のサービスが、写真を撮影できる喜びを未来に伝えてくれる。

“撮る楽しさ”がどこまでも続いていきますように。

▲焦点距離 : 16mm 絞り : F/20 シャッタースピード : 1/320秒 ISO感度:100

著者プロフィール

中戸 奈津美(なかと・なつみ)

写真部所属。大学1年目がフルオンラインで始まったリモート授業第一世代だが、それはそれとして充実した大学生活を送っている。どうぶつの森に出てきそうな見た目。いつもあきらかに笑顔。ふわふわしてると言われることが多いが、実はゴリゴリのロックバンド好き。やると決めたら何事も全力でやる熱い人間。赤よりも熱い、青い炎を目指している。

■Instagram:@08tmx

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。