犬の流し撮りのコツ!カメラの設定・撮影方法・機材の選び方を解説

ある程度、走っているワンちゃんを止めて撮影できるようになると、次に試してみたくなるのが『流し撮り』。車や電車の流し撮り方法はインターネット上で多く見かけますが、ワンちゃんの流し撮り方法はあまり見かけません。
そこで、この記事では犬の流し撮り方法・コツをご紹介します。ワンちゃんの顔にはピントがしっかり合い、背景は綺麗に流れた1枚を撮れるカメラの設定方法や、おすすめのカメラ・レンズも併せて解説。以下で紹介する方法を実践すれば、躍動感やスピード感のあるかっこいいワンちゃんの写真を撮影できます。慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、練習を重ねれば上手く撮影できるようになりますので、ぜひチャレンジしてください。
目次
流し撮りとは

流し撮りとは、車・列車、動物などの動いている被写体を追いながら低速でシャッターを切る撮影方法のことです。背景や周りのものをあえてブレさせて躍動感やスピード感を表現します。一般的に、電車の撮影やサーキットでの撮影で頻繁に用いられる撮影方法です。


ワンちゃんを流し撮りすると、疾走感が出て、ワンちゃんをカッコよく見せることができます。理想は、背景がしっかりとブレつつ、ワンちゃんの顔にピントが合っていることです。背景がブレきっていなかったり、ワンちゃんの顔にピントが合っていなかったりすると、ただ失敗した写真に見えてしまうので注意しましょう。流し撮りは難しい撮影方法のため、上手く撮影できるとSNSでいいねがもらいやすいかも?
犬の流し撮りをするためのカメラの設定
流し撮りをする際は、カメラの設定が重要です。撮影する前に、以下の設定を行ないましょう。
撮影モードは『シャッター速度優先(Tv)』に設定
流し撮りをする場合は、撮影モードを『シャッター速度優先モード(Tv)』に設定しましょう。シャッター速度優先モードは、シャッタースピードと露出を好みに合わせて変更するだけの簡単なモードです。F値(絞り)とISO感度はカメラが自動で決めてくれます。
| メーカー名 | 撮影モード |
|---|---|
| Canon | Tvモード |
| SONY | Sモード |
| Nikon | Sモード |
シャッタースピードは『1/60』に設定
シャッタースピードを、まずは『1/60』に設定しましょう。1/60は、あくまで基準です。何回か撮ってみて、顔にピントが合っていて背景が流れていればOKです。足はブレていても問題ありません。
ワンちゃんも全体的にブレてしまっているようであれば、1/100秒、1/125秒…とシャッタースピードを徐々に上げてみてください。1/60で背景に動きが出ない場合は、1/30秒、1/15秒…と徐々にシャッタースピードを下げましょう。シャッタースピードは、ワンちゃんの走る速さや背景の流れ具合に応じて変更してください。走るのが遅い子の場合は『1/30』、走るのが速い子は『1/125』程度が目安です。
ドライブモードを高速連続撮影+に設定
ドライブモード(連続撮影の枚数を調整するモード)は、一番多くの枚数を撮影できる『高速連続撮影+』に設定しましょう。流し撮りは走っている犬を撮影するのが前提。そのため、動くワンちゃんの一瞬を確実にカメラに収められる高速連続撮影+の設定が必須です。
| メーカー名 | ドライブモード |
|---|---|
| Canon | 高速連続撮影+ |
| SONY | Hi+ |
| Nikon | 高速連続撮影(拡張) |
AFモードは『サーボAF』に設定
AFモードは、走っているワンちゃんをカメラが自動で追ってくれる『サーボAF』に設定しましょう。サーボAFであれば、シャッターボタンを半押している間は、カメラが自動でワンちゃんにピント合わせ続けてくれます。そのため、初心者でもピンボケの少ない写真を撮ることが可能です。
| メーカー名 | AFモード |
|---|---|
| Canon | サーボAF(SERVO) |
| SONY | コンティニュアスAF(AF-C) |
| Nikon | コンティニュアスAFサーボ(AF-C) |
AFエリアは『1点AF』に設定

AFエリアは1点AFに設定しましょう。1点AFは、AFエリアの広いゾーンAFや領域AFより、正確なピント合わせができるからです。1点AFの枠は中央に設定し、ワンちゃんを中央で捉えましょう。この時、ピントは顔に合っていなくても大丈夫。シャッタースピードを落とす分、F値が上がり、広い範囲にピントを合わせられるためです。
| メーカー名 | AFエリア |
|---|---|
| Canon | AF方式:1点AF |
| SONY | フォーカスエリア:フレキシブルスポットS |
| Nikon | AFエリアモード:シングルポイントAF |
レンズの『流し撮りモード』を使用

手ブレ補正モードのスイッチが搭載されているレンズは、『流し撮りモード』を使用しましょう。流し撮りモードを使うと、被写体ブレを軽減することができます。流し撮りモードは、近年発売されている純正レンズのほとんどに搭載されています。
レンズ側面にある、STABILIZER(手ブレ補正)をONにし、STABILIZER MODEを2(流し撮りモード)に設定してください。写真の仕上がりを左右する上下の手ブレや被写体ブレなどをしっかりと抑制してくれます。
| メーカー名 | 流し撮りモード |
|---|---|
| Canon | MODE2 |
| SONY | MODE2 |
| Nikon | SPORT |
犬の流し撮りの方法

ワンちゃんを流し撮りする基本的な方法をご紹介します。慣れるまでは、ワンちゃんを真横に走らせた状態の撮影がおすすめです。
まずはシャッターボタンを半押しして犬にピントを合わせましょう。シャッター速度優先モードの場合は、ある程度F値が高く、被写界深度が深いため、ピントは目に合わせなくてもOK。特に真横に走るワンちゃんを撮る場合は、顔全体や耳、ボディでも問題ありません。
走っているワンちゃんに合わせてカメラを振り始めましょう。この後解説しますが、カメラは水平に振るのがポイントです。水平に振りながら、同時に連写でシャッターを切りましょう。
シャッターを切った後もカメラを振り続けてください。カメラを最後まで振らないと、ワンちゃんのお尻やしっぽの方が歪んで写ってしまいます。
流し撮りのコツ

背景がしっかりと流れ、主役のワンちゃんにはピントが合った流し撮りをするためのコツを5つご紹介します。流し撮りはコツを掴むのがとても重要なので、ぜひ何度もチャレンジしてみてください。
その1.犬を安定して走らせる
流し撮りではワンちゃんを安定して走らせることが大切です。ワンちゃんは必ずしも決まった場所を走るわけではなく、動きが予測できません。走る際に頭が上下に動いてしまうことも…。頭が上下に動くと、流している背景やワンちゃんが歪んで写ってしまいます。そのため、最初は平坦なドッグランなど犬の顔が上下しにくい場所で走らせるのがおすすめです。
また、ワンちゃんの視点を集中させるようにテンション高く呼んだり、ワンちゃんの進行方向へボールを投げたりするのも良いでしょう。2人以上で撮影できる場合は、1人に直線上を走るよう誘導してもらうと、成功率がグッと上がります。
その2.流れているのが分かる背景を選ぶ
流し撮りをする際は、背景選びが重要です。被写体のスピード感を出すには、背景が十分に流れる必要があります。もし背景が壁紙のような白一色だったしたら、いくら上手く流し撮りができても、背景が流れているかが分かりません。背景の仕上がりを想定しながら、流れているのがはっきり分かる背景を選びましょう。流し撮りに慣れてきたら、お花畑や草木が生い茂る山道などで流し撮りをすると◎。背景が流れているのが分かりやすいかつ、カラフルで可愛い写真に仕上がります。
その3.犬と同じ速度でカメラを振る
ワンちゃんが走る速度と同じ速度でカメラを左右に振りましょう。ワンちゃんと同じ速度でカメラを振らないと、ピントが合わなければならないワンちゃんまでブレてしまうからです。シャッターを切る前からワンちゃんを追い続け、シャッターを切った後もそのままカメラをワンちゃんと同じ速度で振り続けるのが成功のポイントです。
その4.カメラを水平に振る
カメラを振る際は水平に振りましょう。上下にカメラが動いてしまうと、背景や主役のワンちゃんが歪んで写ってしまいます。手ブレ補正機構が搭載されていないカメラやレンズで流し撮りをする場合は、三脚にカメラを据えて撮影するのも良いでしょう。常にカメラが水平状態で撮影できるため、綺麗な流し撮りができます。
その5.何度も練習をする
流し撮りはコツを掴むまでが大変です。そのため、何度も練習することが大切。1回で撮れないからと諦めず、何度もチャレンジして愛犬が一番カッコよく写るタイミングや感覚を掴みましょう。
1人でワンちゃんを走らせながら撮影するのは難しいので、まずは自分の手で練習するのもおすすめです。標準レンズなどの焦点距離の短いレンズを使用して、自分の手を動かしながら流し撮りをしてみましょう。少しずつカメラを動かす速さやタイミングが掴めてくるはず。

上手く写せるようになったら、どんどんシャッター速度を下げていくと良いでしょう。背景がしっかりとブレた理想の流し撮りになるまで練習してみてください。
流し撮りに重要なカメラの性能
手ブレ補正機構
ワンちゃんを流し撮りするには、手ブレ補正機構が重要です。流し撮りでは、シャッター速度を落とす分、手ブレが起きやすいためです。何度も解説している通り、特に上下の手ブレが起きると、流れている背景や主役のワンちゃんが歪んで写ってしまいます。
カメラ本体に手ブレ補正機構が搭載されていない場合は、手ブレ補正機構が搭載されたレンズを選びましょう。
AF性能
高速で走るワンちゃんにピントを合わせ続けるには、AF性能の高いカメラが必要です。なぜなら、走るワンちゃんに手動でピントを合わせ続けるのは難しいから。また、流し撮りの場合、ワンちゃんが動いているだけでなくカメラ自体も動かすため、手動でのピント合わせは困難です。カメラのAF性能に任せて撮影する方が確実にピントを合わせられます。
測距点の多い中級機以上のカメラや、最新のミラーレス一眼カメラであれば、走っているワンちゃんにも問題なくピントを合わせられるでしょう。ワンちゃんはブレずに背景や周りの景色だけがブレた流し撮りが比較的簡単にできます。
流し撮りに重要なレンズの性能
焦点距離:70-200mm
基本的に走っているワンちゃんを撮影するため、カメラでワンちゃんを追いやすい望遠レンズがおすすめです。焦点距離は、ドッグランでも使いやすい70-200mmが良いでしょう。流し撮りの場合は、絞りを絞って撮影するため、レンズの明るさは重要ではありません。軽いレンズが良い場合は70-200mmF4の望遠レンズを、背景がふんわりボケた可愛い写真も撮りたいという場合は70-200mmF2.8の望遠レンズがおすすめです。
横向きに走るワンちゃんの撮影に慣れたら、焦点距離の短い広角レンズで撮影するのもおすすめ。ファインダーやモニターを見ずに、ワンちゃんの前を走りながらシャッターを切ってみましょう。望遠レンズより遠近感が強まるので、ダイナミックな写真に仕上がります。
手ブレ補正機構
手ブレ補正機構が搭載されたレンズがおすすめです。できれば、流し撮りモードが搭載されたレンズが良いでしょう。上下の手ブレや被写体ブレをレンズ側でしっかりと抑えてくれるからです。ある程度高価なモデルの望遠レンズであれば、流し撮りモードが搭載されている場合がほとんどです。レンズ本体に手ブレ補正機構が搭載されていない場合は、手ブレ補正機構が搭載されているカメラを使用するのが良いでしょう。
まとめ

ワンちゃんの流し撮りの方法やコツをご紹介しました。まずは、流し撮りで重要なシャッタースピードの設定やAFエリアの設定をしましょう。そして、ワンちゃんの走る速さに合わせてカメラを振る、流れているのが分かりやすい背景を選ぶなどのコツを意識して撮影してみてください。きっと、普段とは違う躍動感やスピード感のあるかっこいい愛犬の写真が撮れるはず。ぜひ、本記事を参考に、一生懸命走る愛犬をより魅力的に撮影してみてください。
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