「明るすぎたり暗すぎたりして上手く撮れない!」
「ピントが合わなくて、ブレブレの写真になる」
そんな悩みを抱いている一眼レフ初心者の方は多いのではないでしょうか。
実はこれらの悩みは、一眼レフで適切な設定をすることで解消できるんです。
今回は、一眼レフの設定方法について詳しくご紹介します。初心者でも、これさえ読めば様々なシチュエーションに対応して綺麗な写真を撮影できるようになりますよ。
目次
一眼レフ基本の設定項目
一眼レフには、「これ何だろう?」と思うようなたくさんのボタンやダイヤルがありますよね。
複雑そうに見えますが、基本の設定項目さえ覚えてしまえば簡単に設定できるようになります。まずは、基本の設定項目についてご紹介します。
F値(絞り値)
一眼レフのレンズの中には、「絞り」という光の量を調整する穴が備わっています。穴を開くと光がたくさん入り、閉じると光が少なくなります。
この絞りの開き具合を数値化したのが、F値です。
F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22……といったように表示されるのですが、この数値=F値が低いほど穴は大きく、光をたくさん取り込めるので明るく撮影できます。
反対にF値を高くすると穴は小さくなり、暗くなります。
F値が低いと、写真はよくボケるようになります。一眼レフらしいボケた写真を撮影したいなら、F値を低くしましょう。
高くするとボケにくく、全体にピントが合った写真になります。
「ボケさせたいけど、そうすると明るすぎる」「全体にピントを合わせたいけれど、光量が足りず暗くなってしまう」
そんなときは、次に紹介するシャッタースピードで調整します。
シャッタースピード
シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間を示す数値です。
1、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250……といったように表示されます。
シャッタースピードが早いほど光を取り込む量は少なくなるので、暗くなります。
しかし、シャッターが開いている時間が短いので、動いている被写体でもブレずに撮影できるメリットがあります。
例えばスポーツをしている様子や、走り回るペットの様子などは、シャッタースピードを早くした方が綺麗に撮影できます。
シャッタースピードが遅いほどたくさんの光を取り込むことができるので、明るくなります。
ブレやすくなるので動く被写体を止めて撮影するのには不向きですが、あえてブレを活かす表現が可能です。
例えば、滝や噴水などの流れるは、シャッタースピードを遅くして撮影すると白い糸線のようになり、躍動感を表現できます。
手ブレを防ぐには、最低でも使用しているレンズの焦点距離と同じくらいの速さは必要です。
ISO感度
写真の明るさやピントは、基本的に上記の「F値」と「シャッタースピード」で調整できます。
しかし暗い場所での撮影だと、F値とシャッタースピードだけでは十分な光を取り込めむための調整ができないことも。
その場合は、「ISO感度」によって調整します。
ISO感度とは、カメラが光をとらえる感度を表す値のことです。
ISO200、400、800、1600、3200……といったように表示されます。
この数値が高いほど感度が高く、少しの光量でも明るく撮影することが可能です。
しかしその分、ノイズが出て画質が劣化するという欠点があります。
低いほど感度は低くなりますが、綺麗な状態で撮影できます。
とはいえ、最近の一眼レフは性能が高いので、ISO感度をある程度高くしてもそこまでノイズは気になりません。
しかし、A3以上の大きなサイズで印刷するなど用途によってはザラザラした質感が目立ってしまうことも。
高画質で撮影したいなら、なるべく撮影環境を明るくしてISO感度を上げずに撮影しましょう。
ホワイトバランス(WB)
最後に調整したいのが、ホワイトバランス。
撮影環境の光の種類に合わせて色味を調整し、白いものを白く写すための機能で、頭文字をとってWB(White Balance)と書かれています。
設定画面にいくと、日陰、太陽、電球などのイラストアイコンを選択できます。
光は、種類によって様々な色や特徴があります。
人間の目だと、白いものは屋内・野外どこで見ても白く見えますよね。
これは人間の目が、光の種類に合わせて自動的に色味を調整してくれているからです。
しかしカメラは、光の色味をそのまま写真に再現します。
試しに、蛍光灯、白熱電球、太陽光、曇り空の下など様々な環境で白いものを撮影してみましょう。
同じ「白」を写しても、撮影環境によって写真には赤みがかかっていたり青みがかかっていたりするはずです。
ホワイトバランスを光源に合わせて適切に設定することで、この色味の違いを調整し、肉眼で見たときと同じような色に撮影できます。
一眼レフの撮影モード
ここまで、基本の設定項目についてご紹介してきました。
しかし、必ずしもこれらの設定を全て自分でしなければいけない訳ではありません。
多くの一眼レフカメラには「モードダイヤル」というものが付いており、これを回すことで撮影モードを変更できます。
撮影モードによっては、カメラが撮影環境や被写体を察知して、自動的に設定してくれることも。
上手く使いこなせば、自分で設定するのと同じくらい綺麗な写真を手軽に撮影できます。
ここでは、一眼レフの撮影モードについてご紹介します。
全自動(AUTO)モード
全自動モードは、F値やシャッター速度、ISO感度など全ての設定をカメラがフルオートでしてくれるモードです。
一眼レフのモードダイヤルを「AUTO」または「A」に回して設定します。
気軽に綺麗な写真を撮影できるのがメリットですが、自動的に設定される分表現の幅は狭まってしまいます。
「もっとボケ味を大きくしたい」「動き回る被写体を止めて撮りたい」など、細かい設定ができないので思ったような表現ができないことも。
とはいえ、一眼レフ初心者がまず使うモードとして、全自動モードはかなりおすすめです。
初心者にとっては、いきなり撮影環境に合わせて細かい設定をするのは難しいですよね。
細かい設定を気にするあまり、せっかく買った一眼レフでの撮影を楽しめなければ本末転倒です。
全自動モードなら撮影者がすることは、ファインダーを覗いて構図を決めて、焦点距離を合わせ、シャッターを押すだけ。
まずは全自動モードで、構図を意識したり狙った被写体にピントを合わせたりと基本的なテクニックを身につける練習をしてみましょう。
プログラムAEモード
プログラムAEモードは、全自動モードと同じくF値やシャッター速度は自動で設定してくれます。
一眼レフのモードダイヤルを「P」に回して設定します。
全自動モードとの違いは、ホワイトバランスやISO感度を手動で設定できること。
また、エレクトロニック・フラッシュの有無も選べます。
全自動モードに比べると表現の幅は少し広がります。
全自動モードでの撮影に慣れてきたら、今度はプログラムAEモードで、ISO感度とホワイトバランスを撮影環境に合わせていろいろ調整ながら、撮影を楽しんでみましょう。
絞り優先AEモード
絞り優先AEモードは、F値、ISO感度、ホワイトバランスを自由に設定できるモードです。
手動で設定したF値に合わせて、最適な露出になるようにカメラがシャッター速度を自動で決めてくれます。
Canonの一眼レフであれば「Av」、ニコンであれば「A」にモードダイヤルを回して設定します。
背景をぼかしてメインの被写体を際立たせた写真は、一眼レフならではの魅力ですよね。
絞り優先AEモードだとボケ具合を自分で決められるので、一眼レフらしい綺麗な写真を撮影できます。
「まだ細かい設定はよく分からないけど、一眼レフらしい写真を撮影してみたい!」という初心者にもおすすめのモードです。
シャッター速度優先AEモード
シャッター速度優先AEモードは、シャッター速度、ISO感度、ホワイトバランスを自由に設定できるモードです。
手動で設定したシャッター速度に合わせて、最適な露出になるようにカメラがF値を自動で決めてくれます。
Canonの一眼レフであれば「Tv」、ニコンであれば「S」にモードダイヤルを回して設定します。
自分が手ブレしないで撮影できるシャッター速度に合わせられるので、動き回る被写体を撮影したいときにおすすめのモードです。
また、シャッターを半押しにして「低速シャッター」にし、流し撮りでわざとブレた写真にすることも可能です。
マニュアルモード
マニュアルモードは、シャッター速度、F値、ISO感度、ホワイトバランスなど全ての設定を手動でするモードです。
一眼レフのモードダイヤルを「M」に回して設定します。
頭の中で思い描いた通りの写真を表現するには、カメラが自動でしてくれる設定では不十分。
手動で微調整しながら、細かい設定が必要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば大丈夫。
むしろ細かい設定ができるマニュアルモードの方が、使い勝手が良く感じるはずです。
マニュアルモードを使いこなす!一眼レフ設定の手順
全自動モードで基本的な操作を学んで、プログラムAEモードや絞り優先AEモードで少し設定もいじってみて……。
一眼レフの扱いに慣れてきたら、いよいよマニュアルモードに挑戦です。
とは言え、どの順番で設定したら良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこで、マニュアルモードを使いこなすための一眼レフ設定の手順についてご紹介します。
①ホワイトバランスを設定する
まずは光の種類に合わせて、ホワイトバランスを設定しましょう。
室内では「白熱灯モード」や「蛍光灯モード」、晴れた屋外や光がたくさん入る部屋では「太陽光モード」、曇りの日の屋外は「曇天モード」と、撮影環境に合わせて設定します。
撮影したい世界観に合わせて、わざとホワイトバランスを実環境とは違うものに変えることもあります。
太陽光モードにすると赤みがかかった温かい雰囲気になり、白熱灯モードにすると青みがプラスされかっこよい雰囲気に。
ホワイトバランスを上手く活用することで、同じ被写体でも表現の幅が一気に広がります。
②ISO感度を設定する
ホワイトバランスを設定したら、次はISO感度。
ノイズの少ない綺麗な写真を撮影するためには、なるべくISO感度は低くするのがポイントです。
撮影環境の光の量に応じて、以下の目安を参考にして設定しましょう。
- 明るい屋外:ISO100~200
- 曇りの屋外や日陰:ISO200~400
- 雨の日:ISO400~800
- 室内:ISO400~800
- 薄暗い室内:ISO800~1600
- かなり暗い室内:ISO1600~ISO3200
- 光源が極めて少ない屋外:ISO3200以上
③F値(絞り値)を設定する
次にF値(絞り値)を設定して、明るさとボケ感を調整していきましょう。
光量が少なく暗い場面では、まずはF値は最小値にして、少しずつ上げて調整していきましょう。
ポートレート写真や料理の写真など、背景をぼかしてメインの被写体を際立たせたいときは、F値を小さくします。
風景写真や集合写真など、背景もクッキリぼかさず写したいときは、F値をF8~F11に設定するのが目安です。
特に意図がないときは、2段階絞るのがおすすめ。高画質な写真になります。
④露出計が適正値になるまでシャッタースピードを変更する
露出計とは、目の前の被写体の明るさを測るためのものです。
カメラの設定画面を見たときに、-3.2.1.0……と数字が並んでいませんか?
ファインダーを覗いた場合は、画面下側に表示されているはずです。
シャッタースピードを変えると、この露出計の目盛りが動きます。
「0」の位置に来るよう調整すると、被写体にとってちょうどよい光の量である「適正露出」になります。
手ブレを防ぐために、最低でも1/60秒より速いシャッタースピードになるよう調整しましょう。
暗かったりピントが合わなかったりする場合は、もう一度①から設定し直してみてください。
一眼レフの設定まとめ
今回は、一眼レフの設定方法について詳しくご紹介しました。
一眼レフ初心者の方にとっては、「シャッタースピード」や「F値」など聞きなじみのない言葉ばかりで戸惑うかもしれません。
しかし実際にやっていることと言えば、明るさとピント、色味を調整することぐらい。
慣れてしまえば、そこまで難しいことではありません。
自分のイメージ通りの写真を撮影できるように、色々試しながら少しずつ設定を覚えていきましょう。
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