カメラ機材に関するニュースなどで見かける、「レンズ交換式デジタルカメラ」という単語。馴染みのない方も多いのではないでしょうか。今回のGooPass MAGAZINEでは、カメラ業界の知識向上を目的に、レンズ交換式デジタルカメラと、そのシェアについて説明したいと思います。
目次
レンズ交換式デジタルカメラとは?
レンズ交換式デジタルカメラを一言で表すなら、カメラ本体(ボディ)にレンズを装着できるデジタルカメラ。具体的には、デジタル一眼レフカメラと、ミラーレス一眼カメラを合わせた総称を、レンズ交換式デジタルカメラと呼びます。コンパクトデジタルカメラ(通称:コンデジ)のように、カメラ本体にレンズが内蔵されているデジタルカメラは、レンズ交換式デジタルカメラに含まれないのでご注意ください。
レンズ交換式デジタルカメラの市場動向は?
※出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)
高画質な写真が撮影できるカメラが内蔵されたスマートフォンの台頭などを理由に、レンズ交換式デジタルカメラの出荷台数は減少しています。また、それに伴ってレンズ式市場規模も、年々縮小しているのが現状です。出荷台数の内訳を見ると、ミラーレス一眼カメラ・一眼レフカメラ共に前年比を下回っていますが、ミラーレスカメラが前年比95.6%であるのに対して、一眼レフカメラは前年比68.0にまで落ち込んでいます。一眼レフカメラからミラーレス一眼カメラへの移行は今後も顕著に表れるでしょう。
レンズ交換式デジタルカメラのシェアは?
PCや家電製品の販売台数・販売金額などをリサーチしてランキング形式で発表している「BCN AWARD」。BCN AWARD2020によると、交換式デジタルカメラにおける各メーカーのシェア(順位)は以下の通りでした。
デジタルカメラ(一眼レフ)部門)
1位…Canon(シェア:56.3%)
2位…Nikon(シェア:41.1%)
3位…RICOH(シェア:2.4%)
一眼レフカメラ部門では、CanonとNikonの2強が全体の約97%を占めています。3位には「PENTAX」で知られるRICOHがランクイン。
デジタルカメラ(ミラーレス一眼)部門
1位…Canon(シェア:30.9%)
2位…SONY(シェア:25.9%)
3位…OLYMPUS(シェア:23.4%)
一方ミラーレス部門では、上位3社が凌ぎを削っています。1位のCanonは、一眼レフ部門に続き2冠を受賞。文句なしのレンズ交換式デジタルカメラのシェアNo.1に輝きました。3位のOLYMPUSは、先日カメラ事業の撤退が発表されたばかり。今後の動向に注目が集まります。
レンズ交換式デジタルカメラ売上ランキング(2020年5月)
メーカー別シェアを紹介したところで、次は2020年5月のレンズ交換式デジタルカメラの売上ランキング(BCN調べ)を紹介します。上位10モデル中5台をCanonが占めていることからも、Canonのシェアの高さが伺えます。また、ミラーレス一眼カメラがランキングの大半を占めている点にも注目。一眼レフカメラからミラーレス一眼カメラに乗り換える方だけでなく、最初の一台にミラーレス一眼カメラを選ぶユーザーが増えているのかもしれません。
順位 | 製品名 | メーカー | 発売年月 | |
1位 | D5600 ダブルズームキット | Nikon | 2016年11月 | |
2位 | EOS Kiss X9i ダブルズームキット | Canon | 2017年4月 | |
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OM-D E-M10 Mark III EZダブルズームキット シルバー | OLYMPUS | 2017年9月 | |
4位 | EOS Kiss M ダブルズームキット ブラック | Canon | 2018年3月 | |
5位 | EOS Kiss M ダブルズームキット ホワイト | Canon | 2018年3月 | |
6位 | PEN E-PL9 EZ ダブルズームキット ホワイト | OLYMPUS | 2018年3月 | |
7位 | α6400 ダブルズームレンズキット ブラック | SONY | 2019年2月 | |
8位 | OM-D E-M10 Mark III EZダブルズームキット ブラック | OLYMPUS | 2017年9月 | |
9位 | EOS Kiss X10 ダブルズームキット ブラック | Canon | 2019年4月 | |
10位 | D3500 ダブルズームキット | Nikon | 2018年9月 |
デジタル一眼カメラ月間売れ筋ランキング 集計期間:2020年05月01日~05月31日
まとめ
ここまでお伝えした通り、現時点におけるレンズ交換式デジタルカメラのシェアは、一眼レフ・ミラーレス共にCanonがトップを走っています。一眼レフカメラのシェアはNikon、ミラーレス一眼カメラではSONYがそれぞれ健闘しています。とはいえ、どちらの市場も生産量が減少しているため、しばらくの間はCanonの天下が続くのではないでしょうか。今後のカメラメーカー各社の動きに、今後も注目していきたいと思います。