一眼レフのフラッシュ機能、使いこなせていますか?
「デジカメやスマホのフラッシュ機能と同じように、暗い場所で使えば良いだけでしょ?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そもそも一眼レフは、暗い場所でもきちんと設定をすれば、フラッシュがなくても光を十分に取り込んで綺麗に撮影できます。
そのため、ある程度の暗さならフラッシュ機能を必要としないケースが多いんです。
特に内臓フラッシュは、被写体に強い光を当ててしまうので不自然な印象になってしまうことも。
実際に、一眼レフ上級者ほど内臓フラッシュを使わないと言います。
ではそうなると、フラッシュが必要になるのは、一体どのような場面なのでしょうか。
今回は、一眼レフのフラッシュのメリット・デメリットと、フラッシュを使いこなすためのコツをご紹介します。
目次
フラッシュを使うメリット
カメラのテクニック本でも「あまり使わない方が良い」と言われる内臓フラッシュですが、悪いことばかりではありません。
ここでは、フラッシュを使うメリットをご紹介します。
手ブレせずに撮影できる
暗い場所で明るく撮影しようとすると、シャッタースピードを長くして光をたくさん取り込む必要があります。
シャッタースピードを長くすると起きる問題が、手ブレです。
手ブレしないシャッタースピードの目安は「1/焦点距離」秒と言われています。
例えば、焦点距離が50ミリの一眼レフを使用した場合は、手ブレしないシャッタースピードは「1/50」秒。これより少し早めの1/80~1/125に設定しておくことで、手ブレのリスクを一気に軽減できます。
しかし暗い場所での撮影だと、目安のシャッタースピードではどうしても十分な光を取り込めないこともありますよね。
そこでフラッシュを使って明るさを補うことで、シャッタースピードを手ブレしないように短く設定できます。
動きの速い被写体でも、フラッシュを使えばシャッタスピードを高速化してブレずに撮影できるのです。
逆光でも明るく写せる
フラッシュは、暗い場所を明るくするためではなく、逆光の屋外撮影でも活躍します。
苦手意識を持つ方も多い、逆光での撮影。
被写体が影となり暗くなるので、人物の顔がハッキリ分からなくなったり、背景が明るくなりすぎたり、様々な問題が起きます。
そんなときにできる簡単な解決方法が、フラッシュで光を補うことです。
逆光でも、被写体に光を当てることで明るく際立たせてくれます。
日中の屋外でフラッシュを使うテクニックは、「日中シンクロ」と呼ばれます。
暗い場所で使うと不自然な光になりやすいフラッシュも、明るい屋外ではそこまで目立ちません。
ノスタルジックな雰囲気になる
一昔前に大流行した「写ルンです」が、ここ数年で再び注目を集めています。
人気の秘密は、どこか懐かしい雰囲気の、独特な写真になること。
「写ルンです」は、フラッシュの有無を手動で設定できません。
不便なところでもあるのですが、フラッシュがあるからこそあの独特な雰囲気を表現できるのです。
一眼レフの内臓フラッシュを使うことで、「写ルンです」と同じようなノスタルジックな雰囲気を表現できます。
なんてことない室内のポートレートも、フラッシュを使って撮影することで一気に「エモい」写真になります。
内臓フラッシュ独特な強い光の不自然さをあえて活かして、表現の幅を広げてみましょう。
フラッシュを使うデメリット
内臓フラッシュは悪いことばかりではないと分かりましたが、ではどういった点から「使わない方が良い」と言われてしまうのでしょうか。
ここではフラッシュを使うデメリットをご紹介します。
強制的に発光するため、被写体が強調されて不自然になる
フラッシュを使うと、強制的に発光して被写体を強い光で照らしてしまいます。
ふんわり包み込むような太陽光と違い、被写体が強調されてなんだか不自然な印象になってしまうのです。
手前にいる被写体に光が届いても、背景には光が届かないことも。
被写体の後ろが非常に暗く陰になってしまい、なんだかどんよりした雰囲気の写真になってしまいます。
真正面からしか光を当てられない
通常、太陽光は空から降り注ぎ、上方向から被写体全体を照らしてくれます。
そのため影は下方向にでき、不自然に目立つことはありません。
しかし、内臓フラッシュは真正面からしか光を当てられません。
さらにレンズとフラッシュ発光部の位置が異なるため、不自然な影が発生してしまいがち。
背後に真っ黒な影がクッキリ写ったり人物の顔がまるでホラーのようになってしまったりすることがあります。
被写体と背景の壁との距離をなるべく離すことである程度軽減されますが、明るい環境でフラッシュ無しで撮った写真には劣るでしょう。
光が弱い
内臓フラッシュは、肉眼で見ると強い光に思えますが、太陽光に比べるとかなり弱い光です。
そのため内臓フラッシュで照らして撮影すると、太陽光と比べたときに本来の自然な質感が失われてしまいます。
どことなく人工的なイメージになってしまい、目で見たものをそのまま表現するのは難しいです。
外付けフラッシュだと光の量を調整できるので、内臓フラッシュに比べるとある程度使い勝手が良くなります。
人の目が赤目になる
フラッシュを使った人物撮影で起こりがちな問題が、人の目の瞳孔が赤く染まり、赤目に写ってしまうことです。
これは、フラッシュの光が開いた瞳孔を通して目に入り、網膜の血の色を反射するから。
赤目を防ぐにはフラッシュを使わないのが一番ですが、どうしても暗くてフラッシュが必要な場合は、被写体の視線をレンズからずらしてもらいましょう。
撮影者の胸や肩あたりを見るよう指示することで、真正面から目に入るフラッシュの光を軽減し、赤目になりづらくなります。
カメラによっては「赤目軽減モード」が付いているものもあるので、そういった機能を活用するのも良いでしょう。
一度強く光って瞳孔を小さくしてから撮影するので、赤目を軽減できます。
フラッシュを使いこなすポイント
光を補ってくれるけれど、影になったり赤目になったりと少し難しい点もあるフラッシュ。では、上手に使いこなすにはどうしたら良いのでしょうか。
ここではフラッシュを使いこなすポイントについてご紹介します。
バウンスさせる
フラッシュを使いこなすための基本テクニック、バウンス。
バウンスとは反射という意味で、天井や壁に光を反射させて被写体に当てることを言います。
バウンスには、天井に光を当てて反射させる「天井バウンス」、左右の壁に光を当てて反射させる「壁バウンス」と、その応用で奥の壁に光を当てて逆光を作る方法があります。
外部ストロボだと角度を調整できるので、ストロボの頭を天井や壁に向けるだけでバウンスできます。
内臓フラッシュでもバウンスできるカメラはありますが、ほとんどのカメラは角度の調整ができないですよね。
そこで、自分で内臓フラッシュにひと手間加えることでバランスを可能にしましょう。
やり方は簡単です。白い厚紙や画用紙を用意して、名刺くらいのサイズにカットして、フラッシュにかざすだけ。
アクセサリーシューに刺さるようにはさみでカットすれば、自在に向きを調整できます。
光が天井に向かうように少し斜めにセットすると、光が拡散されて柔らかい雰囲気になります。
天井が低い室内ではかなり有効な方法です。
デュフューザーを使う
内臓フラッシュの照射面は被写体に向いているので、そのまま撮影すると影がクッキリ出てしまいます。
これを防ぐために便利なのが、デュフューザー。
デュフューザーとは、外部ストロボに取り付けて光を拡散させるための道具です。
これを内臓フラッシュに取り付けることで、影がきつくなりにくくなります。
デュフューザーは比較的リーズナブルに手に入り、取り付けも簡単。
コンパクトサイズなので、かばんの中に一つ入れておくと便利です。
フラッシュの明るさの単位
「フラッシュを使ったのに、暗く写る!」という方は、被写体との距離を見直してみましょう。
実は、一眼レフの内臓フラッシュで被写体を明るくできる距離は限られています。
その距離の目安となるのが、「ガイドナンバー(GN)」です。
ガイドナンバーはフラッシュの明るさの単位で、全ての内臓フラッシュに数字がふられています。
この数字とF値を組み合わせることで、フラッシュの光が届く距離が分かります。
以下の計算式で、フラッシュが届く距離を求められます。
『ガイドナンバー(GN)÷ F値 = 距離(〇mまで届く)』
また、光が届く距離はISO感度でも変わります。
「まだちょっと暗いな」と思ったときは、ISO感度を調整することで適正露出を得られるかもしれません。
以下の表を参考にしてみてください。
ISO感度 | 100 | 200 | 400 | 800 | 1000 |
距離(倍) | 1 | 1.4 | 2 | 2.8 | 4.0 |
小さいガイドナンバーのフラッシュで遠くの被写体を撮影しても、暗い写真になってしまいます。
フラッシュを使うときは、自分のカメラのガイドナンバーにも注目してみましょう。
内臓フラッシュで不十分なら、ガイドナンバーの大きい外付けフラッシュの購入を検討するのもひとつの手です。
フラッシュを使わず撮影する方法
影がきつく出てしまったり、背景が暗くなったりと、初心者には少し難易度の高いフラッシュ撮影。
本来の質感が損なわれてしまうこともありますし、フラッシュを使わずに綺麗に撮影できるなら、越したことはありませんよね。
そこで、ここではフラッシュを使わずに綺麗に撮影する方法をご紹介します。
撮影環境が暗いと思ったら、まずはこの方法を試してからフラッシュの利用を検討しましょう。
ISO感度を上げる
「ISO感度」とは、カメラが光をとらえる感度を表す値のことです。
ISO感度を上げると光をとらえる感度が上がり、暗い場所でもしっかり光を取り込んで明るく撮影できます。
「ISO感度を上げると、ザラザラとノイズが出て画質が劣化する」と言いますが、最近のカメラはかなり性能が高くなってきているので、ちょっと上げるくらいなら大丈夫。
そこまで画質は落ちないので、ISO800くらいなら十分綺麗に撮影できるでしょう。
三脚を活用する
暗い場所で光を取り込むために有効なのは、シャッタースピードを遅くすること。
しかし、シャッタースピードを長くすればするほど、手ブレしやすくなってしまいます。
そこで、三脚を活用しましょう。
三脚でカメラを固定しておけば、どれだけシャッタースピードを長くしても手ブレしません。
注意したいのが、シャッターボタンを押すときのわずかな振動。
ほんの少しカメラ本体が動いただけで、写真に影響してしまいます。
そこで、三脚を使うなら、カメラ本体に触れずにシャッターを押せる「レリーズ」も用意しておくと便利です。
一眼レフによってはWi-FiやBluetoothでスマホと接続できるものもあるので、スマホでシャッターを切るのも良いでしょう。
フラッシュを使いこなして綺麗に撮影しよう
今回は、フラッシュのメリット・デメリットと、フラッシュを使うべき場面と使いこなすためのコツをご紹介しました。
綺麗な写真を撮影する上で欠かせないのが、光をコントロールすること。
太陽光のある明るい環境で撮影するのが一番ですが、いつもそんな環境で撮影できるとも限らないですよね。
暗い場所ではフラッシュを使って、上手に光を補いましょう。
フラッシュをマスターできたら、曇りの日でも暗い室内でも環境に左右されずに撮影を楽しめますよ。
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